魔王から俺への挑戦 -後編-

くれない

2008年06月30日 23:06


それからすぐに駆けつけて戻ってきたチョビ太郎♂と合流できた俺は、この場を相棒に任せて、
急いで助手マリエくんとの待ち合わせ場所であるワイキキへ向かった・・・

その直後、背後によく知っているような気配を感じたのだ・・・!


 


 くれない 「・・・小紅、キミなのか?」


一瞬、そう感じたがそれは小紅ではなかった、そこにいたのはローズマリーだったのだから。

ローズマリーはある意味俺たちの仲間なのだが、厳密に言えば小紅専属の隠密という立場になる。
幼い頃から小紅影武者として傍に仕えてたらしいと聞いたが詳細は知らない、 その理由などもな・・・


 ローズマリー小紅さま、ちょびさま・・・共にご無事でいらっしゃいます。」


短くそう言うとローズマリーの姿は景色に溶け込むように見えなくなった・・・


・・・あぁ、ローズマリーよ・・・せめてアジトの場所くらい教えてけよ (謎)


 


ほどなくマリエくんと合流した俺、くれないはアジトに関する重要な事を聞くことができた。
とある洞窟の中にモザイク・グラスらしきBARを見かけたという証言がいくつかあったのだ。

 マリエ 「ここに地図をコピーしておいたから、くれぐれも気ぃつけてね」


マリエくんの情報収集能力はとても優れていて信頼できる・・・きっとこの洞窟に違いない。

― 彼女がいつもこの場所にいるのには実は訳がある、何かの封印を見張ってると言うのだが・・・
よくは知らないし、いま詳しく話してる時間もない・・・また機会があればその時にでもな ^^; ―


彼女に別れを告げるやいなや俺は一目散にその洞窟目指して駆け抜けてった!


 


どれくらいの距離を走ったのだろうか、この時の記憶にないのだが・・・


ついに洞窟に辿り着いた俺は、そこで魔王と対峙している小紅の間に割り込んだのだ!


 


 魔王 「思ってたよりも遅かったな・・・くれない、のんびりお茶でも飲んでいたのか・・・」

 くれない 「なんだと!」

 小紅 「すっかり人が変わってしまったのね全くの別人みたいだわ、いまのむらさきさんは・・・」

 魔王 「懐かしい名前だな、そう呼ばれるのはいつ以来になるかな・・・くっくっくっ」


・・・な、なんと小紅は俺の兄貴である、「むらさき」を知っていたというのか!出会ってからこれまで、
一度もそんな話をしたことはなかったのだが、まったく以ってだらけな事ばかり起こっている。


その時だった!ヤツの、魔王の様子があきらかにおかしくなったのだ・・・


 


 魔王 「う、うぐぐぅ・・・ま、まさか!完璧に封じ込めてるはずなのに・・・」


そう呟いた魔王の眼は燃え上がるような赤から、哀しみを湛えた青になった・・・かのように見えた。


 


 魔王 「今回は私のアジトを見つけだしたのだ、約束通りに大事なものはお返ししよう・・・」

 くれない 「何を言っている!それで済む問題だと思ってるのか !?」

 魔王 「ふっ・・・」


謎の微笑を称え闇の貴公子魔王は暗闇の奥深くへとその身体を沈めるように失せていった・・・。

最後に一瞬感じたのは、あの優しかった兄貴、むらさきの面影だったのだが俺の気のせいだと思う。
・・・もうどこにもあの優しい兄はいないのだから・・・


まもなく、奥の方に軟禁されていたちょびママさんを助け出している時のことだが、
ふいに目の前で、モザイク・グラスが跡形もなく消えていった、そうまるで役目を終えたかのように・・・


・・・その後、俺たちはこのめいた洞窟をあとにしたのだ。


 

 


小樽に帰った俺たちを、いつものモザイク・グラスが暖かく迎え入れてくれた。

なんでも異空間に閉じ込められてたのをチョビ太郎♂が嗅ぎつけて探し出してくれた上、
なんと復元までしてくれたのだ、なんとも頼りになる相棒のお手柄だった・・・ ^^;

するとやはり、あの洞窟で見たのはよく真似て建築されたものであって本物ではなかったようだな。
・・・ったく手の込んだ事しやがる逆に感心するぜ。


この件で、一部では「魔女」とも呼ばれている流石のちょびママさんも相当こたえたらしく元気がないようだ、
・・・早くよくなってくれるといいのだけどな。

で、もうひとりの小紅といえばだが、まるで何事もなかったかのように振舞っている。
・・・まぁその方が小紅らしくっていいのだと、・・・いまは思う。


 ナレーション 「数々の謎を残したまま、幕を降ろしましたこの事件・・・果たして今後の展開で、
 どう解明されていくのでしょうか?・・・皆様の期待を裏切りつつ、これからも話が進んでいくことでしょう~

 ・・・さて、次回はイケメン、「ボルド」くんの登場予定になっております。
 何ぶん予定でありまして~どうなるかはわかりませんが・・・
 お時間あれば~おつきあいくださいませ w」  ←それって本当に事件って言えるか (謎)
魔王編