小紅と小鳥とイケメンと、・・・封印と。

くれない

2008年07月05日 01:39


さて、これまでのお話はいかがだったでしょうか・・・あのくれないくんの拙い語りだけでは~、
解り難いと思うので・・・今回はあたし、小紅が補足の意味も兼ねてお話しをさせてもらいますね。


 


もうわかってると思うけど、あたしはあの魔王さんとは面識があったのよ・・・

あたしが魔王さん、いえむらさきさんと最後に会ったのは、もう何年か前のことになるわね・・・。


 


当時、あたしたちは特別に結成された研究チームで秘密裡に同じ目的の極秘調査をしていたの・・・
そうそれが、古(いにしえ)の昔にとある有力な魔族を封じ込めたと伝えられている、通称:「封印
・・・と呼ばれるものについてだったのよ。

むらさきさんはその研究チームのリーダーで、若いけど誰よりも熱心に研究に没頭していたわ・・・。

そんなある日、ついに封印を施されたひとつの棺(ひつぎ)が発掘されたの。


あたしたち研究チームはこれでさらに本格的な調査ができると誰もが喜んだわ、でもその直後に・・・
封印された棺と共にむらさきさんが忽然と姿を消したのよ。


 『・・・将来を誓い合っていた、このあたしにさえ何も言わないまま突然にね。』


 


こないだの事件があってすぐ、あたしは当時研究チームで一緒だった幼馴染でもある「小鳥」ちゃんに、
急いで連絡をとって某所で待ち合わせしたの。

 小鳥 「本当に、それはむらさきさんだったの?」

 小紅 「えぇ、あたしがあの人を見間違ったりはしないわ」

 小鳥 「そうね、小紅ちゃんが言うんだから間違いないわよね^^」

 小紅 「そうなの、でもまるで別人の様だったのよ・・・あの優しかったむらさきさんじゃなくて、
 まさに魔王そのものって言っていいくらいに邪悪な感じだったわ・・・でも最後の一瞬だけね、
 以前のむらさきさんを感じる事ができたの」

 小鳥 「・・・えっ、どういう事なの?小紅ちゃん」


小鳥ちゃんもむらさきさんが、あの封印の棺ごと失踪して間も無く・・・
もう研究チームにはいられなくなってしまったあたしと、ほぼ同時期にチームを去ったから、
その後の事は、こうして情報をかわす程度にしかわからないのだけど・・・
なにかと忙しい合い間を縫って、個人的にいろいろ調べて教えてくれてるの。


それでね、いま話した事って実は、くれないくんがまだ全く知らない内容なのよ。


あたしも彼から弟であるくれないくんの事は聞いてはいたけど、研究である程度の成果を出してから、
家族に紹介するって事になってたので、実際はそこまで到らないままそれっきりになってしまったわ・・・
その後、初めてくれないくんに会った時にもちょっと言い出せなくてね、だからまだ・・・

くれないくんにこの事は内緒にしててね・・・時機を見てあたしからちゃんと話をしたいから・・・。


・・・そうそう、そしてまた新たな登場人物「ボルド」さんを紹介しないといけないわ。


 


彼の職業は獣医さん、ほんとは大きな総合病院の跡取り息子らしいんだけど・・・親に逆らってまでして、
自分のやりたい仕事についたとかいう話よ。

 ボルド 「僕の可愛い天使たちと、美しい女神たちが僕が訪れるのを待っていてくれるのだから・・・」


どうやら、ボルドさんの言っている「可愛い天使たち」とはペットの動物たちの事で・・・
「美しい女神たち」っていうのは飼い主の女性たちの事を指すみたいだけど・・・やれやれだわね ^^;


 


ちなみにチョビ太郎♂くんの主治医でもあるので、ちょびさんもその女神たちのひとりって事になるわね♪

その育ちのいいところや天然で憎めないキャラクターが評判になって、あちらこちらで引っ張り凧らしいの、
・・・そういう訳で彼に満更でもない女神たちも多くてね、いろんな意味で多忙だという噂よ (謎)

ただ気になるのは彼、ボルドさんに似た男性があの研究チームにいたらしいという事なのよ・・・
小鳥ちゃんの情報によるとその甘いマスクとは裏腹に相当のやり手だという話なの。
数年前に、あのチームを辞めたとはいえ、あたしたちもまだマークされているのはわかってるのだけれども、
・・・とても油断しててはいけない状況だわ。


もうひとつ言い忘れてたけど、マリエちゃんの見張ってる封印も、どうやら同じ類(たぐい)のものだという話よ。
伝承にも残っているのだけれども、封印というのは棺以外にもいくつかあるのよ・・・
それを何者かの手で勝手に開封されないように守護してる一族の末裔が・・・マリエちゃんなの。


 ナレーション 「 えぇ~っ、そうなの~?・・・これってこういう話だったの~?っていう感じで・・・
 急展開を見せ始めた様子ですが、本来なら主人公であるはずのくれないくんが、
 ほとんど蚊帳の外状態で~、なんだか可哀想になってまいりました (謎)

 ・・・本当に大丈夫か?・・・収集つくのか?・・・次回を待たずに打ち切りなのか !?
 ~と先が読めない展開に突入しております。>まぁ、ストーリーはよくある感じなんですけどね ^^;
 ・・・さてさて、では次回もまた期待しないでお待ちくださいませ w」  ←期待してる読者などおらんわぃ!
魔王編