くれない
2008年07月17日
16:45
ハ~イ、私の名前はアイリス・・・でもそれよりも通り名である虹のイリスと呼ばれる事の方が多いわね。
・・・愛しいあの人がこの日本で消息を絶って、はや2年と3ヶ月あまりが過ぎ去ったわ。
少し前から、どうやら彼らしい人物が出没しているって私の情報網に何度も知らせがあったのだけど・・・
いくつか早急に片付けてしまわないとならない仕事に追われ、逸る気持ちの中やっとここまで来れたの。
「一刻も早くあの人に会いたい!」・・・この熱い想いを抑えることは研究より、とても困難な作業だった・・・
小樽、・・・ここはあの人の弟であるくれないが現在住んでいる所ね・・・私が彼に最後に会ったのは、
あの人がいなくなった後すぐの事だったから・・・早いものね、もう2年以上になるのだわ。
私の生涯のパートナーはあの人以外には考えられない・・・たとえ、婚約者であったかもしれない小紅という
女性がいようといまいと、それは全く関係のない事よ・・・あの人、むらさきは私だけのものなのだから。
ナレーション 「おっと~っ、のっけからまたとんでもない話になっておるようですが、あのむらさきという男は、
あちらこちらで何の研究をしていたというのか !? (←っておい!) 益々、話がみえなくなって参りました w
はてさてこの先・・・いったいどういうストーリー展開をしていくつもりなのでしょうか (謎)
ちなみに、こちらで得た資料によりますと、むらさきが10年前北欧に留学した先でアイリスと知り合ったのだと
記されており、同じ封印の調査チームにおいて5年間、共に研究の日々を過ごしたのだとされています。」
ナレーション 「それでは、話をメインである前回の続きへと戻しましょう・・・人質をとられた形の我らが
くれないは、なす術もなく・・・美しき狩人(ハンター)であるレイの前に不本意ながら屈した訳ですが・・・
その様子を偶然通りかかったある人物が物陰からみていたのでした・・・さて、その正体とは?」
ナレーション 「おぉ、彼はあのボルドくんじゃないですか・・・ちょろっと紹介されただけで温存?されていた
あの彼の往診ルートにこの場所が含まれていたとは、いささか出来すぎな感も否めませんが~ www
・・・まずは彼のお手並みを拝見させてもらう事といたしましょうか。」 ←どこ目線だよ!
ナレーション 「ほうほう、一瞬チラっと見ただけでここまで素早い判断ができるとは~これは彼もなかなか
やりますなぁ~一見、人のいい坊ちゃんタイプですが芯はしっかりとしたものを持ち合わせているようです」
しかし、そこは狩人の異名を持つ美しきレイさん・・・咄嗟にその動きを察知して迫り来る何者かの気配を、
敏感に感じ取ったのであったのだ~
レイ 「あら、そっちでコソコソしてるのはどちらの騎士(ナイト)さんかな?・・・ヘタにでしゃばったりすると、
怪我するだけじゃおうちに帰してあげないわよ w」
ボルド 「・・・!」
そう言いながらハンター・レイはそのしなやかな肢体を臨戦態勢のままに、あらゆる事態に対応できるよう
身構えたのである・・・。
しかしその時、突如として古城の上空に現れたものがいたのだ・・・そうあのむらさきこと闇の貴公子、魔王が
漆黒のユニコーンを駆り、彼らのすぐ傍の空中に颯爽と舞い現れたのである!
魔王の鋭く透き通った眼光が瞬間、輝きを放ったと感じたその刹那・・・レイは金縛りにでもあったかのように、
ピクリとも動けなくなったかと思うと・・・ばったりとその場に倒れてしまったではないか。。。
この目の前で起こった事態に、くれないはすぐには対応できないでいた・・・彼は魔王をみた怒りに我を忘れ
冷静な判断などできない状態に陥っていたからである。。。只々その場に立ち尽くしていたのだった・・・
だがその一瞬のチャンスを見逃さない男がいたのだ、そうボルドである・・・彼は持っていた診療道具を
器用に使い檻の錠前を見事に開錠し、瞬く間に無事ちょびママさんを救い出すことに成功したのである。
まぁ、そのような重要な事にすら・・・魔王を敵視するあまり平常でいられなかったくれないは・・・
その時点で、まったく気付かずにいたのだったけれどもねぇ ^^;
・・・数秒だったのか、また数分が経過したのか・・・あまり定かではないのだが、レイの身体に
またもや変化が訪れたのだ、・・・どうやら意識を取り戻したのかフラフラと立ち上がったのである。
レイ 「・・・う、う~ん」
それは悩ましいとも、そうでないともとれる吐息であった・・・ (謎) 彼女が倒れる直前の姿をみればよく
お解り頂けるのだが、美しき狩人(ハンター)であるはずのレイの様子が明らかに違っている。
・・・そう綺麗なネコ耳や優雅なシッポも消え、着けていた衣服も一部が変化してしまっているではないか !?
レイ 「あれ?くれないさんじゃない、お久しぶりね~マリさんも元気なの?・・・って、ヤダまた記憶がないわ。
わからないけど最近多いのよ、なんかね自分の中にもうひとり自分がいる?みたいなぁ~って感じでさ・・・
気がついたら時間は経ってるのに、そこのとこの記憶だけポカンとないのよ~夢遊病なのかな、えへへ w」
くれない 「レイさん・・・さっきまでのこと覚えていないのですか?」
レイ 「ん?さっきまでって何かしてたのかな~あぁー!実はくれないさん、あたしの記憶がないのをいい事に
なんか変なコトしようとしてたんじゃないの?・・・たしか出会った時はマリさんの闇ガードなんてしてたけど、
裏稼業では口説き屋さんとかしてるって自慢してたもんね~うふふ、いつかほんとに刺されちゃうぞ ^^;
・・・それじゃ、あたし仕事あるんでもう行くね~また楽しいお話しましょうね ♪」
そう言うと軽やかにスキップしながらレイさんは笑顔で立ち去った・・・辺りに残されたのは呆然とその場に
立っているしかなかった、くれないたった一人だけだったのだ・・・
にっくき魔王の姿はとっくに・・・レイさんが倒れ、皆の注意が自分から反れると同時くらいに現れた時同様、
また忽然と。。。その姿を消していたのだ・・・。
一方ボルドもまた、ちょびママさんを安全な場所まで誘導したらしくその姿はこの付近にはなかった。
吐き捨てるようにそう言い放つくれないの姿は、まるで欲しいオモチャを買ってもらえずに・・・
「ちぇっ、あんなのなんか要らないやぃ!」・・・と強がり言ってる子供のようにも見えた。
果たして、・・・本当にレイさんは元の状態に戻れたのだろうか~?
・・・あの時、魔王は何をするために現れたのであろうか~?
・・・ボルドが通りかかったのはほんとに偶然なのか~?
・・・ちょびママさんの身には何もなかったのか~?
はたまた、・・・くれないは主人公としてこれでいいのか !?
・・・などなど、回を進めるごと更に謎は深まっていく~というパターンもそろそろ終わりになろうかとしています。
ナレーション 「え~っ、今回もなんの解決もしないままお別れのお時間となってしまいました・・・ ^^;
次回は、ついにアイリスがくれない達と接触し、また新たな展開へ物語を引っ張っていくという予定でっす。
己の意思に反して思いもよらぬ方向へと流され翻弄されていく、我らが主人公のくれないなのですが・・・
このままですとあまりにも可哀想なので、次回はイメチェンして登場してもらおうかなと思っています ♪
・・・ただ見た目がちょっと変わるだけで中身がそう簡単に変化する訳でもないので、それってなんかめっちゃ
微妙~って感じでスルーされちゃうんじゃないですかね (謎) ←また意味ないんかい!
ではでは、名残惜しいですけども・・・また次回のお話でお会いしましょうねぇ~ w」 ←もう好きにしろ!