Iris Strikes Back

くれない

2009年08月19日 15:10


むらさき小紅らが、それぞれ・・・くれない復活に向けて動いていた頃、
ゾラのところへ、再びキャンティからの恐るべき秘密通信が入っていた・・・。

その驚愕の内容は、 " 本日正午、アイリス博士の処刑を執行する! " というものであったのだ。  




 ※ ゾラが駆けつけた場所には、巨大な蜘蛛の巣に貼り付けられ・・・もがき苦しむアイリスの姿があった。


このゾラ主任と、天才科学者アイリスは、共に、むらさき封印研究施設で3年ほど、
互いに協力しながら、時に競いながら " 封印 " の研究を熱心に進めてきたライバル、いや仲間であった。


しかし、サフランとの交換留学によって・・・アイリスは渡仏し、そこで拉致され洗脳を受けたとされている。

のちに、麗華率いるマダム親衛隊の一員として姿を現し、暗躍していたはずなのだが・・・



それが今回突然、マダム四天王筆頭・・・キャンティより、公開処刑を行う旨の連絡があったのだ。




 ※ アイリスとて、あの大魔王の・・・いや、 " 堕天使 " の封印を持っており、その力は凄まじいと言える。


現場に到着したゾラは、これもキャンティに仕掛けられた罠だとわかってはいたが、
アイリスをこのままにしておく訳にもいかず・・・蜘蛛の巣から救い出し、近くのお堂の中へと運び込んだ。


 ゾラ 「・・・アイリス博士、しっかりして。。。大丈夫?」


 アイリス 「・・・あぁ、ゾラ主任、助けてくれたのね・・・ありがとう。」  


意識が朦朧としていたアイリスであったが、その返事は思ったよりも、むしろしっかりと受け答えできていた。




 ※ だが、その直後・・・アイリスは突如、ガスマスクを装着して高らかに笑いながらゾラに言い放ったのだ。


 アイリス 「・・・では、そのお礼をしなくてはいけないわよねぇ~。。。これでも喰らいやがれ!」 


みるみるうちに、親衛隊の証でもあるタトゥーの隈取が顔に浮かび上がってきたアイリス
その彼女の身に着けた特殊なガスマスクの後部分から、白い霧状のガスが勢いよく噴霧されたのだった。


 ゾラ 「・・・くっ、これは・・・猛毒の、・・・D-MAXガス !?」 


 アイリス 「・・・流石だわゾラ主任~、これはたしか、あなたが開発した化学兵器だったわよねぇ~っ ♪ 」   




 ※ 自分の開発した毒ガスによって、呼吸困難に陥り、薄れゆく意識の中、それでも闘おうと身構えるゾラ


 アイリス 「充分すぎるほどの致死量だというのに、そんなふらふらになりながらもまだ戦おうとするなんて、

 やはり、腐っても蛇神一族の末裔といったところかしら・・・猛毒に対する免疫も持ってるなんてねぇ~ w 」  


 ゾラ 「・・・こ、これはあなたの意思ととって・・・いいのかしか?・・・アイリス博士。」


まともに呼吸をすることも不自由になりながら、ゾラは気丈にもアイリスを睨みつけた。


 アイリス 「あら、主任がいけないのよ・・・私のむらさきに色目を使うから。。。万死に値する愚行だわ!」   




 ※ その時だった、お堂の扉が音もなく開き、そこに現れたのはラフなスタイルに身を包んだ1号であった。


 1号 「・・・そこまでよ、アイリス!・・・こっからは、あたしが相手になってあげる!! 」


 アイリス 「おまえは、ちょび1号!~何を生意気な、いわば母親同然のあたしに歯向かう気かい !?」  


 1号 「あたしに母親がいるって言うなら・・・それは、ちょびママだけよ!」


そういうや否や、ちょび1号は毒ガスをもろともせず・・・ゾラを庇うように、アイリスの前に立ちはだかった。


 ゾラ 「・・・うううっ、・・・どうして、この場所がわかったの?」




 ※ それは目にも留まらぬ見事な早業で・・・次々と突きや蹴りをくり出し、アイリスを追い詰めていった。



 ※ 片や、防戦一方のアイリス・・・所詮、直接の戦闘で1号に勝てるはずもなく撤退を余儀なくされたのだ。


 アイリス 「・・・っくぅ、残念だけど、今回は諦めるしかないようだわ、流石は私の造ったモノよねぇ~っ w 」 


そう言って、アイリスは毒ガスの充満したお堂をあとにし・・・外へと逃げ出した。

その後を追うようにして・・・、1号に抱えられながらゾラも、なんとか表へ無事脱出することができた。


 1号 「・・・あのね、教授が、最近、主任の様子がおかしいから、それとなくガードを・・・って言ったの。」


 ゾラ 「・・・そ、そう、あの人が・・・教授がそんなことをあなたに。。。」 




 ※ 1号が見守る中、追い詰められたアイリスは観念したのか・・・立ち止まり、向かってくるゾラと対峙した。


 アイリス 「あれだけの毒ガスを吸い込んでもまだ生きてるだなんて・・・それが四天王の底力なのねぇ~。」 


 ゾラ 「・・・もう一度だけ聞くわ、これはあなたの意思によるものだと思っていいのね?」


再び、同じ内容の質問をするゾラに・・・アイリスは真っ向からこう答えるのだった。


 アイリス 「・・・私は、私の道をゆくだけのことよ。。。むらさきは決して誰にも渡さないわ!

 その相手がたとえゾラ主任、あなたであろうとも・・・またあの小紅であろうともよ!! ! 」  




 ※ アイリスが少しでも、おかしな行動をすれば~いつでも、やってみせるという意思表示をする1号である。


 ゾラ 「あなたがそうだと同じように、あたしもあたしが選んだ道を進むだけのことなのよ・・・アイリス。」


 アイリス 「・・・わかったわ、そちらも譲らないという事なのよねぇ~ほんと残念だわ。。。ゾラ主任 w 」


ふたりの女性の熾烈を極める戦いの火蓋が、まさに切って落とされた瞬間であった。


 アイリス 「でも今日のところは私の負けって訳よねぇ~あそこで怖いお嬢さんが睨んでることだし、

 そうそうに、引き上げるしか方法がないわぁ~っ、・・・またね、主任。。。勝負は次までお預けよ ♪ 」




 ※ 親衛隊が持つ特殊装備、空間転移リングを使い・・・アイリスは何処ともわからぬ場所へと消え去った。


ゾラが、古(いにしえ)の忌み嫌われた古い家柄・・・蛇神一族の末裔でなければ、
きっと確実にその命を落としていたであろうし、・・・また1号が駆けつけていなければ、あるいは・・・。


ますます激化していく、マダム軍の無差別攻撃に・・・小紅たちはどう対処していけばいいのだろうか。



                                                            ・・・つづく。



 ナレーション 「・・・やはりというか、当然というか、またもやキャンティの連絡は罠だった訳ですね~っ ^^;  

 今回のアイリスも、洗脳というよりは・・・ただ己の感情に従い、思うまま行動しているようですし~ (謎)


 まぁ・・・これまで、普段無理して抑制してた心が、解放されて出てきただけのこと。。。とも言えますが。



 ではでは、次回またここで・・・この時間に、お会いすることに致しましょう。」
 



 ※ くれないがいない状態が長く続いているが・・・健気に自分の仕事をこなし、信じて待ち続ける可愛い1号
闇の黙示録編 第三部