くれない
2009年09月30日
07:50
ここは、遠く人里を離れた不気味な森の遥か遥か奥深くにあるというとある謎のエリア・・・、
己の直属の上司にあたる " 冥府の門番 " こと、エンマを出迎えるためにひとりの女性が立っていた。
その彼女の手にある巨大なドクロのカマからも判るとおり、その生業は " 死神 " なのであった。
※ くれないと違い、正式な死神である彼女には " 死神の鎧 " など必要もなく、このカマだけで事足りる。
いまの彼女は死神に登用される際、名前も過去も記憶も・・・全て抹消されており、
ただ " 死神零番 " という名称が与えられているに過ぎないのだが、便宜上 " ゼロ " と呼ばれている。
・・・今回エンマに呼び出されたのは、現世に戻ってくるくれないの保護観察がその目的であろう。
このゼロたちは正規の許可証を持つ " 死神 " であるのだが、くれないは仮免許すら持たない、
半人前以下のド素人・・・いや、ただただ " 死神の鎧 " を装着しているだけの危険な存在なのである。
※ エンマの繋げた閉じた空間を通り、くれないたちはゼロの待つ薄暗い不気味な森へと無事に到着した。
いくつかある出入り口のひとつ、いまだ半獣人たちが住まうという太古の森深くに降り立ったくれないたち。
ゼロ 「・・・お待ちしておりました、エンマさま。。。この者が噂の " 特例 " なのですね。」
エンマ 「出迎えご苦労じゃったな・・・ゼロ、紹介しておこうか~くれない、 そなたの教官となるゼロじゃ。」
くれない 「・・・俺は死神として、この世に戻ってきたというのか?」
ゼロ 「ふっ、戯けたことを言う・・・何の知識も持たぬキミが到底なれるはずもないのよ。」
エンマ 「・・・手続き上のこともあってなぁ、いくら " 特例 " と言えども何でもはまかりならぬのじゃ。」
もちろん、 " 死神 " の資格を手に入れるには相当厳しい難関をクリアしていく必要があるのだが、
そんなことなど、このくれないが知る訳もなく・・・ゼロにとって素っ頓狂な受け答えにとれたのだった。
※ 突然、膨大な量の " 死神 " に関する極秘情報がくれないの頭の中に流れ込み・・・ラーニングされた。
エンマ 「いま得た知識は、その鎧をまとっている間だけ有効なもので・・・脱ぐとデリートされるのじゃ。」
くれない 「・・・何もかもが、仮初めのライセンスってことか~ったく、よくできたシステムなんだな。」
ゼロ 「おい、キミ!・・・誰に対して口を聞いてるんだ !?・・・このエンマさまというお方は、そもそも・・・」
エンマ 「まぁよいゼロ、・・・何しろこの者は、 " 特例 " なのじゃからな、少々のことは気にするでない。」
ゼロ 「・・・はぁ、そう言われるのでしたら、大目に見ることに致しますが。。。」
くれない 「やっぱ大物は話がわかるなぁ~ほんじゃ、教官・・・俺は一足先に行くんで、あとヨロシク!」
ゼロ 「・・・って、こらキミ!。。。あぁ~っ、もうみえなくなってしまった、これじゃ先が思いやられるわ。」
ふたりの心配をよそに、 " 死神の鎧 " をその身にまとったくれないは、一目散に駆け出していった。
※ 残された形のふたりであったが、けっして焦りなどはなく・・・むしろ余裕に満ちた表情そのものだった。
エンマ 「これも全て、我が君の望んだこと・・・我等はただ、流れに身を任し、傍観するだけじゃ。」
ゼロ 「・・・あのお方がお決めになったとあれば、それが摂理となる。。。という事なのですね。」
どこかしら意味深長な台詞を語るふたりを、不気味な森がただやさしく包み込んでいくのであった。
・・・つづく。
ナレーション 「~またもや登場しました新キャラクター、くれないの教官?となる " 死神零番 " ことゼロ。
彼女はくれないと違って・・・正式なライセンスを所持する正規の " 死神 " なのであります。
・・・そもそも、正規の " 死神 " の仕事ってのが、まだよくわかってないのですけどね~っ (謎)
それにしても、小紅たちがボルドのところへ出向いてから、どれくらいの時間が経過しているのでしょうか?
ではでは、またこの時間、この場所で・・・お会いすることに致しましょう。」
※ 勢いよく飛び出したのはいいが、ここがいったいどこなのか・・・わからない事に気づき迷ってしまった。
くれない 「・・・うぉーーーーーっ、方向がさっぱりわからん~俺はどこへ行きたいんじゃーーっ!! ! 」