ソラマメブログ
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2009年07月13日

麗華の決意

前回、本意ではないものの・・・可愛い後輩の研究留学生サフランを、
見事・・・・一撃で打ち倒してしまったマダム四天王のひとりゾラは、とても複雑な思いでいっぱいだった。

そこを怒涛の如く登場した、マダム親衛隊隊長である麗華に促されて・・・この場をそっとあとにする。


麗華の決意

 ※ ここ壮大なる羊蹄山のふもと・・・ニセコ町において、女たちの攻防が静かに繰り広げられていたのだ。


そして、そのゾラが立ち去ったすぐあとに・・・麗華の前にあの伯爵が姿を現したのだった。


深き闇の帝王でもある “ 吸血鬼  ” の伯爵は、長く留守にしているとはいえ、
麗華にとって主であるマダムマルゴの唯一の夫という特別な立場の存在である。


この麗華の願い・・・それは、“  マダム伯爵が共に仲睦まじく暮らし、
そこに、ご一緒にボルド坊ちゃまもおられる ” ・・・という、実は単純な、しかし、相当に困難な事だったのだ。


現在、伯爵はとある理由により、もう何百年以上という長い年月・・・
かつて深く愛しあった・・・妻であるマルゴのところへは一度も戻っていない。

そんな伯爵がまだマルゴと共に暮らしていた遥か昔に、
麗華マルゴに新たに命を吹き込まれ、この世に再びよみがえったのである。


・・・麗華は、発見された時、完璧な状態で “ 封印  ” を施されていた “ ミイラ ” であったのだ。

実際、発掘し見つけたのは伯爵であったのだが、それを開封し復元したのは妻のマルゴであった。


その時以来、麗華は忠実にマルゴのために、とても献身的に尽くしてきたということになる。


・・・ちなみに、発掘された “ ミイラ ” はもう一体あり、
それが誰なのかはもう言うまでもない事なのだが、あのバレンシュタインその人である。

  (その彼が、麗華にとって夫であったのか、また兄弟であったのか、・・・その関係は不明のままなのだ。)


麗華の決意

 ※ そんな麗華の願いも、伯爵に一喝されてしまい、どうもできないと思い知らされてしまったのだが・・・。


あまりにも哀しく、またまっすぐな瞳で立ちすくむ麗華をみて、
不憫にでも思ったのだろうか、少しの沈黙の後、伯爵はこう切り出した。


 伯爵 「・・・とはいえ、・・・そなたのあれに尽くす態度、・・・我れは、・・・感心しておるのだぞ。」


 麗華 「だ、旦那さま・・・もったいないお言葉であります。・・・麗華はただ当たり前のことをしてるだけで。」  


 伯爵 「・・・そうはいうが、・・・なかなかにはできぬ事だ、・・・礼をいおう、・・・麗華。」


この思いがけない伯爵の感謝の言葉が、ちょっと思い込みの激しい麗華の琴線のどこかに火をつけた。


 麗華麗華は、これからもずっと・・・これまで以上に奥さまのために尽くしていくことを誓いますわ!」 


 伯爵 「・・・ふっ、・・・そなたはいつも真っ直ぐなのだな、・・・そういう生き方もまたまことなのかもしれん。」 


眼前の伯爵の微妙な心の揺れは、もう半ば舞い上がっている麗華に気づかれることはなかった。

孤高な “ 闇の支配者  ” 、伯爵もまた素直になれない煩わしい想いを抱えているのであろう。


 伯爵 「・・・我れともあろうものが、・・・戯言であったな、・・・あまり無理をするでないぞ、・・・麗華。」 


この去り際に伯爵が言った台詞などは・・・ほとんど麗華の耳に届いてなかったようである。


麗華の決意

 ※ 時空を歪ませ、サイケに景色を染めて、その姿を潜めた伯爵、一瞬、かすかに微笑んだようにみえた。


すぐ目の前から、伯爵が消え去ったあとも・・・麗華はひとり自分の心の中に惑っていた。

おそらく・・・脳内より、大量であろうドーパミンがどくどくと溢れ出ていたのだ。。。


 麗華 (・・・旦那さまが、この麗華に頼まれたのだわ。。。奥さまと、そして、坊ちゃまと共に暮らせるよう、

 これからも尚いっそう励むようにと!・・・そうだわ、その為ならこの麗華・・・命さえも惜しいと思わない!! )


この時の麗華は、明らかに自分の考えに酔いしれていた。


 麗華 「もうしばらくだけ、お待ちくださいませ!・・・奥さま、旦那さま・・・そして、ボルド坊ちゃまーっ!! 」 


静まり返った羊蹄山のふもとには、そんな麗華の魂の叫びだけが・・・いつまでもこだましていたのだ。



                                                            ・・・つづく。



 ナレーション 「・・・麗華さまは、如何な理由か不明だが、封印されていた “ ミイラ ” だったんですね。

 いったい、いつの時代に誰がどんな目的で “ 封印  ” したのか・・・まったくなのですけど。。。 


 しかし、それを復元?してしまうマダムマルゴの能力もまた不可思議なのでありますが、

 それにしても麗華さまって、思い込んだら・・・なんとやら~、ほんと正しい方向に進んでほしいものです。


 ・・・では、また次回、ここにてお会いしましょう。」


麗華の決意

 ※ 迎えに来たはずのサフランなど、気にも留めずに・・・ただ妖しい想いに浸っている様の麗華であった。

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この記事へのコメント
わーい、続きだ、続きだ。
麗華さまとバレンシュタイン大佐はミイラだったのか。
麗華さまが変身してバレンシュタイン大佐になるものだと思ってた。
アシュラ男爵みたいに。

あいや~、サフラン放ったらかし!
伯爵さまも罪な方よのう~。
Posted by Mariegold Rayna at 2009年07月13日 07:53
・・・いやいや~~~っ w

いろいろとするどく推理されてらっしゃいますね~迷探偵マリエくん。


しかし!・・・現段階において、麗華さまとバレンシュタインの関係性は~、
まだまだ “ 秘密 ” のアッコちゃんなのですぞ (謎)


ち・な・み・に・・・元々が “ ミイラ ” だという設定はかなり早い段階からあったのでつよ ^^;


それと伯爵さまって・・・実は意外と人間っぽいとこもあるみたいで、
“ 闇の帝王 ” とは言いながら・・・それなりに悩みもあるわけですなぁ。。。


サフランについては、まだ真の意味で目覚めていませんので・・・今後に期待しましょう ♪



ではでは・・・、文字数の割にちっとも話が進まないという噂の、
このうちの “ ブログ ” をこれからもヨロシクです w   ←ダメじゃん!
Posted by くれないくれない at 2009年07月13日 08:31
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