2009年08月29日
美々 -みみ-
ここはボルドの城塞都市の中にあり、美々が管理を自由に任されているプライベートな庭である。
たくさんの木や花といった植物が豊富に茂り、鳥や小動物なども放し飼いにされている・・・
美々がひとりの時でも寂しくないようにと、ボルドが与えた広大なガーデニング・スペースなのである。
※ 気性の激しい一面もあるが、実はこういった気の優しいところこそ、美々本来が持つ性格なのである。
時刻は、ちょうど小紅が " 海の見える丘 " にて、ローズマリーらと話をしていた頃のことであろうか。
普段であれば、我が主・・・ボルド以外のものを招き入れることは決してないのだが、
よほど憤慨していたのか・・・納得していないのだろう、しゅろを直接、自分の庭へと呼びつけたのだ。
美々 「・・・ちょっと、しゅろ!・・・あなたいったいどういうつもりなのよ !?」
しゅろ 「・・・ん?」
・・・すでに、怒り心頭のMAX状態って感じで、やってきたしゅろに食ってかかる美々であった。
※ まだ意識が戻らないちょびママの様子でもずっと見ていたのだろう・・・偽くれないの姿で現れたしゅろ。
しゅろ 「・・・唐突にそういわれても、見当がつかん。。。はて、何のことだ?」
美々 「とぼける気?~あなたが勝手にマスターと小紅を会わせる約束してきたんでしょ、知ってるのよ!」
しゅろ 「あぁ~、・・・そのことか。」
美々 「 " あぁ~ " じゃないわよ!もし万が一、マスターに何かあったら、どうしてくれるつもりなのよ!!
勿論、マスターに限っては、大丈夫だとわかってるけど・・・でも、イヤなの、絶対イヤなのよーっ!! ! 」
マスターの事となると、感情の赴くまま・・・自分を抑えられなくなる美々であった。
※ そこへ、いつからいたのか全く気配を感じさせる事なく、二人の前にボルドが微笑みながら立っていた。
ボルド 「ふふふ、レディの君にしては少し大きな声だね~どうしたんだい?ボクの可愛い子猫ちゃん w 」
美々 「・・・あぁ、マスターすいません。。。はしたないところをお見せしまして。。。」
ボルド 「ちっともかまわないさ・・・そこも美々の素直な一面だし、ボクはとても好きだよ。」
ボルドの態度はいつものように、美々に対して異様なまでにやさしく・・・そして、温かだった。
ボルド 「美々、あまりしゅろを責めないでいておくれ、彼も彼なりに相当悩んだ末のことだろうし、
・・・これもね、ボクはある意味チャンスだと考えているのさ。。。その結果、あの小紅姫と会えるんだしね。」
※ 本当のところ、何を考えているのか、計り知れないのだが・・・このふたりにとっては絶対の存在である。
しゅろ 「・・・マ、マスター。」
ボルド 「何も言わなくていいんだよ、しゅろ・・・あとはボクに任せておけばいいからね。
さぁ、またちょびママのそばについてあげるといい、君といると心なしか彼女の様子がいいようなんだ。」
美々 「・・・ちょびママをどうなさるおつもりなのですか?・・・美々には利用価値があるとも思えません。」
ボルド 「あのね美々、たしかにちょびママも君を見捨てた側のひとりだけど、彼女もまた囚われていたし、
ふつうの人間でしかないただの女性なのだよ、彼女に罪はないんだ・・・もう許してあげるといい。」
※ 気がつけば、しゅろと向かい合うようにし、愛しいマスターの傍らにそっと寄り添っている美々であった。
美々 「・・・はい、マスターがそうおっしゃるなら、美々はそのとおりに。。。」
ボルド 「いいこだね・・・、じゃボクもそろそろ出掛ける準備をする。。。留守番頼んだよ・・・ふたりとも。」
そして、ボルドをひとり残し・・・しゅろはちょびママのところへ、美々は屋敷の方へと戻っていったのである。
・・・つづく。
ナレーション 「・・・美々はまぁ当たり前ですが、しゅろでさえもマスターに逆らうという事はありえません。
美々やしゅろが持つ記憶は、ボルドが作り上げたものなのですから、それも当然と言えるでしょうね。
自分の意思で決めたはずの " 小紅とボルドの会談 " でさえも、実はしゅろの思惑以前の事かも~ (謎)
ではでは、またこの時間、この場所で・・・お会いすることに致しましょう。」
※ 美々やしゅろを言葉巧みに、己の意のまま操る魔人ボルド、その秘められた真意は誰にもわからない、
はたして彼こそが、あの " 救世主の封印 " の本当の持ち主に相応しい人物と言えるのであろうか・・・。
たくさんの木や花といった植物が豊富に茂り、鳥や小動物なども放し飼いにされている・・・
美々がひとりの時でも寂しくないようにと、ボルドが与えた広大なガーデニング・スペースなのである。

※ 気性の激しい一面もあるが、実はこういった気の優しいところこそ、美々本来が持つ性格なのである。
時刻は、ちょうど小紅が " 海の見える丘 " にて、ローズマリーらと話をしていた頃のことであろうか。
普段であれば、我が主・・・ボルド以外のものを招き入れることは決してないのだが、
よほど憤慨していたのか・・・納得していないのだろう、しゅろを直接、自分の庭へと呼びつけたのだ。
美々 「・・・ちょっと、しゅろ!・・・あなたいったいどういうつもりなのよ !?」
しゅろ 「・・・ん?」
・・・すでに、怒り心頭のMAX状態って感じで、やってきたしゅろに食ってかかる美々であった。
※ まだ意識が戻らないちょびママの様子でもずっと見ていたのだろう・・・偽くれないの姿で現れたしゅろ。
しゅろ 「・・・唐突にそういわれても、見当がつかん。。。はて、何のことだ?」
美々 「とぼける気?~あなたが勝手にマスターと小紅を会わせる約束してきたんでしょ、知ってるのよ!」
しゅろ 「あぁ~、・・・そのことか。」
美々 「 " あぁ~ " じゃないわよ!もし万が一、マスターに何かあったら、どうしてくれるつもりなのよ!!
勿論、マスターに限っては、大丈夫だとわかってるけど・・・でも、イヤなの、絶対イヤなのよーっ!! ! 」
マスターの事となると、感情の赴くまま・・・自分を抑えられなくなる美々であった。

※ そこへ、いつからいたのか全く気配を感じさせる事なく、二人の前にボルドが微笑みながら立っていた。
ボルド 「ふふふ、レディの君にしては少し大きな声だね~どうしたんだい?ボクの可愛い子猫ちゃん w 」
美々 「・・・あぁ、マスターすいません。。。はしたないところをお見せしまして。。。」
ボルド 「ちっともかまわないさ・・・そこも美々の素直な一面だし、ボクはとても好きだよ。」
ボルドの態度はいつものように、美々に対して異様なまでにやさしく・・・そして、温かだった。
ボルド 「美々、あまりしゅろを責めないでいておくれ、彼も彼なりに相当悩んだ末のことだろうし、
・・・これもね、ボクはある意味チャンスだと考えているのさ。。。その結果、あの小紅姫と会えるんだしね。」

※ 本当のところ、何を考えているのか、計り知れないのだが・・・このふたりにとっては絶対の存在である。
しゅろ 「・・・マ、マスター。」
ボルド 「何も言わなくていいんだよ、しゅろ・・・あとはボクに任せておけばいいからね。
さぁ、またちょびママのそばについてあげるといい、君といると心なしか彼女の様子がいいようなんだ。」
美々 「・・・ちょびママをどうなさるおつもりなのですか?・・・美々には利用価値があるとも思えません。」
ボルド 「あのね美々、たしかにちょびママも君を見捨てた側のひとりだけど、彼女もまた囚われていたし、
ふつうの人間でしかないただの女性なのだよ、彼女に罪はないんだ・・・もう許してあげるといい。」

※ 気がつけば、しゅろと向かい合うようにし、愛しいマスターの傍らにそっと寄り添っている美々であった。
美々 「・・・はい、マスターがそうおっしゃるなら、美々はそのとおりに。。。」
ボルド 「いいこだね・・・、じゃボクもそろそろ出掛ける準備をする。。。留守番頼んだよ・・・ふたりとも。」
そして、ボルドをひとり残し・・・しゅろはちょびママのところへ、美々は屋敷の方へと戻っていったのである。
・・・つづく。
ナレーション 「・・・美々はまぁ当たり前ですが、しゅろでさえもマスターに逆らうという事はありえません。
美々やしゅろが持つ記憶は、ボルドが作り上げたものなのですから、それも当然と言えるでしょうね。
自分の意思で決めたはずの " 小紅とボルドの会談 " でさえも、実はしゅろの思惑以前の事かも~ (謎)
ではでは、またこの時間、この場所で・・・お会いすることに致しましょう。」

※ 美々やしゅろを言葉巧みに、己の意のまま操る魔人ボルド、その秘められた真意は誰にもわからない、
はたして彼こそが、あの " 救世主の封印 " の本当の持ち主に相応しい人物と言えるのであろうか・・・。
2009年08月26日
記憶の破片・・・。
それは凄まじく鋭い爪を持ち、凶暴な牙を剥き出しにし、巨大な翼で羽ばたく黒きケモノの姿であった。
そのものは、いつも追われていた・・・、そのものは、ただ存在することさえも許されなかったのだ。。。
・・・そのものは、この世界中のどこにも己の翼を休める安住の地はなかったと言えよう。
※ 大きな漆黒の翼をはためかせ、悠々と宙に浮かぶその巨大な生き物を人は " 魔犬 " と呼び恐れた。
その有翼の魔犬は、中世ヨーロッパを中心に数百年に渡り、たびたび姿を現しては、
人々の生活を恐怖のどん底に突き落とした・・・という記録が古い書物にのみ残されているという。
・・・それによると、特に人に危害を加えたとか、村を壊滅させたとかではなかったらしいのだが、
当時の人々は結束し、幾度となく " 魔犬狩り " を行ったが・・・結局、完璧に退治するには至らなかった。
のちに、パタリと姿を現すことがなくなり、 「流石の魔犬も滅びたのだ!」・・・と囁かれるようになっていった。
※ いつしか魔犬の傍らには寄り添う女性の姿をみかけるようになり、その存在は魔犬共々、恐れられた。
彼女は " 魔女 " と呼ばれており、魔犬を操って人々に害をなす邪悪な存在と位置づけられていた。
その彼女も、魔犬と同じで、いつの頃からか姿をみせなくなり、人々の記憶からも消え失せていった・・・。
この頃までは、ヨーロッパに限らず・・・世界中のあちこちでも、怪物などの出没が報告されており、
それは神話・伝承となったり、また歴史の裏側に埋もれていき・・・その実態はわかってないものが多い。
・・・ただ、その姿かたちだけで、忌み嫌われ邪険な扱いを受けたという闇の歴史しか残ってはいないのだ。
※ 異次元空間よりボルドとの待ち合わせ場所に訪れたデュークであったが、そこで思いもよらぬことが !?
海の見える丘で、小紅と別れたデュークは念のため・・・一足先に指定された場所へと向かった。
それは、ボルドらによる何らかの罠が仕掛けられてはいないかと、万が一の用心のためであったのだ。
現場に到着したデュークは念入りに調べてみた結果、たしかに強力な結界は張ってあったが、
それが直接、小紅たちに多大な悪影響をもたらすものではないことがわかったのである。
・・・しかし、その直後、デュークは異なる別の次元へと飛ばされ、不思議な空間へ閉じ込められたのだ。
※ そこでデュークが見たものは、あの魔犬の生い立ちから~人間に追われるまでの映像の破片だった。
デューク 「・・・こ、これは・・・この姿は、・・・ううう、なんだ頭が割れるように痛い!・・・何故だーっ!! ! 」
ボルドが張り巡らせていた結界とリンクする事により、デュークが飛ばされた場所とは・・・、
彼がずっと忘れようと封印していた過去の記憶の断片で、それは己の幼い頃からの生い立ちでもあった。
その凶暴な姿だけで人に追われ、安息することがなかったあの頃、ひとりの心優しき人間の女性と出会い、
ひとときの安らぎを手に入れるものの・・・その彼女はデュークを庇い、目の前で人々に殺されてしまった。
※ これは偶然の結果なのであろうか?~全ての記憶がよみがえり、封印していた力が再び戻ってきた。
・・・その事件で、心身ともにボロボロになったデュークは、あの伯爵を頼って弟子入りし、
己の忌まわしき記憶と共に、自身の変化能力をも一緒に " 封印 " してもらうことにしたのだった。
~あれから既に、また数百年の月日が流れ、いまならやっと受け止めることができるようになったのだ。
・・・つづく。
ナレーション 「・・・あの有翼の魔犬は、デューク本来の " 狼 " の姿であったという訳なのですね。
人狼であるデュークは、身も心も傷つき疲れ果て・・・伯爵のもとを訪れ、記憶の一部を封印してもらい、
新たに、人狼吸血鬼として人生をリセットし、これまで過ごしてきた・・・ということなのでしょう。
・・・ちなみに、デュークの左肩に乗ってるミニ魔犬が " 封印 " の棺そのものであり、
それを開放することによって、あの巨大な有翼の魔犬の姿へとなれるんだそうです。
ではでは、またこの場所で、この時間・・・お会いすることに致しましょう。」
※ 封印してた忌まわしき記憶を受け入れ、前向きに生きていこうと、そう考えられるようになったデューク。
そのものは、いつも追われていた・・・、そのものは、ただ存在することさえも許されなかったのだ。。。
・・・そのものは、この世界中のどこにも己の翼を休める安住の地はなかったと言えよう。

※ 大きな漆黒の翼をはためかせ、悠々と宙に浮かぶその巨大な生き物を人は " 魔犬 " と呼び恐れた。
その有翼の魔犬は、中世ヨーロッパを中心に数百年に渡り、たびたび姿を現しては、
人々の生活を恐怖のどん底に突き落とした・・・という記録が古い書物にのみ残されているという。
・・・それによると、特に人に危害を加えたとか、村を壊滅させたとかではなかったらしいのだが、
当時の人々は結束し、幾度となく " 魔犬狩り " を行ったが・・・結局、完璧に退治するには至らなかった。
のちに、パタリと姿を現すことがなくなり、 「流石の魔犬も滅びたのだ!」・・・と囁かれるようになっていった。

※ いつしか魔犬の傍らには寄り添う女性の姿をみかけるようになり、その存在は魔犬共々、恐れられた。
彼女は " 魔女 " と呼ばれており、魔犬を操って人々に害をなす邪悪な存在と位置づけられていた。
その彼女も、魔犬と同じで、いつの頃からか姿をみせなくなり、人々の記憶からも消え失せていった・・・。
この頃までは、ヨーロッパに限らず・・・世界中のあちこちでも、怪物などの出没が報告されており、
それは神話・伝承となったり、また歴史の裏側に埋もれていき・・・その実態はわかってないものが多い。
・・・ただ、その姿かたちだけで、忌み嫌われ邪険な扱いを受けたという闇の歴史しか残ってはいないのだ。

※ 異次元空間よりボルドとの待ち合わせ場所に訪れたデュークであったが、そこで思いもよらぬことが !?
海の見える丘で、小紅と別れたデュークは念のため・・・一足先に指定された場所へと向かった。
それは、ボルドらによる何らかの罠が仕掛けられてはいないかと、万が一の用心のためであったのだ。
現場に到着したデュークは念入りに調べてみた結果、たしかに強力な結界は張ってあったが、
それが直接、小紅たちに多大な悪影響をもたらすものではないことがわかったのである。
・・・しかし、その直後、デュークは異なる別の次元へと飛ばされ、不思議な空間へ閉じ込められたのだ。

※ そこでデュークが見たものは、あの魔犬の生い立ちから~人間に追われるまでの映像の破片だった。
デューク 「・・・こ、これは・・・この姿は、・・・ううう、なんだ頭が割れるように痛い!・・・何故だーっ!! ! 」
ボルドが張り巡らせていた結界とリンクする事により、デュークが飛ばされた場所とは・・・、
彼がずっと忘れようと封印していた過去の記憶の断片で、それは己の幼い頃からの生い立ちでもあった。
その凶暴な姿だけで人に追われ、安息することがなかったあの頃、ひとりの心優しき人間の女性と出会い、
ひとときの安らぎを手に入れるものの・・・その彼女はデュークを庇い、目の前で人々に殺されてしまった。

※ これは偶然の結果なのであろうか?~全ての記憶がよみがえり、封印していた力が再び戻ってきた。
・・・その事件で、心身ともにボロボロになったデュークは、あの伯爵を頼って弟子入りし、
己の忌まわしき記憶と共に、自身の変化能力をも一緒に " 封印 " してもらうことにしたのだった。
~あれから既に、また数百年の月日が流れ、いまならやっと受け止めることができるようになったのだ。
・・・つづく。
ナレーション 「・・・あの有翼の魔犬は、デューク本来の " 狼 " の姿であったという訳なのですね。
人狼であるデュークは、身も心も傷つき疲れ果て・・・伯爵のもとを訪れ、記憶の一部を封印してもらい、
新たに、人狼吸血鬼として人生をリセットし、これまで過ごしてきた・・・ということなのでしょう。
・・・ちなみに、デュークの左肩に乗ってるミニ魔犬が " 封印 " の棺そのものであり、
それを開放することによって、あの巨大な有翼の魔犬の姿へとなれるんだそうです。
ではでは、またこの場所で、この時間・・・お会いすることに致しましょう。」

※ 封印してた忌まわしき記憶を受け入れ、前向きに生きていこうと、そう考えられるようになったデューク。
2009年08月25日
海の見える丘
偽くれない・・・こと、しゅろを介してボルドへの橋渡しをようやく手に入れた小紅たち一行だったが、
渋るローズマリーを説得する為、海が見渡せるとある岬の・・・小高く景色のよい丘の上へと集合していた。
すでに、ボルドとの約束の期日も決まり・・・それが、あと数時間後にまで迫っていた時の話である。
※ ここは、ローズマリーお気に入りのスポットで・・・よく小紅と来る見晴らしのよい絶景の場所なのである。
いつもは、散歩がてら・・・あちこち散策を楽しみながら、てっぺんまで登ってくるのだが、
どうやら今日のローズマリーは、そういう気軽なムードを楽しむ気分ではなかったとみえる。
ローズマリー 「・・・いくらここへ連れて来られても、ローズマリーは許した訳ではないですよ。」
小紅 「うふふ、こんなことくらいで許してもらおうなんて、思ってないわよ・・・ローズマリー姉さま w 」
いつもの手口ではあったが・・・この小紅の笑顔にローズマリーはとても弱かった。
※ 小紅より贈られた、たくさんのバラをあしらったドレス一式を身につけて・・・、実は嬉しいローズマリー。
小紅 「あなたには、あたしがいない間、 " 影武者 " として敵に気付かれないよう振舞っててほしいの。」
ローズマリー 「しかし姫さま、あのボルドのところへ・・・単身ひとりで出向くなんて危険が多すぎます!」
小紅 「大丈夫よ、このデュークさんも異次元からガードしてくれることになってるし。」
ローズマリー 「ふぅ~、やはりもうお決めになられてるという事ですね、・・・よくわかりました。」
小紅 「そう、わかってくれたのね・・・嬉しいわ、ローズマリー。」
※ ようやく話も頃合いかと、木の上からひょうひょうと降りてきた人狼吸血鬼デュークであったが・・・。
ローズマリー 「姫さまの決意はお堅いようですので、ローズマリーも覚悟をしてまいりました。」
デューク 「・・・ほえっ、なんだまだ話ついてなかったのか?」
ローズマリー 「・・・なので、一緒に行ってもらえる頼もしい助っ人をご用意しておくことにしたのです。」
小紅 「うふふ、そういうところ・・・、ローズマリーらしくて、あたし好きよ。」
ふたりは、生まれてきてからずっとの長い付き合いで・・・互いをよく知り尽くしていたと言えるだろう。
※ 己のたったひとりの主として、この命にかえてもと。。。心から小紅を想い、心配しているローズマリー。
ローズマリー 「何度も言いますが、くれぐれもご用心なさってくださいませ・・・小紅さま。」
小紅 「・・・ありがとう、ローズマリーお姉さん。。。あとは頼んだわね。」
ローズマリー 「承知致しました・・・では、任務に戻ります。」
そう返事すると・・・すぐさま、ローズマリーはこの場所をあとにし見えなくなった。
デューク 「そんじゃこっちも、先に待ち合わせ場所に行って・・・下調べしとくよ。。。じゃあとでな w 」
※ ローズマリーもデュークも順番にいなくなり、あとには海の見える丘と・・・ " 疾風 " とだけになった。
小紅 「・・・いまのローズマリーには、まだゼブラのことは言えないわね。」
それは、誰にも聞こえないような声で・・・独り言のように囁かれた台詞だった。。。
少し前、ゼブラの身に起きた悲しい出来事はすでに報告され、小紅の耳にだけは入ってきていたのだ。
小紅 「さて、あたしをサポートしてくれる頼もしい助っ人って、いったい誰なのかしら・・・楽しみだわ。」
そのことを、いまはまだ忘れていようとするかの如く、精一杯明るく見せようとする小紅であった。
※ いつの間にか・・・先ほどデュークがいた同じ枝の上に、1号がハミングしながら座っているではないか。
小紅 「あら、頼もしい助っ人ってあなただったの・・・1号?」
1号 「あい、・・・ローズマリーから小判1枚でこの " 仕置き " 引き受けた w 」
人造人間である1号はいま、・・・とある時代劇の人気シリーズにどっぷりハマってるらしい。
小紅 「・・・それは頼もしいわ、じゃ、 " 仕掛けて仕損じなし! " ってことね。」
1号 「あいあい w 」
※ そしてもうひとり・・・大胆な皮のジャケットに身を包み、そっと近づいてきたのは主任のゾラであった。
ゾラ 「あたしも、及ばずながら、ご一緒させてもらうわ・・・構わないかしら、小紅さん。」
小紅 「命の保障なんて・・・どこにもないですよ、ゾラ主任。」
ゾラ 「・・・えぇ、ご心配なく、その覚悟ならもとより出来ているから。」
新たに加わった助っ人ふたりと共に、丘の上からの素晴らしい景色を望む小紅であった。
・・・つづく。
ナレーション 「・・・ローズマリーの手配により、新たに1号とゾラが小紅ら一行に加わった。
このあと、いよいよボルトとの直接対面が待っている・・・いったい何が起こるというのだろうか・・・。
ではでは・・・またこの場所で、この時間・・・お会いすることに致しましょう。」

※ 沈みゆく夕陽を眺め、しばしくつろぐ3人・・・しかし、約束の時間はもうすぐそこまでやってきているのだ。
渋るローズマリーを説得する為、海が見渡せるとある岬の・・・小高く景色のよい丘の上へと集合していた。
すでに、ボルドとの約束の期日も決まり・・・それが、あと数時間後にまで迫っていた時の話である。

※ ここは、ローズマリーお気に入りのスポットで・・・よく小紅と来る見晴らしのよい絶景の場所なのである。
いつもは、散歩がてら・・・あちこち散策を楽しみながら、てっぺんまで登ってくるのだが、
どうやら今日のローズマリーは、そういう気軽なムードを楽しむ気分ではなかったとみえる。
ローズマリー 「・・・いくらここへ連れて来られても、ローズマリーは許した訳ではないですよ。」
小紅 「うふふ、こんなことくらいで許してもらおうなんて、思ってないわよ・・・ローズマリー姉さま w 」
いつもの手口ではあったが・・・この小紅の笑顔にローズマリーはとても弱かった。

※ 小紅より贈られた、たくさんのバラをあしらったドレス一式を身につけて・・・、実は嬉しいローズマリー。
小紅 「あなたには、あたしがいない間、 " 影武者 " として敵に気付かれないよう振舞っててほしいの。」
ローズマリー 「しかし姫さま、あのボルドのところへ・・・単身ひとりで出向くなんて危険が多すぎます!」
小紅 「大丈夫よ、このデュークさんも異次元からガードしてくれることになってるし。」
ローズマリー 「ふぅ~、やはりもうお決めになられてるという事ですね、・・・よくわかりました。」
小紅 「そう、わかってくれたのね・・・嬉しいわ、ローズマリー。」

※ ようやく話も頃合いかと、木の上からひょうひょうと降りてきた人狼吸血鬼デュークであったが・・・。
ローズマリー 「姫さまの決意はお堅いようですので、ローズマリーも覚悟をしてまいりました。」
デューク 「・・・ほえっ、なんだまだ話ついてなかったのか?」
ローズマリー 「・・・なので、一緒に行ってもらえる頼もしい助っ人をご用意しておくことにしたのです。」
小紅 「うふふ、そういうところ・・・、ローズマリーらしくて、あたし好きよ。」
ふたりは、生まれてきてからずっとの長い付き合いで・・・互いをよく知り尽くしていたと言えるだろう。

※ 己のたったひとりの主として、この命にかえてもと。。。心から小紅を想い、心配しているローズマリー。
ローズマリー 「何度も言いますが、くれぐれもご用心なさってくださいませ・・・小紅さま。」
小紅 「・・・ありがとう、ローズマリーお姉さん。。。あとは頼んだわね。」
ローズマリー 「承知致しました・・・では、任務に戻ります。」
そう返事すると・・・すぐさま、ローズマリーはこの場所をあとにし見えなくなった。
デューク 「そんじゃこっちも、先に待ち合わせ場所に行って・・・下調べしとくよ。。。じゃあとでな w 」
※ ローズマリーもデュークも順番にいなくなり、あとには海の見える丘と・・・ " 疾風 " とだけになった。
小紅 「・・・いまのローズマリーには、まだゼブラのことは言えないわね。」
それは、誰にも聞こえないような声で・・・独り言のように囁かれた台詞だった。。。
少し前、ゼブラの身に起きた悲しい出来事はすでに報告され、小紅の耳にだけは入ってきていたのだ。
小紅 「さて、あたしをサポートしてくれる頼もしい助っ人って、いったい誰なのかしら・・・楽しみだわ。」
そのことを、いまはまだ忘れていようとするかの如く、精一杯明るく見せようとする小紅であった。

※ いつの間にか・・・先ほどデュークがいた同じ枝の上に、1号がハミングしながら座っているではないか。
小紅 「あら、頼もしい助っ人ってあなただったの・・・1号?」
1号 「あい、・・・ローズマリーから小判1枚でこの " 仕置き " 引き受けた w 」
人造人間である1号はいま、・・・とある時代劇の人気シリーズにどっぷりハマってるらしい。
小紅 「・・・それは頼もしいわ、じゃ、 " 仕掛けて仕損じなし! " ってことね。」
1号 「あいあい w 」

※ そしてもうひとり・・・大胆な皮のジャケットに身を包み、そっと近づいてきたのは主任のゾラであった。
ゾラ 「あたしも、及ばずながら、ご一緒させてもらうわ・・・構わないかしら、小紅さん。」
小紅 「命の保障なんて・・・どこにもないですよ、ゾラ主任。」
ゾラ 「・・・えぇ、ご心配なく、その覚悟ならもとより出来ているから。」
新たに加わった助っ人ふたりと共に、丘の上からの素晴らしい景色を望む小紅であった。
・・・つづく。
ナレーション 「・・・ローズマリーの手配により、新たに1号とゾラが小紅ら一行に加わった。
このあと、いよいよボルトとの直接対面が待っている・・・いったい何が起こるというのだろうか・・・。
ではでは・・・またこの場所で、この時間・・・お会いすることに致しましょう。」

※ 沈みゆく夕陽を眺め、しばしくつろぐ3人・・・しかし、約束の時間はもうすぐそこまでやってきているのだ。
2009年08月19日
Iris Strikes Back
むらさきや小紅らが、それぞれ・・・くれない復活に向けて動いていた頃、
ゾラのところへ、再びキャンティからの恐るべき秘密通信が入っていた・・・。
その驚愕の内容は、 " 本日正午、アイリス博士の処刑を執行する! " というものであったのだ。
※ ゾラが駆けつけた場所には、巨大な蜘蛛の巣に貼り付けられ・・・もがき苦しむアイリスの姿があった。
このゾラ主任と、天才科学者アイリスは、共に、むらさきの封印研究施設で3年ほど、
互いに協力しながら、時に競いながら " 封印 " の研究を熱心に進めてきたライバル、いや仲間であった。
しかし、サフランとの交換留学によって・・・アイリスは渡仏し、そこで拉致され洗脳を受けたとされている。
のちに、麗華率いるマダム親衛隊の一員として姿を現し、暗躍していたはずなのだが・・・
それが今回突然、マダム四天王筆頭・・・キャンティより、公開処刑を行う旨の連絡があったのだ。

※ アイリスとて、あの大魔王の・・・いや、 " 堕天使 " の封印を持っており、その力は凄まじいと言える。
現場に到着したゾラは、これもキャンティに仕掛けられた罠だとわかってはいたが、
アイリスをこのままにしておく訳にもいかず・・・蜘蛛の巣から救い出し、近くのお堂の中へと運び込んだ。
ゾラ 「・・・アイリス博士、しっかりして。。。大丈夫?」
アイリス 「・・・あぁ、ゾラ主任、助けてくれたのね・・・ありがとう。」
意識が朦朧としていたアイリスであったが、その返事は思ったよりも、むしろしっかりと受け答えできていた。

※ だが、その直後・・・アイリスは突如、ガスマスクを装着して高らかに笑いながらゾラに言い放ったのだ。
アイリス 「・・・では、そのお礼をしなくてはいけないわよねぇ~。。。これでも喰らいやがれ!」
みるみるうちに、親衛隊の証でもあるタトゥーの隈取が顔に浮かび上がってきたアイリス、
その彼女の身に着けた特殊なガスマスクの後部分から、白い霧状のガスが勢いよく噴霧されたのだった。
ゾラ 「・・・くっ、これは・・・猛毒の、・・・D-MAXガス !?」
アイリス 「・・・流石だわゾラ主任~、これはたしか、あなたが開発した化学兵器だったわよねぇ~っ ♪ 」

※ 自分の開発した毒ガスによって、呼吸困難に陥り、薄れゆく意識の中、それでも闘おうと身構えるゾラ。
アイリス 「充分すぎるほどの致死量だというのに、そんなふらふらになりながらもまだ戦おうとするなんて、
やはり、腐っても蛇神一族の末裔といったところかしら・・・猛毒に対する免疫も持ってるなんてねぇ~ w 」
ゾラ 「・・・こ、これはあなたの意思ととって・・・いいのかしか?・・・アイリス博士。」
まともに呼吸をすることも不自由になりながら、ゾラは気丈にもアイリスを睨みつけた。
アイリス 「あら、主任がいけないのよ・・・私のむらさきに色目を使うから。。。万死に値する愚行だわ!」

※ その時だった、お堂の扉が音もなく開き、そこに現れたのはラフなスタイルに身を包んだ1号であった。
1号 「・・・そこまでよ、アイリス!・・・こっからは、あたしが相手になってあげる!! 」
アイリス 「おまえは、ちょび1号!~何を生意気な、いわば母親同然のあたしに歯向かう気かい !?」
1号 「あたしに母親がいるって言うなら・・・それは、ちょびママだけよ!」
そういうや否や、ちょび1号は毒ガスをもろともせず・・・ゾラを庇うように、アイリスの前に立ちはだかった。
ゾラ 「・・・うううっ、・・・どうして、この場所がわかったの?」

※ それは目にも留まらぬ見事な早業で・・・次々と突きや蹴りをくり出し、アイリスを追い詰めていった。

※ 片や、防戦一方のアイリス・・・所詮、直接の戦闘で1号に勝てるはずもなく撤退を余儀なくされたのだ。
アイリス 「・・・っくぅ、残念だけど、今回は諦めるしかないようだわ、流石は私の造ったモノよねぇ~っ w 」
そう言って、アイリスは毒ガスの充満したお堂をあとにし・・・外へと逃げ出した。
その後を追うようにして・・・、1号に抱えられながらゾラも、なんとか表へ無事脱出することができた。
1号 「・・・あのね、教授が、最近、主任の様子がおかしいから、それとなくガードを・・・って言ったの。」
ゾラ 「・・・そ、そう、あの人が・・・教授がそんなことをあなたに。。。」

※ 1号が見守る中、追い詰められたアイリスは観念したのか・・・立ち止まり、向かってくるゾラと対峙した。
アイリス 「あれだけの毒ガスを吸い込んでもまだ生きてるだなんて・・・それが四天王の底力なのねぇ~。」
ゾラ 「・・・もう一度だけ聞くわ、これはあなたの意思によるものだと思っていいのね?」
再び、同じ内容の質問をするゾラに・・・アイリスは真っ向からこう答えるのだった。
アイリス 「・・・私は、私の道をゆくだけのことよ。。。むらさきは決して誰にも渡さないわ!
その相手がたとえゾラ主任、あなたであろうとも・・・またあの小紅であろうともよ!! ! 」

※ アイリスが少しでも、おかしな行動をすれば~いつでも、やってみせるという意思表示をする1号である。
ゾラ 「あなたがそうだと同じように、あたしもあたしが選んだ道を進むだけのことなのよ・・・アイリス。」
アイリス 「・・・わかったわ、そちらも譲らないという事なのよねぇ~ほんと残念だわ。。。ゾラ主任 w 」
ふたりの女性の熾烈を極める戦いの火蓋が、まさに切って落とされた瞬間であった。
アイリス 「でも今日のところは私の負けって訳よねぇ~あそこで怖いお嬢さんが睨んでることだし、
そうそうに、引き上げるしか方法がないわぁ~っ、・・・またね、主任。。。勝負は次までお預けよ ♪ 」

※ 親衛隊が持つ特殊装備、空間転移リングを使い・・・アイリスは何処ともわからぬ場所へと消え去った。
ゾラが、古(いにしえ)の忌み嫌われた古い家柄・・・蛇神一族の末裔でなければ、
きっと確実にその命を落としていたであろうし、・・・また1号が駆けつけていなければ、あるいは・・・。
ますます激化していく、マダム軍の無差別攻撃に・・・小紅たちはどう対処していけばいいのだろうか。
・・・つづく。
ナレーション 「・・・やはりというか、当然というか、またもやキャンティの連絡は罠だった訳ですね~っ ^^;
今回のアイリスも、洗脳というよりは・・・ただ己の感情に従い、思うまま行動しているようですし~ (謎)
まぁ・・・これまで、普段無理して抑制してた心が、解放されて出てきただけのこと。。。とも言えますが。
ではでは、次回またここで・・・この時間に、お会いすることに致しましょう。」
※ くれないがいない状態が長く続いているが・・・健気に自分の仕事をこなし、信じて待ち続ける可愛い1号。
ゾラのところへ、再びキャンティからの恐るべき秘密通信が入っていた・・・。
その驚愕の内容は、 " 本日正午、アイリス博士の処刑を執行する! " というものであったのだ。

※ ゾラが駆けつけた場所には、巨大な蜘蛛の巣に貼り付けられ・・・もがき苦しむアイリスの姿があった。
このゾラ主任と、天才科学者アイリスは、共に、むらさきの封印研究施設で3年ほど、
互いに協力しながら、時に競いながら " 封印 " の研究を熱心に進めてきたライバル、いや仲間であった。
しかし、サフランとの交換留学によって・・・アイリスは渡仏し、そこで拉致され洗脳を受けたとされている。
のちに、麗華率いるマダム親衛隊の一員として姿を現し、暗躍していたはずなのだが・・・
それが今回突然、マダム四天王筆頭・・・キャンティより、公開処刑を行う旨の連絡があったのだ。

※ アイリスとて、あの大魔王の・・・いや、 " 堕天使 " の封印を持っており、その力は凄まじいと言える。
現場に到着したゾラは、これもキャンティに仕掛けられた罠だとわかってはいたが、
アイリスをこのままにしておく訳にもいかず・・・蜘蛛の巣から救い出し、近くのお堂の中へと運び込んだ。
ゾラ 「・・・アイリス博士、しっかりして。。。大丈夫?」
アイリス 「・・・あぁ、ゾラ主任、助けてくれたのね・・・ありがとう。」
意識が朦朧としていたアイリスであったが、その返事は思ったよりも、むしろしっかりと受け答えできていた。

※ だが、その直後・・・アイリスは突如、ガスマスクを装着して高らかに笑いながらゾラに言い放ったのだ。
アイリス 「・・・では、そのお礼をしなくてはいけないわよねぇ~。。。これでも喰らいやがれ!」
みるみるうちに、親衛隊の証でもあるタトゥーの隈取が顔に浮かび上がってきたアイリス、
その彼女の身に着けた特殊なガスマスクの後部分から、白い霧状のガスが勢いよく噴霧されたのだった。
ゾラ 「・・・くっ、これは・・・猛毒の、・・・D-MAXガス !?」
アイリス 「・・・流石だわゾラ主任~、これはたしか、あなたが開発した化学兵器だったわよねぇ~っ ♪ 」

※ 自分の開発した毒ガスによって、呼吸困難に陥り、薄れゆく意識の中、それでも闘おうと身構えるゾラ。
アイリス 「充分すぎるほどの致死量だというのに、そんなふらふらになりながらもまだ戦おうとするなんて、
やはり、腐っても蛇神一族の末裔といったところかしら・・・猛毒に対する免疫も持ってるなんてねぇ~ w 」
ゾラ 「・・・こ、これはあなたの意思ととって・・・いいのかしか?・・・アイリス博士。」
まともに呼吸をすることも不自由になりながら、ゾラは気丈にもアイリスを睨みつけた。
アイリス 「あら、主任がいけないのよ・・・私のむらさきに色目を使うから。。。万死に値する愚行だわ!」

※ その時だった、お堂の扉が音もなく開き、そこに現れたのはラフなスタイルに身を包んだ1号であった。
1号 「・・・そこまでよ、アイリス!・・・こっからは、あたしが相手になってあげる!! 」
アイリス 「おまえは、ちょび1号!~何を生意気な、いわば母親同然のあたしに歯向かう気かい !?」
1号 「あたしに母親がいるって言うなら・・・それは、ちょびママだけよ!」
そういうや否や、ちょび1号は毒ガスをもろともせず・・・ゾラを庇うように、アイリスの前に立ちはだかった。
ゾラ 「・・・うううっ、・・・どうして、この場所がわかったの?」

※ それは目にも留まらぬ見事な早業で・・・次々と突きや蹴りをくり出し、アイリスを追い詰めていった。

※ 片や、防戦一方のアイリス・・・所詮、直接の戦闘で1号に勝てるはずもなく撤退を余儀なくされたのだ。
アイリス 「・・・っくぅ、残念だけど、今回は諦めるしかないようだわ、流石は私の造ったモノよねぇ~っ w 」
そう言って、アイリスは毒ガスの充満したお堂をあとにし・・・外へと逃げ出した。
その後を追うようにして・・・、1号に抱えられながらゾラも、なんとか表へ無事脱出することができた。
1号 「・・・あのね、教授が、最近、主任の様子がおかしいから、それとなくガードを・・・って言ったの。」
ゾラ 「・・・そ、そう、あの人が・・・教授がそんなことをあなたに。。。」

※ 1号が見守る中、追い詰められたアイリスは観念したのか・・・立ち止まり、向かってくるゾラと対峙した。
アイリス 「あれだけの毒ガスを吸い込んでもまだ生きてるだなんて・・・それが四天王の底力なのねぇ~。」
ゾラ 「・・・もう一度だけ聞くわ、これはあなたの意思によるものだと思っていいのね?」
再び、同じ内容の質問をするゾラに・・・アイリスは真っ向からこう答えるのだった。
アイリス 「・・・私は、私の道をゆくだけのことよ。。。むらさきは決して誰にも渡さないわ!
その相手がたとえゾラ主任、あなたであろうとも・・・またあの小紅であろうともよ!! ! 」

※ アイリスが少しでも、おかしな行動をすれば~いつでも、やってみせるという意思表示をする1号である。
ゾラ 「あなたがそうだと同じように、あたしもあたしが選んだ道を進むだけのことなのよ・・・アイリス。」
アイリス 「・・・わかったわ、そちらも譲らないという事なのよねぇ~ほんと残念だわ。。。ゾラ主任 w 」
ふたりの女性の熾烈を極める戦いの火蓋が、まさに切って落とされた瞬間であった。
アイリス 「でも今日のところは私の負けって訳よねぇ~あそこで怖いお嬢さんが睨んでることだし、
そうそうに、引き上げるしか方法がないわぁ~っ、・・・またね、主任。。。勝負は次までお預けよ ♪ 」

※ 親衛隊が持つ特殊装備、空間転移リングを使い・・・アイリスは何処ともわからぬ場所へと消え去った。
ゾラが、古(いにしえ)の忌み嫌われた古い家柄・・・蛇神一族の末裔でなければ、
きっと確実にその命を落としていたであろうし、・・・また1号が駆けつけていなければ、あるいは・・・。
ますます激化していく、マダム軍の無差別攻撃に・・・小紅たちはどう対処していけばいいのだろうか。
・・・つづく。
ナレーション 「・・・やはりというか、当然というか、またもやキャンティの連絡は罠だった訳ですね~っ ^^;
今回のアイリスも、洗脳というよりは・・・ただ己の感情に従い、思うまま行動しているようですし~ (謎)
まぁ・・・これまで、普段無理して抑制してた心が、解放されて出てきただけのこと。。。とも言えますが。
ではでは、次回またここで・・・この時間に、お会いすることに致しましょう。」

※ くれないがいない状態が長く続いているが・・・健気に自分の仕事をこなし、信じて待ち続ける可愛い1号。
2009年08月19日
新たなる旅立ち
ども~っ、今回より気分一新しまして、こちらのページにて・・・物語を発表していきます。
内容的には、 " kurenai's 空想紙芝居Ⅰ (謎) " のそのまま続きになりますので、
初めて読まれる方は・・・サイドバー右上にある、「あらすじ」などを参考になさってくださいませ。

※ 天高く優雅にそびえ立つ羊蹄山の頂に登り、決意も新たに果敢にチャレンジしていく所存の作者さま。
いままでに発表した作品も、けっこう膨大な量になっていて・・・じっくり読んでなんかいられない、
・・・という方も多いと思われます、~ですので、「あらすじ」などを参照してもらうとよりわかり易いかと・・・。
この、 " 以前のブログ " がこれまでのアドレスです、よろしかったら、またゆっくりと読んでみてくださいね。
いま現在、進行中のお話、~ " 闇の黙示録編 第三部 " の簡単な「あらすじ」ですが・・・
むらさきが所持している " 救世主の封印 " を巡り、くれないの軍団、マダム軍・・・さらに、ボルドたちと、
この3っつの勢力が、互いにしのぎを削り・・・激しい争奪戦を繰り広げているまっ最中となっています。。。
・・・ちなみに、主人公であるくれないは混沌 -カオス- にて、生死の境目を彷徨っている状態で、
それを、一刻も早く蘇らせるために・・・小紅たちが必死の奔走を~。。。という状況なのです。
※ 闘いの合間にパチリッっと記念に、くれないら、各キャラの個性が何となくうかがい知れるそんな1枚だ。
それぞれが熱い想いを胸に秘め、物語はどんどん " 破滅 " へと突き進んで行く事になります。
・・・さらに、その中には決して忘れ去る事ができない出会いや、また別れがあるかもしれません。
それでは、次回からまた始まる " 闇の黙示録編 第三部 " ・・・その本編の続きをお楽しみください。
・・・つづく。
ナレーション 「・・・心機一転~っ!、とはいうものの。。。ほとんど枠とかも変化してないのですが ^^;
それは言わない約束なんでしょうか?・・・ってことで、この話題はもう置いときまして~っ (謎) ←おい!
さてさて、新たに始まった伝説の1ページ目です・・・これからも、よろしくおつきあいお願い致します。
ではでは、この時間・・・この場所で、また再びお会いすることにしましょう。」
※ 強い想いを胸に抱き、 " 封印継承者 " 小紅は・・・迫りくる決戦に向けて、気持ちを奮い立たせていた。
内容的には、 " kurenai's 空想紙芝居Ⅰ (謎) " のそのまま続きになりますので、
初めて読まれる方は・・・サイドバー右上にある、「あらすじ」などを参考になさってくださいませ。

※ 天高く優雅にそびえ立つ羊蹄山の頂に登り、決意も新たに果敢にチャレンジしていく所存の作者さま。
いままでに発表した作品も、けっこう膨大な量になっていて・・・じっくり読んでなんかいられない、
・・・という方も多いと思われます、~ですので、「あらすじ」などを参照してもらうとよりわかり易いかと・・・。
この、 " 以前のブログ " がこれまでのアドレスです、よろしかったら、またゆっくりと読んでみてくださいね。
いま現在、進行中のお話、~ " 闇の黙示録編 第三部 " の簡単な「あらすじ」ですが・・・
むらさきが所持している " 救世主の封印 " を巡り、くれないの軍団、マダム軍・・・さらに、ボルドたちと、
この3っつの勢力が、互いにしのぎを削り・・・激しい争奪戦を繰り広げているまっ最中となっています。。。
・・・ちなみに、主人公であるくれないは混沌 -カオス- にて、生死の境目を彷徨っている状態で、
それを、一刻も早く蘇らせるために・・・小紅たちが必死の奔走を~。。。という状況なのです。

※ 闘いの合間にパチリッっと記念に、くれないら、各キャラの個性が何となくうかがい知れるそんな1枚だ。
それぞれが熱い想いを胸に秘め、物語はどんどん " 破滅 " へと突き進んで行く事になります。
・・・さらに、その中には決して忘れ去る事ができない出会いや、また別れがあるかもしれません。
それでは、次回からまた始まる " 闇の黙示録編 第三部 " ・・・その本編の続きをお楽しみください。
・・・つづく。
ナレーション 「・・・心機一転~っ!、とはいうものの。。。ほとんど枠とかも変化してないのですが ^^;
それは言わない約束なんでしょうか?・・・ってことで、この話題はもう置いときまして~っ (謎) ←おい!
さてさて、新たに始まった伝説の1ページ目です・・・これからも、よろしくおつきあいお願い致します。
ではでは、この時間・・・この場所で、また再びお会いすることにしましょう。」

※ 強い想いを胸に抱き、 " 封印継承者 " 小紅は・・・迫りくる決戦に向けて、気持ちを奮い立たせていた。
2009年08月19日
そして、伝説へ・・・?
・・・突然ではありますが、次の作品からは新しいブログにて連載を続けることになりました。
まだ、 “ 闇の黙示録編 第三部 ” も途中で何の区切りにもなっていませんが、
諸般の事情によりまして・・・装いも新たに、再スタートという形をとらせていただこうと思います。

※ 某ニセコ盆踊りで、ここぞとばかりに~ w 、しゃもじを構え・・・一心不乱で太鼓を叩き続ける作者さま。
1年と2ヶ月に渡り、不定期ながら連載を続けてまいりました。。。しかし、この度・・・心機一転、
とくに、仕切りなおしという訳ではないのですが、ここの容量の都合などもありまして、やむなく・・・
チーフを始め、ご協力してくださった皆様、・・・また読者の方々の暖かいご支援により、
なんとかやってこれたと思います・・・・おかげさまで、ここでの連載も120作品を超えることができました。
・・・新しいブログにおきましても、引き続きのご愛好よろしくお願い申し上げます。
※ これからも、自分なりにですが・・・SLで出来る楽しいことを提供できたらいいなぁ~っ・・・と考えてます。
ただいま好評?連載中の “ 闇の黙示録編 ” シリーズは、作者の想像以上に長期化しており、
たくさんのキャラクターたちが、ところ狭しと暴れまくっていて収拾がつかない状態です (謎) ←おい!
ただ、完結に向けて、歩みは遅いのですが・・・進んでおりますので、もう少しお付き合いを願います。
・・・ “ kurenai's 空想紙芝居Ⅱ (謎) ” へとつづく。
ナレーション 「・・・なんということでしょう、この中途な段階での移行という異例の事態。
このブログらしいと言えばそうなのですが・・・まぁ、きっと大人の事情というものなのでしょうねぇ~ ^^;
なお、こちらのブログは・・・このまま、ずっとご覧いただけますので、安心してくださいね ♪
ではでは、次回からは新しいブログでお会いする事にいたしましょう~っ w 」
※ 参考までに・・・新しいアドレスはこちらになります。。。→ “ http://kosuzu.slmame.com/ ”

※ 昨日までの出来事に感謝しつつ、これからまた・・・新しいページを皆さんと綴っていきたいと思います。
まだ、 “ 闇の黙示録編 第三部 ” も途中で何の区切りにもなっていませんが、
諸般の事情によりまして・・・装いも新たに、再スタートという形をとらせていただこうと思います。

※ 某ニセコ盆踊りで、ここぞとばかりに~ w 、しゃもじを構え・・・一心不乱で太鼓を叩き続ける作者さま。
1年と2ヶ月に渡り、不定期ながら連載を続けてまいりました。。。しかし、この度・・・心機一転、
とくに、仕切りなおしという訳ではないのですが、ここの容量の都合などもありまして、やむなく・・・
チーフを始め、ご協力してくださった皆様、・・・また読者の方々の暖かいご支援により、
なんとかやってこれたと思います・・・・おかげさまで、ここでの連載も120作品を超えることができました。
・・・新しいブログにおきましても、引き続きのご愛好よろしくお願い申し上げます。

※ これからも、自分なりにですが・・・SLで出来る楽しいことを提供できたらいいなぁ~っ・・・と考えてます。
ただいま好評?連載中の “ 闇の黙示録編 ” シリーズは、作者の想像以上に長期化しており、
たくさんのキャラクターたちが、ところ狭しと暴れまくっていて収拾がつかない状態です (謎) ←おい!
ただ、完結に向けて、歩みは遅いのですが・・・進んでおりますので、もう少しお付き合いを願います。
・・・ “ kurenai's 空想紙芝居Ⅱ (謎) ” へとつづく。
ナレーション 「・・・なんということでしょう、この中途な段階での移行という異例の事態。
このブログらしいと言えばそうなのですが・・・まぁ、きっと大人の事情というものなのでしょうねぇ~ ^^;
なお、こちらのブログは・・・このまま、ずっとご覧いただけますので、安心してくださいね ♪
ではでは、次回からは新しいブログでお会いする事にいたしましょう~っ w 」
※ 参考までに・・・新しいアドレスはこちらになります。。。→ “ http://kosuzu.slmame.com/ ”

※ 昨日までの出来事に感謝しつつ、これからまた・・・新しいページを皆さんと綴っていきたいと思います。
2009年08月18日
復活への儀式
くれないの復活へ向けて、伯爵の助言を受けた小紅たちが動き出した一方で、
まだその事を知らないでいたひとりの男が、・・・独断である行動を起こしていたのだ。
その男の名は、むらさき・・・くれないの実兄で “ 闇の貴公子 ” を名乗る、魔王その人であった。
※ その舞は、見ている者の心を揺さぶり、知らず知らずのうちに惹きつけるという不思議な魅力があった。
それは、光の刃を巧みに操り・・・激しく、それでいて華麗な剣の舞だった。
・・・彼女の名前は、 “ ネネ ” といい。。。現在はカフェ “ 彩 -いろどり- ” のオーナーである。
それはもちろん世間を欺くためにある表の顔というもので、彼女にも隠された別の顔が存在する。
そんな彼女が所属する秘密諜報機関・・・仮に “ M ” エージェンシーとしておこう。
そこは、女性ばかりで構成されており、数名のエキスパートたちが日々、暗躍する組織であるが、
普段はみな・・・カフェなどでお客を癒しているという共通の一面を持つ、謎の秘密結社なのである。
※ とある水着コンテストに潜入捜査で参加した際、セクシーな姿で観客を魅了し、会場を賑わせていた。
そんな謎めいた経歴を持つ彼女が経営しているカフェ、彩 -いろどり-に、
いつもよりもずっと険しい表情をしたむらさきが、定休日にもかかわらず突如訪れたのである。
ネネ 「ごめんなさい、せっかく来てくれたのに・・・きょうは定休日なんですよ ^^ 」
むらさき 「突然の訪問、申し訳ない・・・わたしはコーヒーを飲みに来た訳ではないのですよ、ネネさん。」
ネネ 「・・・あら、あなたは確かくれないさんのお兄さんで。。。教授のむらさきさんと言ったかしら。」
むらさき 「実はその・・・くれないの事でお願いがあってやってきました。」
※ 神妙な面持ちで、ある決意を秘めて・・・弟であるくれないのためにカフェに訪れた “ 闇の貴公子 ” 。
ネネ 「・・・くれないさんに何かあったんですか?」
むらさき 「えぇ、・・・ちょっと困ったことになっていまして。。。」
このネネさんも、くれないの “ 闇ガード ” 時代を知る数少ない知人のひとりであるのだ。
当時は彼女もまだ、とある雅なカフェで働いていたスタッフの一員でしかなかったのだが、
努力を重ね独立し、自分のカフェを持つまでになった・・・もちろん、本来の裏の仕事もこなしつつである。
むらさき 「・・・という訳でして、あなたには是非、あの禁断の舞を披露していただきたいのですよ。」
※ 引き続き軽やかなステップで舞い、魂を揺さぶるかの如く踊り続ける様は、見事なまでに美しかった。
ネネ 「わかりました・・・でしたら特別に舞いましょう。。。渾身の “ 反魂の舞 ” を!」
それは彼女だけが舞える反魂の秘術で、条件次第では、死者をも蘇らせることができるという凄技である。
むらさきは、そこに一縷の望みをかけて・・・彼女のもとへとやってきたのだった。
・・・つづく。
ナレーション 「・・・どこか、むらさきらしからぬ。。。という表現が一番近いのではないでしょうか?
今回の一連の行動をうまく説明ができません・・・やはり、何かしら企んでのことだと思われます (謎)
さてさて、この先どうなっていくのか・・・まったく予断を許さない状況が続いていきます。
ではでは・・・また次回もこの場所で、お会いする事にいたしましょう。」

※ “ 反魂の舞 ” をじっとみつめるむらさき、その心にあるのは、くれないへの思いなのか、それとも・・・?
まだその事を知らないでいたひとりの男が、・・・独断である行動を起こしていたのだ。
その男の名は、むらさき・・・くれないの実兄で “ 闇の貴公子 ” を名乗る、魔王その人であった。

※ その舞は、見ている者の心を揺さぶり、知らず知らずのうちに惹きつけるという不思議な魅力があった。
それは、光の刃を巧みに操り・・・激しく、それでいて華麗な剣の舞だった。
・・・彼女の名前は、 “ ネネ ” といい。。。現在はカフェ “ 彩 -いろどり- ” のオーナーである。
それはもちろん世間を欺くためにある表の顔というもので、彼女にも隠された別の顔が存在する。
そんな彼女が所属する秘密諜報機関・・・仮に “ M ” エージェンシーとしておこう。
そこは、女性ばかりで構成されており、数名のエキスパートたちが日々、暗躍する組織であるが、
普段はみな・・・カフェなどでお客を癒しているという共通の一面を持つ、謎の秘密結社なのである。
※ とある水着コンテストに潜入捜査で参加した際、セクシーな姿で観客を魅了し、会場を賑わせていた。
そんな謎めいた経歴を持つ彼女が経営しているカフェ、彩 -いろどり-に、
いつもよりもずっと険しい表情をしたむらさきが、定休日にもかかわらず突如訪れたのである。
ネネ 「ごめんなさい、せっかく来てくれたのに・・・きょうは定休日なんですよ ^^ 」
むらさき 「突然の訪問、申し訳ない・・・わたしはコーヒーを飲みに来た訳ではないのですよ、ネネさん。」
ネネ 「・・・あら、あなたは確かくれないさんのお兄さんで。。。教授のむらさきさんと言ったかしら。」
むらさき 「実はその・・・くれないの事でお願いがあってやってきました。」

※ 神妙な面持ちで、ある決意を秘めて・・・弟であるくれないのためにカフェに訪れた “ 闇の貴公子 ” 。
ネネ 「・・・くれないさんに何かあったんですか?」
むらさき 「えぇ、・・・ちょっと困ったことになっていまして。。。」
このネネさんも、くれないの “ 闇ガード ” 時代を知る数少ない知人のひとりであるのだ。
当時は彼女もまだ、とある雅なカフェで働いていたスタッフの一員でしかなかったのだが、
努力を重ね独立し、自分のカフェを持つまでになった・・・もちろん、本来の裏の仕事もこなしつつである。
むらさき 「・・・という訳でして、あなたには是非、あの禁断の舞を披露していただきたいのですよ。」

※ 引き続き軽やかなステップで舞い、魂を揺さぶるかの如く踊り続ける様は、見事なまでに美しかった。
ネネ 「わかりました・・・でしたら特別に舞いましょう。。。渾身の “ 反魂の舞 ” を!」
それは彼女だけが舞える反魂の秘術で、条件次第では、死者をも蘇らせることができるという凄技である。
むらさきは、そこに一縷の望みをかけて・・・彼女のもとへとやってきたのだった。
・・・つづく。
ナレーション 「・・・どこか、むらさきらしからぬ。。。という表現が一番近いのではないでしょうか?
今回の一連の行動をうまく説明ができません・・・やはり、何かしら企んでのことだと思われます (謎)
さてさて、この先どうなっていくのか・・・まったく予断を許さない状況が続いていきます。
ではでは・・・また次回もこの場所で、お会いする事にいたしましょう。」

※ “ 反魂の舞 ” をじっとみつめるむらさき、その心にあるのは、くれないへの思いなのか、それとも・・・?
2009年08月12日
選択の刻
自分を生み出し、育ててくれたマスター・ボルドの指令を受け・・・くれない軍団の内偵を続けているしゅろ。
彼には、 “ 創作絵本作家 ” という表の顔の他に、もうひとつ、周囲には隠している裏の顔がある・・・、
そう・・・それは、運命の悪戯か、 “ 偽くれない ” となるべく生まれてきた哀しきクローンとしての姿であった。
※ 美しい海と隣接する静かなSHOPの中庭に、突如、呼び出されたしゅろ・・・その胸中はどんなだろうか。
自分にとって絶対の存在である敬愛するマスター・・・、そのボルドの命令でなければ、
いますぐにでも飛んでいき、いまだ意識が戻らないちょびママのそばにずっとついていたいしゅろである。
彼は、生まれて初めて接し、やさしくされた人間の女性であるちょびママに、
とても心を許し、その彼女をこの手で守りたいという・・・強い気持ちがあった。
・・・一度などは、恩あるマスターにも背き、心のままに単身渡仏したほどである。
しかし、その行動でさえも・・・ボルドにとっては想定内のことであったにすぎないのだが。。。
※ ここに、しゅろを呼び出したのは・・・小紅であり、急遽助手に任命された人狼吸血鬼のデュークである。
待ち合わせの場所に音もなく現れたのは、封印継承者・・・小紅と、 “ 追われる男 ” デュークであった。
小紅 「・・・よく来てくれたわ、呼び出した理由だけど、大体の見当ついてるわよね?」
しゅろ 「いえ、指し当たっては何も、・・・このボクにどんなご用があるのでしょうか?」
デューク 「いいんだよ、兄弟・・・ネタは上がってんだ、もうここで隠す必要なんかはないんだぜ。」
しゅろ 「はぁ・・・そう言われましても、まったく思い当たる節がありませんので。。。」
そんな感じで、ふたりの追求を・・・あくまでも、すっとぼけるしゅろであった。
※ 人狼であったデュークは、伯爵に修行され吸血鬼になったので、伯爵には頭が上がらないのである。
デューク 「ったく、おめえんとこのボルドってのは、たいしたやつなんだな・・・俺たちをここまで謀り、
その正体を気づかせないなんて、すんげぇ~ってもんだぜ・・・まるで、伯爵やマダムクラスの実力だ。」
小紅 「・・・そうね、伯爵さまに言われなかったら、ずっとそれがわからないままだったなんて。」
しゅろ 「う~ん・・・おふたりのおっしゃる意味が、ボクには理解できないのですけど?」
デューク 「ふっ、おめぇさんもたいした役者なんだな・・・俺ら、伯爵一派のヴァンパイアってのは、
ある共通の記憶ってのを持つのが特徴なんだよ・・・あるんだろ、その記憶がさ・・・おめぇさんにもよ。」
※ そんなふたりの追求など、どこ吹く風といった感じで、まったく知らぬ素振りを貫く姿勢のしゅろである。
小紅 「・・・ねぇ、しゅろくん。。。いいえ、 “ 偽のくれない ” くんと言ったほうがいいのかな?
あなたの大好きなちょびママを、あたしたちも助けたいのよ・・・だから、協力してほしいの。」
しゅろ 「・・・っうぐ。」
デューク 「けっ、そこにだけは反応すんのかよ。。。まったく現金な野郎だぜぃ w 」
小紅 「・・・あなたの協力が必要なの、お願い・・・マスター・ボルドに会わせて。」
しゅろ 「・・・ !?」
※ その時、デュークの身につけている林檎型のバックルが眩しく光を放ち、3人を異空間へといざなった。
先ほどまで、心地よく聞こえていた波音も消え去り・・・あたりは無音の世界に包まれていた。
デューク 「・・・いまここは閉じられた空間の中だ、周囲に話を聞かれる恐れはまったくなくなったぜ、
それに、おめぇの正体を知ってるのは、ここにいる俺らだけで・・・この先も他の誰かに話す気はねぇ。
まぁ、これまで通りに・・・仲間の誰にも危害を加えないならって事だがな、どうだ観念しろよ・・・兄弟。」
小紅 「・・・くれないくんが、危険なの。。。そうなったら、きっとちょびさんも悲しむことになるのよ。」
しゅろ 「・・・ちょびママが悲しむ?」
小紅 「・・・そうよ、ちょびさんはみんなで揃って、楽しく暮らしたいのよ、もちろん。。。あなたも一緒にね。」
※ 小紅たちの熱い想いに、徐々にだが、心を開こうとする兆しがみえるしゅろ・・・いや、偽くれないである。
小紅 「・・・もう、自分を偽らないで生きていいのよ、あなたの人生はあなたが決めるの!」
しゅろ 「ボクの人生は、・・・ボクが決めてもいいのか、でも、無理だ・・・マスターには逆らえない。」
デューク 「えぇい!・・・じれったい野郎だな~、好きな女くらい自分で守ってみせろ!! ってもんだぜぃ。」
小紅 「・・・そうよ、あなた自身の気持ちで、ちょびさんを助け出してあげるのよ。」
ふたりによる言葉の波状攻撃で、頑なであったしゅろの心の氷は、ゆっくりだが溶け始めていた。
それは繊細さ故に、張り巡らせていた見えない心のバリヤーの崩壊でもあったのだ・・・。
※ 自己を開放していくことにより、これまでは持ち得なかった吸血鬼としての能力が目覚めたのである。
しゅろ 「・・・わかった、マスターのところへ案内してあげるよ。。。そして、ボクがちょびママを守る!」
・・・かつてこれまでに、一度も見たことがないほど自信に満ちたしゅろの顔がそこにあった。
それは、あのくれないの如く・・・まったくどこにも根拠は無いが凄まじい自信の笑顔とよく似ていた。
デューク 「そうこなくっちゃなぁ~兄弟・・・よしっ、そうと決まれば時間もない事だし、さっそく向かうか!」
小紅 「・・・そうしたいのは、山々だけど。。。相手はあのマスター・ボルドだわ、少し準備をしないとね。」
どんな時でも、油断などせず、決して慎重さは忘れない封印継承者・・・小紅である。
※ 一先ず、次の段階へ進む道が開けて安堵する小紅であったが、次なる相手はあの・・・ボルドなのだ。
半ば、あまり疑うことを知らぬしゅろを騙したような形の説得となったが、
彼の中にずっと眠ってきた熱き真の心に訴えかけ・・・新しい自分を発見させる手助けとはなっただろう。
しかし、小紅たちはボルドに会い・・・いったい何をするつもりなのであろうか?
・・・つづく。
ナレーション 「・・・くれない復活に向け、極秘に動き出した小紅たちはまず、しゅろと密会しました。
そして、言葉巧みに・・・彼をそそのかし~。。。見事、無事にボルドへの橋渡しを手に入れたのです。
やはり、しゅろとて・・・基はくれないなのであると、はっきり判明した結果となった訳ですね。
・・・ではでは、またここで、この時間に。。。お会いすることにしましょう。」

※ 通常空間に戻った小紅、デューク、しゅろの3人を、暖かく柔らかい日差しが照らしているかのようです。
彼には、 “ 創作絵本作家 ” という表の顔の他に、もうひとつ、周囲には隠している裏の顔がある・・・、
そう・・・それは、運命の悪戯か、 “ 偽くれない ” となるべく生まれてきた哀しきクローンとしての姿であった。

※ 美しい海と隣接する静かなSHOPの中庭に、突如、呼び出されたしゅろ・・・その胸中はどんなだろうか。
自分にとって絶対の存在である敬愛するマスター・・・、そのボルドの命令でなければ、
いますぐにでも飛んでいき、いまだ意識が戻らないちょびママのそばにずっとついていたいしゅろである。
彼は、生まれて初めて接し、やさしくされた人間の女性であるちょびママに、
とても心を許し、その彼女をこの手で守りたいという・・・強い気持ちがあった。
・・・一度などは、恩あるマスターにも背き、心のままに単身渡仏したほどである。
しかし、その行動でさえも・・・ボルドにとっては想定内のことであったにすぎないのだが。。。

※ ここに、しゅろを呼び出したのは・・・小紅であり、急遽助手に任命された人狼吸血鬼のデュークである。
待ち合わせの場所に音もなく現れたのは、封印継承者・・・小紅と、 “ 追われる男 ” デュークであった。
小紅 「・・・よく来てくれたわ、呼び出した理由だけど、大体の見当ついてるわよね?」
しゅろ 「いえ、指し当たっては何も、・・・このボクにどんなご用があるのでしょうか?」
デューク 「いいんだよ、兄弟・・・ネタは上がってんだ、もうここで隠す必要なんかはないんだぜ。」
しゅろ 「はぁ・・・そう言われましても、まったく思い当たる節がありませんので。。。」
そんな感じで、ふたりの追求を・・・あくまでも、すっとぼけるしゅろであった。

※ 人狼であったデュークは、伯爵に修行され吸血鬼になったので、伯爵には頭が上がらないのである。
デューク 「ったく、おめえんとこのボルドってのは、たいしたやつなんだな・・・俺たちをここまで謀り、
その正体を気づかせないなんて、すんげぇ~ってもんだぜ・・・まるで、伯爵やマダムクラスの実力だ。」
小紅 「・・・そうね、伯爵さまに言われなかったら、ずっとそれがわからないままだったなんて。」
しゅろ 「う~ん・・・おふたりのおっしゃる意味が、ボクには理解できないのですけど?」
デューク 「ふっ、おめぇさんもたいした役者なんだな・・・俺ら、伯爵一派のヴァンパイアってのは、
ある共通の記憶ってのを持つのが特徴なんだよ・・・あるんだろ、その記憶がさ・・・おめぇさんにもよ。」

※ そんなふたりの追求など、どこ吹く風といった感じで、まったく知らぬ素振りを貫く姿勢のしゅろである。
小紅 「・・・ねぇ、しゅろくん。。。いいえ、 “ 偽のくれない ” くんと言ったほうがいいのかな?
あなたの大好きなちょびママを、あたしたちも助けたいのよ・・・だから、協力してほしいの。」
しゅろ 「・・・っうぐ。」
デューク 「けっ、そこにだけは反応すんのかよ。。。まったく現金な野郎だぜぃ w 」
小紅 「・・・あなたの協力が必要なの、お願い・・・マスター・ボルドに会わせて。」
しゅろ 「・・・ !?」

※ その時、デュークの身につけている林檎型のバックルが眩しく光を放ち、3人を異空間へといざなった。
先ほどまで、心地よく聞こえていた波音も消え去り・・・あたりは無音の世界に包まれていた。
デューク 「・・・いまここは閉じられた空間の中だ、周囲に話を聞かれる恐れはまったくなくなったぜ、
それに、おめぇの正体を知ってるのは、ここにいる俺らだけで・・・この先も他の誰かに話す気はねぇ。
まぁ、これまで通りに・・・仲間の誰にも危害を加えないならって事だがな、どうだ観念しろよ・・・兄弟。」
小紅 「・・・くれないくんが、危険なの。。。そうなったら、きっとちょびさんも悲しむことになるのよ。」
しゅろ 「・・・ちょびママが悲しむ?」
小紅 「・・・そうよ、ちょびさんはみんなで揃って、楽しく暮らしたいのよ、もちろん。。。あなたも一緒にね。」

※ 小紅たちの熱い想いに、徐々にだが、心を開こうとする兆しがみえるしゅろ・・・いや、偽くれないである。
小紅 「・・・もう、自分を偽らないで生きていいのよ、あなたの人生はあなたが決めるの!」
しゅろ 「ボクの人生は、・・・ボクが決めてもいいのか、でも、無理だ・・・マスターには逆らえない。」
デューク 「えぇい!・・・じれったい野郎だな~、好きな女くらい自分で守ってみせろ!! ってもんだぜぃ。」
小紅 「・・・そうよ、あなた自身の気持ちで、ちょびさんを助け出してあげるのよ。」
ふたりによる言葉の波状攻撃で、頑なであったしゅろの心の氷は、ゆっくりだが溶け始めていた。
それは繊細さ故に、張り巡らせていた見えない心のバリヤーの崩壊でもあったのだ・・・。

※ 自己を開放していくことにより、これまでは持ち得なかった吸血鬼としての能力が目覚めたのである。
しゅろ 「・・・わかった、マスターのところへ案内してあげるよ。。。そして、ボクがちょびママを守る!」
・・・かつてこれまでに、一度も見たことがないほど自信に満ちたしゅろの顔がそこにあった。
それは、あのくれないの如く・・・まったくどこにも根拠は無いが凄まじい自信の笑顔とよく似ていた。
デューク 「そうこなくっちゃなぁ~兄弟・・・よしっ、そうと決まれば時間もない事だし、さっそく向かうか!」
小紅 「・・・そうしたいのは、山々だけど。。。相手はあのマスター・ボルドだわ、少し準備をしないとね。」
どんな時でも、油断などせず、決して慎重さは忘れない封印継承者・・・小紅である。

※ 一先ず、次の段階へ進む道が開けて安堵する小紅であったが、次なる相手はあの・・・ボルドなのだ。
半ば、あまり疑うことを知らぬしゅろを騙したような形の説得となったが、
彼の中にずっと眠ってきた熱き真の心に訴えかけ・・・新しい自分を発見させる手助けとはなっただろう。
しかし、小紅たちはボルドに会い・・・いったい何をするつもりなのであろうか?
・・・つづく。
ナレーション 「・・・くれない復活に向け、極秘に動き出した小紅たちはまず、しゅろと密会しました。
そして、言葉巧みに・・・彼をそそのかし~。。。見事、無事にボルドへの橋渡しを手に入れたのです。
やはり、しゅろとて・・・基はくれないなのであると、はっきり判明した結果となった訳ですね。
・・・ではでは、またここで、この時間に。。。お会いすることにしましょう。」

※ 通常空間に戻った小紅、デューク、しゅろの3人を、暖かく柔らかい日差しが照らしているかのようです。
2009年08月09日
小鈴と小紅
くれないが生と死の狭間を彷徨っているこの間にも、事態は粛々とその時を残酷に刻んでいた。
その圧倒的な力を持って襲いかかるマダム軍に対し、ただ翻弄されるままのくれないの軍団、
激しい戦いの最中、それぞれの思惑が複雑に交差するが、ついにあの方が動きをみせたのだった・・・。
※ この誰かと瓜二つの女性は・・・もちろん、小紅ではない。。。何代か前にあたるご先祖さまなのだ。
こちらの女性の名前は “ 小鈴 ” といい、小紅と同じく・・・当時の封印継承者である。
・・・そう、あの伯爵らと共に “ 大魔王 ” を封じ込めることに成功した功労者のひとりでもあるのだ。
その時の怪我が元で、一時的にだが不死身の身体ではなくなった伯爵の介抱をしたのも彼女である。
そして、伯爵が愛しきマルゴのところへ帰らなくなってしまった原因も・・・彼女、小鈴にあるというのだが・・・
そんな小鈴の性格はと言えば、やはりそこは小紅のご先祖さまである、俗にいう “ ツンデレ ” で、
聡明であり、凛としていて・・・また時折みせる優しさに、普通の男であればイチコロといったものであろうか。
この小鈴らの生きていた時代といえば、いまより遥かに世界は混沌としており、
魑魅魍魎の類や、幻想の世界の住人どもが、大手を振って闊歩していたのである。
※ 先程とまた変わるが、こちらが本来の小鈴の姿で・・・封印継承者ではない素顔の彼女がここにあった。
それら異形の能力者どもを統べるべく立ち上がったのが、
闇の支配者・・・伯爵であり、勢力的に活動し、闇と光の秩序を保っていた訳なのである。
・・・だがしかし、大魔王という未曾有の強敵が封印より蘇ったため、
協力を求め、手を結んで共に闘った仲間が小鈴たち人間の能力者であったのだ。
これまでにも数々の強敵、難敵を打ち負かし配下に加えてきた伯爵であったが・・・
彼女の協力なしでは、あの不倶戴天の敵、大魔王の封印は叶わなかったと言えるほど苦戦を強いられた。
・・・小紅は、その小鈴より一子相伝で綿々と続く正当な封印の継承者であって、
潜在する能力は底知れないのだが、未だ、その全貌はみえておらず・・・開花するに至ってないのである。
-----------------------------------------------------------------------------------------------------------
※ この衣装の小鈴が封印継承者として目覚めた時のスタイルで、超絶な力を発揮したと伝えられている。
-----------------------------------------------------------------------------------------------------------
そんな小紅に、伯爵自らが・・・極秘に呼び出しをかけて、自身の統治する地へと招き入れたのだ・・・
それは異例中の異例のことであり、これまで何百年以上もの間・・・全くありえなかった稀有な事象である。
小紅 「・・・お招きいただき、やってまいりました。。。小紅と申します。」
伯爵 「・・・うむ、・・・やはり、・・・よく似ておるな、・・・よくきた小紅よ、・・・そなたに頼みがあるのだ。」
何やら、意味深な言葉を投げかけつつも・・・伯爵は躊躇なくこう切り出した。
伯爵 「・・・くれないのことだが、・・・あれはいま肉体を失い、・・・冥界の入り口を彷徨っておる状態なのだ、
・・・このままでは、・・・いずれか近いうちに、・・・本当に滅び去ってしまうことになるであろう。」
小紅 「・・・くれないくんが、この世から消滅してしまうという事なのですか?」
※ 伯爵と小紅・・・このふたりがこうして直接会い、いや間接的に会話するのも今回が初めての事になる。
伯爵 「・・・この我れ等、・・・不死のヴァンパイアといえども、・・・能力が未熟なものは、・・・封印されたり、
・・・また滅ぼされるものもおる、・・・あれもまだまだ未熟者だが、・・・このまま捨て置くのも忍びない。」
小紅 「・・・伯爵さまは、そこまでくれないくんを思って下さっているのですね。」
伯爵 「・・・ふっ、・・・そなたといると、・・・小鈴といる気持ちになる、・・・それは遠い過去のことだが。」
小紅 「・・・ “ 小鈴 ” というのは、伯爵さまとご一緒に闘ったというあたしのご先祖さまのことですか?」
伯爵 「・・・うむ、・・・知っておったか、・・・あれもまた、・・・そなた同様、・・・心根の強い女性であった。」
小紅 「・・・たしか古い文献の中で、その名前を拝見した覚えがございます。」
伯爵 「・・・その見目もまた、・・・まるで生き写しのように、・・・似ておる、・・・我れの記憶にあるままにな。」
※ それは幻の姿であったのだろうか、伯爵の記憶に残る小鈴の映し身が・・・小紅の横に現れたのである。
小紅 「・・・本当に、あたしとそっくり。。。いえ、あたしの方が似ているという事になるのね。」
伯爵 「・・・小鈴には、・・・世話になった、・・・その想いは、・・・いまも決して忘れることなどない。」
・・・どれくらいの時間が経過したのかわからないが、伯爵は感慨深い目で小紅をじっと見つめていた。
伯爵 「・・・くくくっ、・・・戯言であったな、・・・いまはまず、・・・くれないの件を優先させねばなるまい。」
小紅 「・・・では、その方法というものを教えていただけますでしょうか。」
伯爵 「・・・とり急ぎ、・・・やつの肉体を用意せねばならぬ、・・・それにはいくつかの条件が必要となるのだ、
・・・ひとつは、・・・やつの現存する細胞組織、・・・できるだけ新しいものがよいな、・・・あともうひとつは、
・・・やつを強く思うものの新鮮な血、・・・その数や量は、・・・多ければ多いほどよいのじゃ。」
※ 伯爵のふたつの眼が紅く光ると・・・そこに現れたのは、人狼吸血鬼であるデュークの姿であった。
伯爵 「・・・事態は急を有し、・・・一刻の猶予もない故、・・・そなたのもとに、・・・やつを遣わすことにする。」
デューク 「・・・まぁ、なんだ~お手柔らかに頼むぜ。。。小紅姫さまよ w 」
・・・生死を彷徨うくれない復活に向けて、小紅たちはいま本格的に動き出した。
・・・続く。
ナレーション 「・・・ついに、あの伯爵さまが間接的にとはいえ、行動を起こしました。
そして、小紅のご先祖さま・・・ “ 小鈴 ” に関する情報もほんの少し垣間見ることができました。
しかし、まだまだ・・・明らかにされていない本当の隠された真実があるはずなのです。
そうです、伯爵が妻であるあのマルゴのもとへ帰らなくなった理由というものが・・・
ではでは、またここで・・・この時間に、お会いいたしましょう。」
※ その復活の時を信じて、いまにも消えそうになりながらも、悠久とも思える時間の中を混沌 -カオス- にて、
・・・ひたすら彷徨い続けているくれないの精神体。。。はたして、無事に蘇ることはできるのだろうか !?
その圧倒的な力を持って襲いかかるマダム軍に対し、ただ翻弄されるままのくれないの軍団、
激しい戦いの最中、それぞれの思惑が複雑に交差するが、ついにあの方が動きをみせたのだった・・・。

※ この誰かと瓜二つの女性は・・・もちろん、小紅ではない。。。何代か前にあたるご先祖さまなのだ。
こちらの女性の名前は “ 小鈴 ” といい、小紅と同じく・・・当時の封印継承者である。
・・・そう、あの伯爵らと共に “ 大魔王 ” を封じ込めることに成功した功労者のひとりでもあるのだ。
その時の怪我が元で、一時的にだが不死身の身体ではなくなった伯爵の介抱をしたのも彼女である。
そして、伯爵が愛しきマルゴのところへ帰らなくなってしまった原因も・・・彼女、小鈴にあるというのだが・・・
そんな小鈴の性格はと言えば、やはりそこは小紅のご先祖さまである、俗にいう “ ツンデレ ” で、
聡明であり、凛としていて・・・また時折みせる優しさに、普通の男であればイチコロといったものであろうか。
この小鈴らの生きていた時代といえば、いまより遥かに世界は混沌としており、
魑魅魍魎の類や、幻想の世界の住人どもが、大手を振って闊歩していたのである。

※ 先程とまた変わるが、こちらが本来の小鈴の姿で・・・封印継承者ではない素顔の彼女がここにあった。
それら異形の能力者どもを統べるべく立ち上がったのが、
闇の支配者・・・伯爵であり、勢力的に活動し、闇と光の秩序を保っていた訳なのである。
・・・だがしかし、大魔王という未曾有の強敵が封印より蘇ったため、
協力を求め、手を結んで共に闘った仲間が小鈴たち人間の能力者であったのだ。
これまでにも数々の強敵、難敵を打ち負かし配下に加えてきた伯爵であったが・・・
彼女の協力なしでは、あの不倶戴天の敵、大魔王の封印は叶わなかったと言えるほど苦戦を強いられた。
・・・小紅は、その小鈴より一子相伝で綿々と続く正当な封印の継承者であって、
潜在する能力は底知れないのだが、未だ、その全貌はみえておらず・・・開花するに至ってないのである。
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※ この衣装の小鈴が封印継承者として目覚めた時のスタイルで、超絶な力を発揮したと伝えられている。
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そんな小紅に、伯爵自らが・・・極秘に呼び出しをかけて、自身の統治する地へと招き入れたのだ・・・
それは異例中の異例のことであり、これまで何百年以上もの間・・・全くありえなかった稀有な事象である。
小紅 「・・・お招きいただき、やってまいりました。。。小紅と申します。」
伯爵 「・・・うむ、・・・やはり、・・・よく似ておるな、・・・よくきた小紅よ、・・・そなたに頼みがあるのだ。」
何やら、意味深な言葉を投げかけつつも・・・伯爵は躊躇なくこう切り出した。
伯爵 「・・・くれないのことだが、・・・あれはいま肉体を失い、・・・冥界の入り口を彷徨っておる状態なのだ、
・・・このままでは、・・・いずれか近いうちに、・・・本当に滅び去ってしまうことになるであろう。」
小紅 「・・・くれないくんが、この世から消滅してしまうという事なのですか?」

※ 伯爵と小紅・・・このふたりがこうして直接会い、いや間接的に会話するのも今回が初めての事になる。
伯爵 「・・・この我れ等、・・・不死のヴァンパイアといえども、・・・能力が未熟なものは、・・・封印されたり、
・・・また滅ぼされるものもおる、・・・あれもまだまだ未熟者だが、・・・このまま捨て置くのも忍びない。」
小紅 「・・・伯爵さまは、そこまでくれないくんを思って下さっているのですね。」
伯爵 「・・・ふっ、・・・そなたといると、・・・小鈴といる気持ちになる、・・・それは遠い過去のことだが。」
小紅 「・・・ “ 小鈴 ” というのは、伯爵さまとご一緒に闘ったというあたしのご先祖さまのことですか?」
伯爵 「・・・うむ、・・・知っておったか、・・・あれもまた、・・・そなた同様、・・・心根の強い女性であった。」
小紅 「・・・たしか古い文献の中で、その名前を拝見した覚えがございます。」
伯爵 「・・・その見目もまた、・・・まるで生き写しのように、・・・似ておる、・・・我れの記憶にあるままにな。」

※ それは幻の姿であったのだろうか、伯爵の記憶に残る小鈴の映し身が・・・小紅の横に現れたのである。
小紅 「・・・本当に、あたしとそっくり。。。いえ、あたしの方が似ているという事になるのね。」
伯爵 「・・・小鈴には、・・・世話になった、・・・その想いは、・・・いまも決して忘れることなどない。」
・・・どれくらいの時間が経過したのかわからないが、伯爵は感慨深い目で小紅をじっと見つめていた。
伯爵 「・・・くくくっ、・・・戯言であったな、・・・いまはまず、・・・くれないの件を優先させねばなるまい。」
小紅 「・・・では、その方法というものを教えていただけますでしょうか。」
伯爵 「・・・とり急ぎ、・・・やつの肉体を用意せねばならぬ、・・・それにはいくつかの条件が必要となるのだ、
・・・ひとつは、・・・やつの現存する細胞組織、・・・できるだけ新しいものがよいな、・・・あともうひとつは、
・・・やつを強く思うものの新鮮な血、・・・その数や量は、・・・多ければ多いほどよいのじゃ。」

※ 伯爵のふたつの眼が紅く光ると・・・そこに現れたのは、人狼吸血鬼であるデュークの姿であった。
伯爵 「・・・事態は急を有し、・・・一刻の猶予もない故、・・・そなたのもとに、・・・やつを遣わすことにする。」
デューク 「・・・まぁ、なんだ~お手柔らかに頼むぜ。。。小紅姫さまよ w 」
・・・生死を彷徨うくれない復活に向けて、小紅たちはいま本格的に動き出した。
・・・続く。
ナレーション 「・・・ついに、あの伯爵さまが間接的にとはいえ、行動を起こしました。
そして、小紅のご先祖さま・・・ “ 小鈴 ” に関する情報もほんの少し垣間見ることができました。
しかし、まだまだ・・・明らかにされていない本当の隠された真実があるはずなのです。
そうです、伯爵が妻であるあのマルゴのもとへ帰らなくなった理由というものが・・・
ではでは、またここで・・・この時間に、お会いいたしましょう。」

※ その復活の時を信じて、いまにも消えそうになりながらも、悠久とも思える時間の中を混沌 -カオス- にて、
・・・ひたすら彷徨い続けているくれないの精神体。。。はたして、無事に蘇ることはできるのだろうか !?
2009年08月06日
チョビ太郎
くれないの軍団とマダム軍の攻防が日増しに激しくなり、予断を許さない状況が続いています。
そんな中、忘れてはいけないのが、もうひとつの勢力であるあの “ マスター・ボルド ” の動向であり、
また彼に連れ去られたちょびさんと、その警護のため一緒についていった愛犬チョビ太郎♂の存在である。
※ 優秀な探偵犬でもあるチョビ太郎♂は、大好きなちょびママを・・・影に日向にいつも見守っているのだ。
“ 闇の黙示録編 ” ・・・その真の鍵を握ると言われているのがマスター・ボルドであるのだが、
いまだに彼が大きく動いたという気配は聞こえてこない・・・しいて言うなら、ちょびさんの誘拐?であろうか。
それに、マダム親衛隊の麗華によってちょびさんに施された洗脳を解いてみたりと、その動きも謎である。
一説には、チョビ太郎♂の主治医時代に何かと世話を焼いてもらった恩もあるということだ。
また、当時からチョビ太郎♂自身とも個人的に付き合いも深かったりと・・・特別な間柄であったりもする。
※ ちょびママとチョビ太郎♂との出会いはとあるペットショップで・・・ちょびさんの一目ぼれであったという。
謎の魔人ではあるが、人間と違い裏切ることがないチョビ太郎♂によせる想いというのは確かにあるだろう。
・・・彼もまたある意味、チョビ太郎♂の魅力の虜になったひとりであると言える。
そう考察すると、まだボルドが非情にならずにいるのは・・・このふたりのおかげなのかもしれない。
・・・つづく。
ナレーション 「ボルド、ちょびさん、チョビ太郎♂・・・彼らの間には、こんな意外な繋がりがあったようです。
この関係をも超越して、マスター・ボルドが動き出す・・・その時、きっと大きな “ 革命 ” が起きるでしょう。
それでは、またここで・・・この時間に、お会いする事にいたしましょう。」

※ ボルドが救世主となるのかどうか、その鍵を握っているのは・・・ちょびママ&チョビ太郎♂かもしれない。
そんな中、忘れてはいけないのが、もうひとつの勢力であるあの “ マスター・ボルド ” の動向であり、
また彼に連れ去られたちょびさんと、その警護のため一緒についていった愛犬チョビ太郎♂の存在である。

※ 優秀な探偵犬でもあるチョビ太郎♂は、大好きなちょびママを・・・影に日向にいつも見守っているのだ。
“ 闇の黙示録編 ” ・・・その真の鍵を握ると言われているのがマスター・ボルドであるのだが、
いまだに彼が大きく動いたという気配は聞こえてこない・・・しいて言うなら、ちょびさんの誘拐?であろうか。
それに、マダム親衛隊の麗華によってちょびさんに施された洗脳を解いてみたりと、その動きも謎である。
一説には、チョビ太郎♂の主治医時代に何かと世話を焼いてもらった恩もあるということだ。
また、当時からチョビ太郎♂自身とも個人的に付き合いも深かったりと・・・特別な間柄であったりもする。
※ ちょびママとチョビ太郎♂との出会いはとあるペットショップで・・・ちょびさんの一目ぼれであったという。
謎の魔人ではあるが、人間と違い裏切ることがないチョビ太郎♂によせる想いというのは確かにあるだろう。
・・・彼もまたある意味、チョビ太郎♂の魅力の虜になったひとりであると言える。
そう考察すると、まだボルドが非情にならずにいるのは・・・このふたりのおかげなのかもしれない。
・・・つづく。
ナレーション 「ボルド、ちょびさん、チョビ太郎♂・・・彼らの間には、こんな意外な繋がりがあったようです。
この関係をも超越して、マスター・ボルドが動き出す・・・その時、きっと大きな “ 革命 ” が起きるでしょう。
それでは、またここで・・・この時間に、お会いする事にいたしましょう。」
※ ボルドが救世主となるのかどうか、その鍵を握っているのは・・・ちょびママ&チョビ太郎♂かもしれない。
2009年08月01日
幽閉されたプリンセス
次々と悲劇が起こる中、ずっとその動向がわからずにいたアイリスがついに動いた。
彼女はマダムの研究施設に派遣されていたのだが、渡仏したちょびさんの誘拐にあわせる様に、
その身柄を拘束され・・・そして、何らかの洗脳を受けて、あのマダム親衛隊の一員となっていたのだ。
※ 彼女なりのポリシーであろうか・・・親衛隊制服ではなく、あえて着物に身を包んでの登場となっている。
アイリスといえば、若き天才科学者として・・・その名を馳せており、実力は申し分ないのだが、
しかし、その性格もかなり独創的で、そのことが “ 魔王編 ” においても遺憾なく発揮されていたのである。
彼女の歪んだともいえる、むらさきへの熱い想いがボルドに利用され、大魔王への道を歩むことになり、
その結果、様々な事件が封印を中心に起こった。。。・・・というのが簡単な“ 魔王編 ”のあらすじである。
そんなアイリスが、これまで静かになりを潜め、表舞台に立っていなかった訳であるが、
この状況に至って、ようやく動き出した真相とは、いったい・・・いかがなものなのだろうか。
※ 龍神族長老の孫娘、すみれ・・・龍騎士であるりんどうの婚約者にして悩みの種でもあるお転婆姫君。
あの時のちょびさん同様、アイリスにも親衛隊隊長である麗華自らの手により、
かなり深いレベルの意識の奥で、洗脳が施されているとみて・・・まず間違いはないであろう。
しかしながら、大魔王の封印を持つアイリスにそれがどこまで有効なのかは謎のことなのである。
普通の人間でしかないちょびさんのように、実際にその本人の知らぬところにおいて、
ちゃんと洗脳の効果があるのかは、それを施行した麗華にでさえはっきりわかってなかったと言えるだろう。
まぁ、あのアイリスの性格からすると・・・現在、おとなしくしてるところがその何よりの証だと言えるのだが・・・
※ 真紅の着物をまとい、何やら怪しげな孤島の浜辺にて、待ち合わせの相手、りんどうと会うアイリス。
パトロール中のりんどうに、Beeを使って渡りをつけ・・・指定した島へと密かに呼び出したのである。
そう、その内容とは・・・もちろん、 “ すみれ ” の消息に関することであった。
アイリス 「わざわざ、ご足労願って悪いわね~りんどう・・・いえ、龍騎士さんと呼べばいいのかしら?」
りんどう 「・・・御託はいい、用件をさっさと言ってもらおうか。」
アイリス 「ふん、あんたもせっかち派タイプなのかい・・・やっぱり、あたしのむらさきよりも、
いい男なんてこの世にはいないって事なんだねぇ~ そりゃまぁ、当然のことなんだけどさ w 」
※ のら~りくら~りと自分のペースで話すアイリスに苛立ちを隠せないでいるまだ若い龍騎士、りんどう。
りんどう 「・・・!」
アイリス 「おぉ、怖い顔だこと・・・あたしに手出ししても無駄だよ、あたしはただのメッセンジャーなのさ。
あんたの大事な姫君を預かってるさるお方から頼まれてここに来てるだけなんだからねぇ~。」
りんどう 「・・・だから、何が目的なのか話してくれと言ってるんだ。」
アイリス 「ふっ、まぁいいさ、あんまり焦らしてばかりも・・・若い身にはつらいだろうからね。
ようは簡単なこと、あんたの婚約者・・・すみれ様はこっちで丁重に預かってるって話だよ。」
※ いつものように冒険心からか、こっそり抜け出した先で、屈辱にも捕獲され幽閉されてしまったすみれ。
アイリス 「まったく、健気じゃないか・・・あんたの役に立ちたかったんだろうねぇ~、
お供もなしで単身、敵地のど真ん中に飛び込んでくるなんてさ。。。命知らずにも程があるわね。」
りんどう 「・・・くっ、なんという早まったことを!」
アイリス 「もちろん、たいそう高貴なお方だし・・・極めてご丁重に扱ってはいるのよ、
下手に怒らすと、どうなるかくらい想像がつくからねぇ~、ゆっくり眠ってもらってるところさ。」
りんどう 「・・・それで、俺に何をどうしろと言うんだ?」
※ りんどうのその言葉を待っていたかのように、アイリスの表情は一変し、大魔王の片鱗をみせたのだ。
アイリス 「ふふふ、話の早い男はすきだよ・・・そうだね~、小紅を片付けてくれるとありがたいんだけど、
まぁ、それよりも順番から言えば~あの裏切り者のゾラを消し去ってもらいたいところだよねぇ~。。。
これまでおくびにも出さなかったのに、このあたしのむらさきに色目使うだなんて・・・許せないんだよ!! 」
りんどう 「・・・。」
アイリス 「でもね、これは無理強いなんかじゃないの・・・あんたにはこれまで同様にね~、
ただ “ 監視 ” だけをしててくれたらいいんのよ。 ・・・それで大事なプリンセスは無事でいられるって訳。
・・・まぁさっきの条件をクリアーしてくれたのなら、釈放してもらえるように手を回すんだけどねぇ~っ ♪ 」

※ 本当に洗脳をされているのだろうか?。。。己の欲望にのみ従い忠実に生きる女・・・堕天使、アイリス。
なおも渋るりんどうを軽くあしらい、話はこれまでだと・・・とっとと追い返してしまったアイリス。
この先、彼女の奥深い中で封印され眠っている大魔王がまた目覚めてしまうこともあるのだろうか・・・
そして、龍神族の有力者でもあるすみれ姫を幽閉できるほどの実力者とはいったい誰なのか?
・・・つづく。
ナレーション 「・・・またしても恐れていたことが起こりました。。。あのすみれ様の幽閉です。
冒険好きということで、想像ができる結果でありましたが・・・またもや足枷が増えてしまいました。
して、アイリスのいう “ さるお方 ” なのですが、そういえば四天王には、確かもうひとり誰かが・・・
ではでは、またここでこの時間に・・・お会いしましょう。」

※ 意識を奪われ力を失い幽閉されてる我が主、すみれを救おうと必死に炎を吐きつづけるドラゴンの幼生。
彼女はマダムの研究施設に派遣されていたのだが、渡仏したちょびさんの誘拐にあわせる様に、
その身柄を拘束され・・・そして、何らかの洗脳を受けて、あのマダム親衛隊の一員となっていたのだ。

※ 彼女なりのポリシーであろうか・・・親衛隊制服ではなく、あえて着物に身を包んでの登場となっている。
アイリスといえば、若き天才科学者として・・・その名を馳せており、実力は申し分ないのだが、
しかし、その性格もかなり独創的で、そのことが “ 魔王編 ” においても遺憾なく発揮されていたのである。
彼女の歪んだともいえる、むらさきへの熱い想いがボルドに利用され、大魔王への道を歩むことになり、
その結果、様々な事件が封印を中心に起こった。。。・・・というのが簡単な“ 魔王編 ”のあらすじである。
そんなアイリスが、これまで静かになりを潜め、表舞台に立っていなかった訳であるが、
この状況に至って、ようやく動き出した真相とは、いったい・・・いかがなものなのだろうか。

※ 龍神族長老の孫娘、すみれ・・・龍騎士であるりんどうの婚約者にして悩みの種でもあるお転婆姫君。
あの時のちょびさん同様、アイリスにも親衛隊隊長である麗華自らの手により、
かなり深いレベルの意識の奥で、洗脳が施されているとみて・・・まず間違いはないであろう。
しかしながら、大魔王の封印を持つアイリスにそれがどこまで有効なのかは謎のことなのである。
普通の人間でしかないちょびさんのように、実際にその本人の知らぬところにおいて、
ちゃんと洗脳の効果があるのかは、それを施行した麗華にでさえはっきりわかってなかったと言えるだろう。
まぁ、あのアイリスの性格からすると・・・現在、おとなしくしてるところがその何よりの証だと言えるのだが・・・

※ 真紅の着物をまとい、何やら怪しげな孤島の浜辺にて、待ち合わせの相手、りんどうと会うアイリス。
パトロール中のりんどうに、Beeを使って渡りをつけ・・・指定した島へと密かに呼び出したのである。
そう、その内容とは・・・もちろん、 “ すみれ ” の消息に関することであった。
アイリス 「わざわざ、ご足労願って悪いわね~りんどう・・・いえ、龍騎士さんと呼べばいいのかしら?」
りんどう 「・・・御託はいい、用件をさっさと言ってもらおうか。」
アイリス 「ふん、あんたもせっかち派タイプなのかい・・・やっぱり、あたしのむらさきよりも、
いい男なんてこの世にはいないって事なんだねぇ~ そりゃまぁ、当然のことなんだけどさ w 」

※ のら~りくら~りと自分のペースで話すアイリスに苛立ちを隠せないでいるまだ若い龍騎士、りんどう。
りんどう 「・・・!」
アイリス 「おぉ、怖い顔だこと・・・あたしに手出ししても無駄だよ、あたしはただのメッセンジャーなのさ。
あんたの大事な姫君を預かってるさるお方から頼まれてここに来てるだけなんだからねぇ~。」
りんどう 「・・・だから、何が目的なのか話してくれと言ってるんだ。」
アイリス 「ふっ、まぁいいさ、あんまり焦らしてばかりも・・・若い身にはつらいだろうからね。
ようは簡単なこと、あんたの婚約者・・・すみれ様はこっちで丁重に預かってるって話だよ。」

※ いつものように冒険心からか、こっそり抜け出した先で、屈辱にも捕獲され幽閉されてしまったすみれ。
アイリス 「まったく、健気じゃないか・・・あんたの役に立ちたかったんだろうねぇ~、
お供もなしで単身、敵地のど真ん中に飛び込んでくるなんてさ。。。命知らずにも程があるわね。」
りんどう 「・・・くっ、なんという早まったことを!」
アイリス 「もちろん、たいそう高貴なお方だし・・・極めてご丁重に扱ってはいるのよ、
下手に怒らすと、どうなるかくらい想像がつくからねぇ~、ゆっくり眠ってもらってるところさ。」
りんどう 「・・・それで、俺に何をどうしろと言うんだ?」

※ りんどうのその言葉を待っていたかのように、アイリスの表情は一変し、大魔王の片鱗をみせたのだ。
アイリス 「ふふふ、話の早い男はすきだよ・・・そうだね~、小紅を片付けてくれるとありがたいんだけど、
まぁ、それよりも順番から言えば~あの裏切り者のゾラを消し去ってもらいたいところだよねぇ~。。。
これまでおくびにも出さなかったのに、このあたしのむらさきに色目使うだなんて・・・許せないんだよ!! 」
りんどう 「・・・。」
アイリス 「でもね、これは無理強いなんかじゃないの・・・あんたにはこれまで同様にね~、
ただ “ 監視 ” だけをしててくれたらいいんのよ。 ・・・それで大事なプリンセスは無事でいられるって訳。
・・・まぁさっきの条件をクリアーしてくれたのなら、釈放してもらえるように手を回すんだけどねぇ~っ ♪ 」

※ 本当に洗脳をされているのだろうか?。。。己の欲望にのみ従い忠実に生きる女・・・堕天使、アイリス。
なおも渋るりんどうを軽くあしらい、話はこれまでだと・・・とっとと追い返してしまったアイリス。
この先、彼女の奥深い中で封印され眠っている大魔王がまた目覚めてしまうこともあるのだろうか・・・
そして、龍神族の有力者でもあるすみれ姫を幽閉できるほどの実力者とはいったい誰なのか?
・・・つづく。
ナレーション 「・・・またしても恐れていたことが起こりました。。。あのすみれ様の幽閉です。
冒険好きということで、想像ができる結果でありましたが・・・またもや足枷が増えてしまいました。
して、アイリスのいう “ さるお方 ” なのですが、そういえば四天王には、確かもうひとり誰かが・・・
ではでは、またここでこの時間に・・・お会いしましょう。」

※ 意識を奪われ力を失い幽閉されてる我が主、すみれを救おうと必死に炎を吐きつづけるドラゴンの幼生。