2009年09月30日
死神のライセンス
ここは、遠く人里を離れた不気味な森の遥か遥か奥深くにあるというとある謎のエリア・・・、
己の直属の上司にあたる " 冥府の門番 " こと、エンマを出迎えるためにひとりの女性が立っていた。
その彼女の手にある巨大なドクロのカマからも判るとおり、その生業は " 死神 " なのであった。
※ くれないと違い、正式な死神である彼女には " 死神の鎧 " など必要もなく、このカマだけで事足りる。
いまの彼女は死神に登用される際、名前も過去も記憶も・・・全て抹消されており、
ただ " 死神零番 " という名称が与えられているに過ぎないのだが、便宜上 " ゼロ " と呼ばれている。
・・・今回エンマに呼び出されたのは、現世に戻ってくるくれないの保護観察がその目的であろう。
このゼロたちは正規の許可証を持つ " 死神 " であるのだが、くれないは仮免許すら持たない、
半人前以下のド素人・・・いや、ただただ " 死神の鎧 " を装着しているだけの危険な存在なのである。
※ エンマの繋げた閉じた空間を通り、くれないたちはゼロの待つ薄暗い不気味な森へと無事に到着した。
いくつかある出入り口のひとつ、いまだ半獣人たちが住まうという太古の森深くに降り立ったくれないたち。
ゼロ 「・・・お待ちしておりました、エンマさま。。。この者が噂の " 特例 " なのですね。」
エンマ 「出迎えご苦労じゃったな・・・ゼロ、紹介しておこうか~くれない、 そなたの教官となるゼロじゃ。」
くれない 「・・・俺は死神として、この世に戻ってきたというのか?」
ゼロ 「ふっ、戯けたことを言う・・・何の知識も持たぬキミが到底なれるはずもないのよ。」
エンマ 「・・・手続き上のこともあってなぁ、いくら " 特例 " と言えども何でもはまかりならぬのじゃ。」
もちろん、 " 死神 " の資格を手に入れるには相当厳しい難関をクリアしていく必要があるのだが、
そんなことなど、このくれないが知る訳もなく・・・ゼロにとって素っ頓狂な受け答えにとれたのだった。
※ 突然、膨大な量の " 死神 " に関する極秘情報がくれないの頭の中に流れ込み・・・ラーニングされた。
エンマ 「いま得た知識は、その鎧をまとっている間だけ有効なもので・・・脱ぐとデリートされるのじゃ。」
くれない 「・・・何もかもが、仮初めのライセンスってことか~ったく、よくできたシステムなんだな。」
ゼロ 「おい、キミ!・・・誰に対して口を聞いてるんだ !?・・・このエンマさまというお方は、そもそも・・・」
エンマ 「まぁよいゼロ、・・・何しろこの者は、 " 特例 " なのじゃからな、少々のことは気にするでない。」
ゼロ 「・・・はぁ、そう言われるのでしたら、大目に見ることに致しますが。。。」
くれない 「やっぱ大物は話がわかるなぁ~ほんじゃ、教官・・・俺は一足先に行くんで、あとヨロシク!」
ゼロ 「・・・って、こらキミ!。。。あぁ~っ、もうみえなくなってしまった、これじゃ先が思いやられるわ。」
ふたりの心配をよそに、 " 死神の鎧 " をその身にまとったくれないは、一目散に駆け出していった。
※ 残された形のふたりであったが、けっして焦りなどはなく・・・むしろ余裕に満ちた表情そのものだった。
エンマ 「これも全て、我が君の望んだこと・・・我等はただ、流れに身を任し、傍観するだけじゃ。」
ゼロ 「・・・あのお方がお決めになったとあれば、それが摂理となる。。。という事なのですね。」
どこかしら意味深長な台詞を語るふたりを、不気味な森がただやさしく包み込んでいくのであった。
・・・つづく。
ナレーション 「~またもや登場しました新キャラクター、くれないの教官?となる " 死神零番 " ことゼロ。
彼女はくれないと違って・・・正式なライセンスを所持する正規の " 死神 " なのであります。
・・・そもそも、正規の " 死神 " の仕事ってのが、まだよくわかってないのですけどね~っ (謎)
それにしても、小紅たちがボルドのところへ出向いてから、どれくらいの時間が経過しているのでしょうか?
ではでは、またこの時間、この場所で・・・お会いすることに致しましょう。」
※ 勢いよく飛び出したのはいいが、ここがいったいどこなのか・・・わからない事に気づき迷ってしまった。
くれない 「・・・うぉーーーーーっ、方向がさっぱりわからん~俺はどこへ行きたいんじゃーーっ!! ! 」
己の直属の上司にあたる " 冥府の門番 " こと、エンマを出迎えるためにひとりの女性が立っていた。
その彼女の手にある巨大なドクロのカマからも判るとおり、その生業は " 死神 " なのであった。

※ くれないと違い、正式な死神である彼女には " 死神の鎧 " など必要もなく、このカマだけで事足りる。
いまの彼女は死神に登用される際、名前も過去も記憶も・・・全て抹消されており、
ただ " 死神零番 " という名称が与えられているに過ぎないのだが、便宜上 " ゼロ " と呼ばれている。
・・・今回エンマに呼び出されたのは、現世に戻ってくるくれないの保護観察がその目的であろう。
このゼロたちは正規の許可証を持つ " 死神 " であるのだが、くれないは仮免許すら持たない、
半人前以下のド素人・・・いや、ただただ " 死神の鎧 " を装着しているだけの危険な存在なのである。

※ エンマの繋げた閉じた空間を通り、くれないたちはゼロの待つ薄暗い不気味な森へと無事に到着した。
いくつかある出入り口のひとつ、いまだ半獣人たちが住まうという太古の森深くに降り立ったくれないたち。
ゼロ 「・・・お待ちしておりました、エンマさま。。。この者が噂の " 特例 " なのですね。」
エンマ 「出迎えご苦労じゃったな・・・ゼロ、紹介しておこうか~くれない、 そなたの教官となるゼロじゃ。」
くれない 「・・・俺は死神として、この世に戻ってきたというのか?」
ゼロ 「ふっ、戯けたことを言う・・・何の知識も持たぬキミが到底なれるはずもないのよ。」
エンマ 「・・・手続き上のこともあってなぁ、いくら " 特例 " と言えども何でもはまかりならぬのじゃ。」
もちろん、 " 死神 " の資格を手に入れるには相当厳しい難関をクリアしていく必要があるのだが、
そんなことなど、このくれないが知る訳もなく・・・ゼロにとって素っ頓狂な受け答えにとれたのだった。

※ 突然、膨大な量の " 死神 " に関する極秘情報がくれないの頭の中に流れ込み・・・ラーニングされた。
エンマ 「いま得た知識は、その鎧をまとっている間だけ有効なもので・・・脱ぐとデリートされるのじゃ。」
くれない 「・・・何もかもが、仮初めのライセンスってことか~ったく、よくできたシステムなんだな。」
ゼロ 「おい、キミ!・・・誰に対して口を聞いてるんだ !?・・・このエンマさまというお方は、そもそも・・・」
エンマ 「まぁよいゼロ、・・・何しろこの者は、 " 特例 " なのじゃからな、少々のことは気にするでない。」
ゼロ 「・・・はぁ、そう言われるのでしたら、大目に見ることに致しますが。。。」
くれない 「やっぱ大物は話がわかるなぁ~ほんじゃ、教官・・・俺は一足先に行くんで、あとヨロシク!」
ゼロ 「・・・って、こらキミ!。。。あぁ~っ、もうみえなくなってしまった、これじゃ先が思いやられるわ。」
ふたりの心配をよそに、 " 死神の鎧 " をその身にまとったくれないは、一目散に駆け出していった。

※ 残された形のふたりであったが、けっして焦りなどはなく・・・むしろ余裕に満ちた表情そのものだった。
エンマ 「これも全て、我が君の望んだこと・・・我等はただ、流れに身を任し、傍観するだけじゃ。」
ゼロ 「・・・あのお方がお決めになったとあれば、それが摂理となる。。。という事なのですね。」
どこかしら意味深長な台詞を語るふたりを、不気味な森がただやさしく包み込んでいくのであった。
・・・つづく。
ナレーション 「~またもや登場しました新キャラクター、くれないの教官?となる " 死神零番 " ことゼロ。
彼女はくれないと違って・・・正式なライセンスを所持する正規の " 死神 " なのであります。
・・・そもそも、正規の " 死神 " の仕事ってのが、まだよくわかってないのですけどね~っ (謎)
それにしても、小紅たちがボルドのところへ出向いてから、どれくらいの時間が経過しているのでしょうか?
ではでは、またこの時間、この場所で・・・お会いすることに致しましょう。」

※ 勢いよく飛び出したのはいいが、ここがいったいどこなのか・・・わからない事に気づき迷ってしまった。
くれない 「・・・うぉーーーーーっ、方向がさっぱりわからん~俺はどこへ行きたいんじゃーーっ!! ! 」
2009年09月26日
死神の掟
現世と冥府の境目にあるという混沌 -カオス- にて、いまにも消滅しかけていたくれないだったが、
邪神の特命を受けたエンマにより与えられた " 死神の鎧 " のおかげで、何とか免れることができた。
しかも、その " 死神の鎧 " を装備していれば・・・再び現世に行くことも可能であるらしいのだが。。。
※ 特殊な能力が封じ込められてる封印でもあるこの " 死神の鎧 " をまとえば、無限の可能性も・・・?
" 冥府の門番 " ・・・エンマ、彼女は冥界の最高責任者であり、死神たちの管轄もその一環なのだ。
エンマ 「・・・そもそも、正規の死神ではないそなたは、いくらその鎧を身に着けておろうが、
おのずと制限も規制もあり・・・できることにかなりの限りがあるということなのじゃ。」
くれない 「それは理解できる・・・で、それじゃいったい何だったらできるんだ?」
エンマ 「ふっ、そう急くものではないぞ・・・無論、現世に戻ることは可能だが、それにはまぁ条件がある。
・・・けっして、声を立ててはならぬという事と、現世の理(ことわり)には一切かかわらない事じゃ。。。
そのようなことがあれば、強制的に冥界へと送り戻されて・・・二度と現世に行くことは叶わぬ。
ちなみに、その死神の姿は普通のものには見えぬのだが・・・稀には見えてしまうものもおるがなぁ。」
くれない 「・・・み、見られるとなんか不都合でもあるのか?」
エンマ 「いや、特にはないぞ。」
・・・そうきっぱり言い切るエンマに、『な、なんじゃそりゃ~っ!』 と、いささか拍子抜けしたくれないである。
※ どこまでを真剣な内容ととればよいのか、いまいち把握できない " 冥府の門番 " 、エンマの話である。
エンマ 「それにじゃ、もし見えたとしても、その姿をそなたと判別することは誰にもできぬようになっておる。
もしも、・・・まぁ万が一にもだが " 死神の鎧 " をすべて脱ぎ捨てるようなことがあったとしたら、
・・・その時は、その場で一瞬にして、そなたは永遠に消滅してしまうことを固く心に刻んでおくがよいぞ。」
くれない 「・・・承知した、じゃ早速、俺を現世へ行かせてくれ!」
エンマ 「・・・まったく、せっかちというか、忙しないやつじゃのぅ~そなたというものは。」
そう苦笑しながらも、エンマはゆっくりと何かしらの舞を舞い始めるのだった。
・・・つづく。
ナレーション 「・・・ようやく、あの " 死神の鎧 " が持つ能力の一部が明らかになってきました。
しかし、いくつかの厳しい条件があり、くれないが現世に戻っても何もできないように思うのですが・・・ (謎)
やはり、平行して動いている小紅らによる " くれない復活 " への儀式を待たねばならないのでしょうか。
ではでは、またこの時間・・・この場所で、再びお会いすることに致しましょう。」
※ 軽やかなステップを踏み、優雅に舞を踊るエンマにより・・・現世への扉が、いま開かれようとしていた。
邪神の特命を受けたエンマにより与えられた " 死神の鎧 " のおかげで、何とか免れることができた。
しかも、その " 死神の鎧 " を装備していれば・・・再び現世に行くことも可能であるらしいのだが。。。

※ 特殊な能力が封じ込められてる封印でもあるこの " 死神の鎧 " をまとえば、無限の可能性も・・・?
" 冥府の門番 " ・・・エンマ、彼女は冥界の最高責任者であり、死神たちの管轄もその一環なのだ。
エンマ 「・・・そもそも、正規の死神ではないそなたは、いくらその鎧を身に着けておろうが、
おのずと制限も規制もあり・・・できることにかなりの限りがあるということなのじゃ。」
くれない 「それは理解できる・・・で、それじゃいったい何だったらできるんだ?」
エンマ 「ふっ、そう急くものではないぞ・・・無論、現世に戻ることは可能だが、それにはまぁ条件がある。
・・・けっして、声を立ててはならぬという事と、現世の理(ことわり)には一切かかわらない事じゃ。。。
そのようなことがあれば、強制的に冥界へと送り戻されて・・・二度と現世に行くことは叶わぬ。
ちなみに、その死神の姿は普通のものには見えぬのだが・・・稀には見えてしまうものもおるがなぁ。」
くれない 「・・・み、見られるとなんか不都合でもあるのか?」
エンマ 「いや、特にはないぞ。」
・・・そうきっぱり言い切るエンマに、『な、なんじゃそりゃ~っ!』 と、いささか拍子抜けしたくれないである。

※ どこまでを真剣な内容ととればよいのか、いまいち把握できない " 冥府の門番 " 、エンマの話である。
エンマ 「それにじゃ、もし見えたとしても、その姿をそなたと判別することは誰にもできぬようになっておる。
もしも、・・・まぁ万が一にもだが " 死神の鎧 " をすべて脱ぎ捨てるようなことがあったとしたら、
・・・その時は、その場で一瞬にして、そなたは永遠に消滅してしまうことを固く心に刻んでおくがよいぞ。」
くれない 「・・・承知した、じゃ早速、俺を現世へ行かせてくれ!」
エンマ 「・・・まったく、せっかちというか、忙しないやつじゃのぅ~そなたというものは。」
そう苦笑しながらも、エンマはゆっくりと何かしらの舞を舞い始めるのだった。
・・・つづく。
ナレーション 「・・・ようやく、あの " 死神の鎧 " が持つ能力の一部が明らかになってきました。
しかし、いくつかの厳しい条件があり、くれないが現世に戻っても何もできないように思うのですが・・・ (謎)
やはり、平行して動いている小紅らによる " くれない復活 " への儀式を待たねばならないのでしょうか。
ではでは、またこの時間・・・この場所で、再びお会いすることに致しましょう。」
※ 軽やかなステップを踏み、優雅に舞を踊るエンマにより・・・現世への扉が、いま開かれようとしていた。
2009年09月17日
死神の鎧
邪神さま直々の申しつけにより、 " 冥府の門番 " ・・・エンマはその任務を直ちに遂行するべく、
数ある冥界の入り口のひとつ、・・・混沌 -カオス- へ直接出向き、ある人物を保護することにした。
・・・そう、その人物とは復活の時を信じて、ただ気力だけで己を奮い立たせていた彼の事であった。
※ エンマにそっと抱きかかえられるようにして、もう意識すら失くしたくれないがその姿をみせたのである。
" 冥府の門番 " と呼ばれているように、彼女は冥界周辺の監督を一任されてる立場なので、
このくれないが・・・混沌 -カオス- にて、留まっていることはすでに把握していた事象であった。
この件に関しては、古い友人・・・伯爵からも手がまわされていて、じっと見守る意向であったのだ。
・・・しかし、主格にあたる邪神の特命により・・・また新たに違う動きを見せる次第とあいなった。
※ もはや気力も尽き、いまにも混沌 -カオス- に吸収されてしまいそうな非常に危険な状態のくれない。
そのような状態のくれないを早速見つけ出し、自分の執務室のある異空間まで連れてくることは、
・・・このエンマにとっては朝メシ前のなんの造作もないことであった。
そして、いまにも消滅しそうになっていたくれないに仮初めの活力を注入し、手当てを施したのである。
エンマ 「・・・これでよい、あとはこのものが意識を取り戻すのを待つだけじゃ。」
※ まるで眠ったようにぐったりと倒れ、横たわるくれないと・・・涼しい顔で起きるのを待っているエンマ。
・・・程なく、手厚い看護?の甲斐もあってか、くれないはすっと意識を取り戻した。
くれない 「・・・こ、ここは、どこだ?・・・あ、あんたが俺を助けてくれたのか?」
エンマ 「どうやら目が覚めたようじゃな、我が名はエンマ、まだ朦朧としておろうがもう心配は無用じゃ。」
どこかキツネにつままれたように、いぶかしがるくれないをよそに、エンマは淡々としているだけだった。
※ すっと立ち上がり、きびすを返して・・・右手を少し上げ、その掌に光る棒状の物体を出現させるエンマ。
※ やがてそれは、身の丈を越すほどのとても巨大な " 死神のカマ " となり、圧倒的な威圧感をみせた。
そしておもむろに、その巨大なカマを大きく振るって・・・くれないの身体を切り刻んだのである。
くれない 「・・・う、うぎゃーーーーーーっ!! ! ! ! 」
エンマ 「パンパカパーーーーン ♪ あなたは見事、 " 冥府ご愛好感謝キャンペーン " に当選しました。
その栄誉を称えて、ここに " 死神の鎧 " 装備一式を特別に授与致します・・・おめでとうございます。」
※ 切り裂かれたと感じた次の瞬間、くれないの身体には、漆黒の " 死神の鎧 " が装着されていたのだ。
エンマ 「・・・その鎧さえ装着しておれば、混沌 -カオス- において、自由に動くことが可能となる。
だが、そなたの肉体は既に消え失せておるので、現状で現世に還ることはままならん事なのじゃ・・・。
まぁ、まったくもって・・・その方法がひとつもないという訳では、ないのであるがな。。。」
くれない 「・・・ん?・・・ってことは、まだ方法はあるって事なんだな!」
ほんの少し前まで、輝きを失っていたくれないの両の瞳に再び爛々と希望の光がよみがえってきた。
・・・つづく。
ナレーション 「・・・颯爽と " お姫様抱っこ " をされて~まっぱで登場した、我らが主人公くれない。
邪神さまの戯れの計らいとも露知らず、エンマより " 死神の鎧 " を授けられることとなった。
しかも、それを装着した状態であれば、現世に戻れる可能性も出てきたのだ。
この事は、・・・くれない復活へ向けての、また新たな一歩となるのであろうか・・・?
ではでは、またこの場所で、この時間・・・再びお会いすることに致しましょう。」
※ エンマに与えられた " 死神の鎧 " をまとい・・・なんとか九死に一生を得た形の主人公、くれない。
数ある冥界の入り口のひとつ、・・・混沌 -カオス- へ直接出向き、ある人物を保護することにした。
・・・そう、その人物とは復活の時を信じて、ただ気力だけで己を奮い立たせていた彼の事であった。

※ エンマにそっと抱きかかえられるようにして、もう意識すら失くしたくれないがその姿をみせたのである。
" 冥府の門番 " と呼ばれているように、彼女は冥界周辺の監督を一任されてる立場なので、
このくれないが・・・混沌 -カオス- にて、留まっていることはすでに把握していた事象であった。
この件に関しては、古い友人・・・伯爵からも手がまわされていて、じっと見守る意向であったのだ。
・・・しかし、主格にあたる邪神の特命により・・・また新たに違う動きを見せる次第とあいなった。

※ もはや気力も尽き、いまにも混沌 -カオス- に吸収されてしまいそうな非常に危険な状態のくれない。
そのような状態のくれないを早速見つけ出し、自分の執務室のある異空間まで連れてくることは、
・・・このエンマにとっては朝メシ前のなんの造作もないことであった。
そして、いまにも消滅しそうになっていたくれないに仮初めの活力を注入し、手当てを施したのである。
エンマ 「・・・これでよい、あとはこのものが意識を取り戻すのを待つだけじゃ。」

※ まるで眠ったようにぐったりと倒れ、横たわるくれないと・・・涼しい顔で起きるのを待っているエンマ。
・・・程なく、手厚い看護?の甲斐もあってか、くれないはすっと意識を取り戻した。
くれない 「・・・こ、ここは、どこだ?・・・あ、あんたが俺を助けてくれたのか?」
エンマ 「どうやら目が覚めたようじゃな、我が名はエンマ、まだ朦朧としておろうがもう心配は無用じゃ。」
どこかキツネにつままれたように、いぶかしがるくれないをよそに、エンマは淡々としているだけだった。

※ すっと立ち上がり、きびすを返して・・・右手を少し上げ、その掌に光る棒状の物体を出現させるエンマ。

※ やがてそれは、身の丈を越すほどのとても巨大な " 死神のカマ " となり、圧倒的な威圧感をみせた。
そしておもむろに、その巨大なカマを大きく振るって・・・くれないの身体を切り刻んだのである。
くれない 「・・・う、うぎゃーーーーーーっ!! ! ! ! 」
エンマ 「パンパカパーーーーン ♪ あなたは見事、 " 冥府ご愛好感謝キャンペーン " に当選しました。
その栄誉を称えて、ここに " 死神の鎧 " 装備一式を特別に授与致します・・・おめでとうございます。」

※ 切り裂かれたと感じた次の瞬間、くれないの身体には、漆黒の " 死神の鎧 " が装着されていたのだ。
エンマ 「・・・その鎧さえ装着しておれば、混沌 -カオス- において、自由に動くことが可能となる。
だが、そなたの肉体は既に消え失せておるので、現状で現世に還ることはままならん事なのじゃ・・・。
まぁ、まったくもって・・・その方法がひとつもないという訳では、ないのであるがな。。。」
くれない 「・・・ん?・・・ってことは、まだ方法はあるって事なんだな!」
ほんの少し前まで、輝きを失っていたくれないの両の瞳に再び爛々と希望の光がよみがえってきた。
・・・つづく。
ナレーション 「・・・颯爽と " お姫様抱っこ " をされて~まっぱで登場した、我らが主人公くれない。
邪神さまの戯れの計らいとも露知らず、エンマより " 死神の鎧 " を授けられることとなった。
しかも、それを装着した状態であれば、現世に戻れる可能性も出てきたのだ。
この事は、・・・くれない復活へ向けての、また新たな一歩となるのであろうか・・・?
ではでは、またこの場所で、この時間・・・再びお会いすることに致しましょう。」

※ エンマに与えられた " 死神の鎧 " をまとい・・・なんとか九死に一生を得た形の主人公、くれない。
2009年09月12日
邪神遊戯
いくつもの時代を超えて現れる、人をも超越した存在。。。 " 異次元の女神 " こと、・・・邪神さま。
これまでにも特定の人物の前にその姿をみせ、予言などをすることはあったが、
・・・直接、自分から手を下しては、この世界の歴史に携わることはなかったと言えるだろう。
※ 禍々しい光を放ち、妖しく輝くその姿・・・古くから歴史の影で崇められてきた闇世界の神さまである。
※ その邪神に召還されたひとりの女性、その名は " エンマ " 冥府の門番とでも言えばよいだろうか・・・。
エンマ 「お呼びとあり、即参上致しました・・・ご機嫌麗しゅうございます、我が君。」
邪神 「ようきた・・・大儀であったなエンマ、そなたにちと頼みたき事があるのじゃ。」
エンマ 「何なりとお申し付けくださいませ・・・して、如何様な用件でございますか?」
邪神 「うむ、それなのじゃがな・・・。」
・・・冥府の門番とは言うが、その主な役割はかなり重要なものだ。
何人も、許可なく死者を甦らせたりしないようにと・・・常に冥界周辺を見張り続けている。
※ 逆に言えば、この邪神の許可次第では・・・死者を現世に送り還すのも可能だと言うことなのだろうか?
エンマ 「かしこまりました、我が君のご命令とあらば・・・このエンマ喜んで。」
邪神 「たまには顔を見せにくるがよい・・・では、よしなに。」
そのように、短く用件だけを告げると、邪神の姿はもう見えなくなってしまった。
エンマ 「我が君といい、伯爵殿といい・・・まったく、戯れがお好きなようだな。」
・・・つづく。
ナレーション 「・・・性懲りもなく、また新たに登場した新キャラクター、 " 冥府の門番 " こと、エンマ 。
彼女の直属の上司というか、その主に相当するのが・・・あの邪神さまなのである。
さて、邪神直々の申し出とはいったい何なのか・・・それは次回以降きっと明らかになるだろう。
ではでは・・・またここで、この時間にお会いすることに致しましょう。」
※ では、冥界と現世の狭間にあると言われている場所、混沌 -カオス- も・・・このエンマの管轄なのか。
これまでにも特定の人物の前にその姿をみせ、予言などをすることはあったが、
・・・直接、自分から手を下しては、この世界の歴史に携わることはなかったと言えるだろう。

※ 禍々しい光を放ち、妖しく輝くその姿・・・古くから歴史の影で崇められてきた闇世界の神さまである。

※ その邪神に召還されたひとりの女性、その名は " エンマ " 冥府の門番とでも言えばよいだろうか・・・。
エンマ 「お呼びとあり、即参上致しました・・・ご機嫌麗しゅうございます、我が君。」
邪神 「ようきた・・・大儀であったなエンマ、そなたにちと頼みたき事があるのじゃ。」
エンマ 「何なりとお申し付けくださいませ・・・して、如何様な用件でございますか?」
邪神 「うむ、それなのじゃがな・・・。」
・・・冥府の門番とは言うが、その主な役割はかなり重要なものだ。
何人も、許可なく死者を甦らせたりしないようにと・・・常に冥界周辺を見張り続けている。

※ 逆に言えば、この邪神の許可次第では・・・死者を現世に送り還すのも可能だと言うことなのだろうか?
エンマ 「かしこまりました、我が君のご命令とあらば・・・このエンマ喜んで。」
邪神 「たまには顔を見せにくるがよい・・・では、よしなに。」
そのように、短く用件だけを告げると、邪神の姿はもう見えなくなってしまった。
エンマ 「我が君といい、伯爵殿といい・・・まったく、戯れがお好きなようだな。」
・・・つづく。
ナレーション 「・・・性懲りもなく、また新たに登場した新キャラクター、 " 冥府の門番 " こと、エンマ 。
彼女の直属の上司というか、その主に相当するのが・・・あの邪神さまなのである。
さて、邪神直々の申し出とはいったい何なのか・・・それは次回以降きっと明らかになるだろう。
ではでは・・・またここで、この時間にお会いすることに致しましょう。」

※ では、冥界と現世の狭間にあると言われている場所、混沌 -カオス- も・・・このエンマの管轄なのか。
2009年09月02日
偲ぶ面影
・・・ここは、いくつかある小紅たちの隠れ家のひとつ・・・カラクリだらけの忍者屋敷である。
ここでは幼い頃から厳しい修行をしたりと、ローズマリーにとっては思い出深い場所・・・
配下のものには、けっして誰も立ち入らぬようきつく申しつけ・・・ひとりこの屋敷に閉じ篭っていた。
※ 小紅と同じ髪型でかなり伸ばしていたものを、ばっさりと切り・・・ショート・ボブになったローズマリー。
" 海の見える丘 " で、主である小紅に言われ通りに・・・すぐに影武者として振舞うはずであった。
・・・しかし、自分の配下のどこか微妙な不穏の空気に違和感を覚え、
淡々と問い詰めた結果、小紅があえて語ず口止めしていた " ゼブラ " のその後を知ることになる。
そして、ひと時だけでもと・・・ほんのつかの間の時間だけ割いて、この思い出の屋敷にやって来たのだ。
※ ローズマリーにとって、ゼブラは小紅を別にして、一番のライバルであり、また無二の親友でもあった。
もちろん、この屋敷に限ったことではなく・・・ローズマリーらの修行の場所は他にもまだたくさんある。
ただ、この場所は・・・大きくなってからも、ゼブラとの待ち合わせ場所に指定したりと、
特にふたりの思い入れがとても深く、・・・また心癒せる数少ない空間でもあったのだ。
そっと目を閉じれば、いくつもの様々な記憶たちがよみがえってくる特別の場所なのである。
※ 膝を抱え、じっと考え込んだり、寝そべり、当時の書物を紐解いてみたりと~刻々と時間は過ぎていく。
・・・成長してからは、それぞれの任務のこともあり、
定時連絡以外では滅多に会えなかったふたりだったが、
お互いをライバルとして認め合い、ずっと切磋琢磨してきた仲であった。
そんな大きな存在であったゼブラに、もう二度と会う事ができなくなったなんて・・・。
※ この切り株にもたれていると、ふたりでただ黙って・・・寄り添い時間を過ごした記憶がよみがえってくる。
何も言わず、遠くへ旅立ってしまったゼブラ・・・ローズマリーはその理由さえ知らないでいた。
いまはただ、ほんの少しの時間だけ・・・遥かな友へ想いを馳せて、その面影を偲ぶのであった。
・・・これからまた、再び立ち上がって・・・己に課せられた使命を全うするために。。。
・・・つづく。
ナレーション 「・・・その理由を誰にも知られることなく、ひとり逝ってしまった "はぐれ隠密 " ゼブラ。
このローズマリーにとっては、本当の家族以上の非常に大切な存在であったと思われます。
しばしの間、友であるゼブラを想い・・・偲んでいても、誰も彼女を責めることはできないでしょうね。
ではでは、またこの場所で、この時間・・・お会いすることに致しましょう。」
※ 人前ではけっして弱音を吐かず、いつも平静であったが・・・この時ばかりは、そっと涙したのだった。
ここでは幼い頃から厳しい修行をしたりと、ローズマリーにとっては思い出深い場所・・・
配下のものには、けっして誰も立ち入らぬようきつく申しつけ・・・ひとりこの屋敷に閉じ篭っていた。

※ 小紅と同じ髪型でかなり伸ばしていたものを、ばっさりと切り・・・ショート・ボブになったローズマリー。
" 海の見える丘 " で、主である小紅に言われ通りに・・・すぐに影武者として振舞うはずであった。
・・・しかし、自分の配下のどこか微妙な不穏の空気に違和感を覚え、
淡々と問い詰めた結果、小紅があえて語ず口止めしていた " ゼブラ " のその後を知ることになる。
そして、ひと時だけでもと・・・ほんのつかの間の時間だけ割いて、この思い出の屋敷にやって来たのだ。
※ ローズマリーにとって、ゼブラは小紅を別にして、一番のライバルであり、また無二の親友でもあった。
もちろん、この屋敷に限ったことではなく・・・ローズマリーらの修行の場所は他にもまだたくさんある。
ただ、この場所は・・・大きくなってからも、ゼブラとの待ち合わせ場所に指定したりと、
特にふたりの思い入れがとても深く、・・・また心癒せる数少ない空間でもあったのだ。
そっと目を閉じれば、いくつもの様々な記憶たちがよみがえってくる特別の場所なのである。
※ 膝を抱え、じっと考え込んだり、寝そべり、当時の書物を紐解いてみたりと~刻々と時間は過ぎていく。
・・・成長してからは、それぞれの任務のこともあり、
定時連絡以外では滅多に会えなかったふたりだったが、
お互いをライバルとして認め合い、ずっと切磋琢磨してきた仲であった。
そんな大きな存在であったゼブラに、もう二度と会う事ができなくなったなんて・・・。

※ この切り株にもたれていると、ふたりでただ黙って・・・寄り添い時間を過ごした記憶がよみがえってくる。
何も言わず、遠くへ旅立ってしまったゼブラ・・・ローズマリーはその理由さえ知らないでいた。
いまはただ、ほんの少しの時間だけ・・・遥かな友へ想いを馳せて、その面影を偲ぶのであった。
・・・これからまた、再び立ち上がって・・・己に課せられた使命を全うするために。。。
・・・つづく。
ナレーション 「・・・その理由を誰にも知られることなく、ひとり逝ってしまった "はぐれ隠密 " ゼブラ。
このローズマリーにとっては、本当の家族以上の非常に大切な存在であったと思われます。
しばしの間、友であるゼブラを想い・・・偲んでいても、誰も彼女を責めることはできないでしょうね。
ではでは、またこの場所で、この時間・・・お会いすることに致しましょう。」

※ 人前ではけっして弱音を吐かず、いつも平静であったが・・・この時ばかりは、そっと涙したのだった。