ソラマメブログ
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2009年08月09日

小鈴と小紅

くれないが生と死の狭間を彷徨っているこの間にも、事態は粛々とその時を残酷に刻んでいた。

その圧倒的な力を持って襲いかかるマダム軍に対し、ただ翻弄されるままのくれないの軍団、
激しい戦いの最中、それぞれの思惑が複雑に交差するが、ついにあの方が動きをみせたのだった・・・。


小鈴と小紅

 ※ この誰かと瓜二つの女性は・・・もちろん、小紅ではない。。。何代か前にあたるご先祖さまなのだ。


こちらの女性の名前は “ 小鈴 ” といい、小紅と同じく・・・当時の封印継承者である。

・・・そう、あの伯爵らと共に “ 大魔王 ” を封じ込めることに成功した功労者のひとりでもあるのだ。


その時の怪我が元で、一時的にだが不死身の身体ではなくなった伯爵の介抱をしたのも彼女である。

そして、伯爵が愛しきマルゴのところへ帰らなくなってしまった原因も・・・彼女、小鈴にあるというのだが・・・


そんな小鈴の性格はと言えば、やはりそこは小紅のご先祖さまである、俗にいう “ ツンデレ ” で、
聡明であり、凛としていて・・・また時折みせる優しさに、普通の男であればイチコロといったものであろうか。


この小鈴らの生きていた時代といえば、いまより遥かに世界は混沌としており、
魑魅魍魎の類や、幻想の世界の住人どもが、大手を振って闊歩していたのである。


小鈴と小紅

 ※ 先程とまた変わるが、こちらが本来の小鈴の姿で・・・封印継承者ではない素顔の彼女がここにあった。


それら異形の能力者どもを統べるべく立ち上がったのが、
闇の支配者・・・伯爵であり、勢力的に活動し、闇と光の秩序を保っていた訳なのである。


・・・だがしかし、大魔王という未曾有の強敵が封印より蘇ったため、
協力を求め、手を結んで共に闘った仲間が小鈴たち人間の能力者であったのだ。


これまでにも数々の強敵、難敵を打ち負かし配下に加えてきた伯爵であったが・・・

彼女の協力なしでは、あの不倶戴天の敵、大魔王封印は叶わなかったと言えるほど苦戦を強いられた。



・・・小紅は、その小鈴より一子相伝で綿々と続く正当な封印の継承者であって、
潜在する能力は底知れないのだが、未だ、その全貌はみえておらず・・・開花するに至ってないのである。



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小鈴と小紅 

 ※ この衣装の小鈴封印継承者として目覚めた時のスタイルで、超絶な力を発揮したと伝えられている。


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そんな小紅に、伯爵自らが・・・極秘に呼び出しをかけて、自身の統治する地へと招き入れたのだ・・・

それは異例中の異例のことであり、これまで何百年以上もの間・・・全くありえなかった稀有な事象である。


 小紅 「・・・お招きいただき、やってまいりました。。。小紅と申します。」 


 伯爵 「・・・うむ、・・・やはり、・・・よく似ておるな、・・・よくきた小紅よ、・・・そなたに頼みがあるのだ。」


何やら、意味深な言葉を投げかけつつも・・・伯爵は躊躇なくこう切り出した。


 伯爵 「・・・くれないのことだが、・・・あれはいま肉体を失い、・・・冥界の入り口を彷徨っておる状態なのだ、

 ・・・このままでは、・・・いずれか近いうちに、・・・本当に滅び去ってしまうことになるであろう。」


 小紅 「・・・くれないくんが、この世から消滅してしまうという事なのですか?」 


小鈴と小紅

 ※ 伯爵小紅・・・このふたりがこうして直接会い、いや間接的に会話するのも今回が初めての事になる。


 伯爵 「・・・この我れ等、・・・不死のヴァンパイアといえども、・・・能力が未熟なものは、・・・封印されたり、

 ・・・また滅ぼされるものもおる、・・・あれもまだまだ未熟者だが、・・・このまま捨て置くのも忍びない。」


 小紅 「・・・伯爵さまは、そこまでくれないくんを思って下さっているのですね。」


 伯爵 「・・・ふっ、・・・そなたといると、・・・小鈴といる気持ちになる、・・・それは遠い過去のことだが。」


 小紅 「・・・ “ 小鈴 ” というのは、伯爵さまとご一緒に闘ったというあたしのご先祖さまのことですか?」   


 伯爵 「・・・うむ、・・・知っておったか、・・・あれもまた、・・・そなた同様、・・・心根の強い女性であった。」


 小紅 「・・・たしか古い文献の中で、その名前を拝見した覚えがございます。」  


 伯爵 「・・・その見目もまた、・・・まるで生き写しのように、・・・似ておる、・・・我れの記憶にあるままにな。」 


小鈴と小紅 

 ※ それは幻の姿であったのだろうか、伯爵の記憶に残る小鈴の映し身が・・・小紅の横に現れたのである。


 小紅 「・・・本当に、あたしとそっくり。。。いえ、あたしの方が似ているという事になるのね。」 


 伯爵 「・・・小鈴には、・・・世話になった、・・・その想いは、・・・いまも決して忘れることなどない。」


・・・どれくらいの時間が経過したのかわからないが、伯爵は感慨深い目で小紅をじっと見つめていた。


 伯爵 「・・・くくくっ、・・・戯言であったな、・・・いまはまず、・・・くれないの件を優先させねばなるまい。」


 小紅 「・・・では、その方法というものを教えていただけますでしょうか。」


 伯爵 「・・・とり急ぎ、・・・やつの肉体を用意せねばならぬ、・・・それにはいくつかの条件が必要となるのだ、

 ・・・ひとつは、・・・やつの現存する細胞組織、・・・できるだけ新しいものがよいな、・・・あともうひとつは、

 ・・・やつを強く思うものの新鮮な血、・・・その数や量は、・・・多ければ多いほどよいのじゃ。」    


小鈴と小紅

 ※ 伯爵のふたつの眼が紅く光ると・・・そこに現れたのは、人狼吸血鬼であるデュークの姿であった。


 伯爵 「・・・事態は急を有し、・・・一刻の猶予もない故、・・・そなたのもとに、・・・やつを遣わすことにする。」


 デューク 「・・・まぁ、なんだ~お手柔らかに頼むぜ。。。小紅姫さまよ w 」  


・・・生死を彷徨うくれない復活に向けて、小紅たちはいま本格的に動き出した。



                                                           ・・・続く。



 ナレーション 「・・・ついに、あの伯爵さまが間接的にとはいえ、行動を起こしました。 


 そして、小紅のご先祖さま・・・ “ 小鈴 ” に関する情報もほんの少し垣間見ることができました。

 しかし、まだまだ・・・明らかにされていない本当の隠された真実があるはずなのです。


 そうです、伯爵が妻であるあのマルゴのもとへ帰らなくなった理由というものが・・・


 ではでは、またここで・・・この時間に、お会いいたしましょう。」 
 

小鈴と小紅

 ※ その復活の時を信じて、いまにも消えそうになりながらも、悠久とも思える時間の中を混沌 -カオス- にて、
   ・・・ひたすら彷徨い続けているくれないの精神体。。。はたして、無事に蘇ることはできるのだろうか !?

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