2009年03月15日
麗華の願い
ちゃ~っす、たまには本編進めておきませんと~・・・ってことで w
今回の話は、あのマダム親衛隊隊長の “ 麗華 ” さまが単身、乗り込んでくる !?という内容になってます。
さぁ~、いったいどういう展開になるのでしょうか?・・・はじまり、はじまり~っ ♪
※ ここは幾重にも結界が張り巡らされた森のずっと奥深く、かの城塞都市がひっそりとそびえ立つ場所。
・・・もちろん、普通の人間であれば、
たとえ奇跡が起ころうともここに辿り着く事などできない。
巧妙に仕掛けられた幾多もの結界にかかり、その命を落としてしまうからだ・・・
だが、しかし・・・そんな結界の数々をものともせずに、
たったひとりで鉄壁の城塞都市を訪れたものがいたのだった。
そう、その人物とは・・・マダム・マルゴの信頼も厚い “ 麗華 ” その人である。
彼女が所属し、率いているのはマダム親衛隊・・・、
あのマダム四天王と並び、単独で行動が許されている唯一の機関であるのだ。
通常であれば、全組織から選ばれた選りすぐりの親衛隊隊員が派遣され、
世界各地に赴き、諜報活動などを遂行しているのだけれども・・・
しかし、どうやら今回は・・・その頭である麗華自らが、誰にも言わず内密にやってきたようである。
麗華 「・・・ここに、ボルドさまがいらっしゃるのね。」
※ 嵐の前の静けさとでも言えるのだろうか、ゆったりした午後の時間を過ごす・・・ボルドと美々である。
つい先ほど、逃げ出すようにしてフランスから戻ってきていた、
偽くれない・・・いや、その正体は “ しゅろ ” だったのだが。。。
彼は、マスターにようやく会えて安心したのもあって、
ほとんど休息もとらずに、モザイク・グラスへ・・・本来の偵察任務へと向かい、ここを後にした。
・・・それから、まだ時間的にはそう経ってはいない。
ちょびママさん型アンドロイドである2号こと・・・美々は、
こうして愛しいマスターとふたりっきりで過ごすこの時間が、何よりも好きであった。
しかし、その愛すべきひとときは、ふいに終わりを告げた。
ボルド 「・・・ふふふ、やはりしゅろは尾行されていたようだね。
美々、悪いのだがお客さまを玄関まで、お迎えに行ってもらえるかな。」
美々 「・・・はい、マスター、仰せのままに。」
ボルド 「すまないね、僕の大事な人なのだ、丁重にご案内しておくれ。」
美々 「・・・承知しました。」
※ そして、美々の案内で閉ざされた複雑な空間を通り、ボルドの待つ・・・中庭へと連れてこられた麗華。
ボルド 「やぁ、遠いところはるばる、よく来てくれたね・・・麗華。」
麗華 「お招きも受けないでの突然の来訪、ご無礼申し訳ございません・・・ボルドさま。」
ボルド 「かまわないよ、麗華ならいつかきっと、来てくれるだろうと思っていたからね。」
美々 「・・・では、こちらへどうぞ。」
そう促すと、ボルドと美々はいつもの自分達の席へと腰を下ろした。
麗華はテーブルの横に直立したまま座ろうとはしなかった。
麗華 「・・・ボルドさま、麗華はお願いがあって参りました。
単刀直入に申し上げます、奥様と・・・マルゴさまと手を結んではもらえませんか。」
ボルド 「ふっ、いくら麗華の頼みであっても・・・それは聞けない相談だよ。」
麗華 「しかし、坊ちゃま・・・あっ、・・・いえ、ボルドさま。
おふたりが手を結び、この世界を導いていくことが一番よいのだと麗華は思っています。」
※ 麗華は、ボルドの幼少時代からの教育担当者であり、・・・唯一お気に入りのお世話係でもあったのだ。
ボルド 「でもね麗華、あの人は自分自身がこの世を統治したいのだよ・・・
この僕に “ 救世主 ” という神輿を担がせてね・・・あの人の意のままの傀儡などお断りだね。」
麗華 「・・・坊ちゃま。」
ボルド 「せっかく来てくれたのだ、ゆっくりしていくといい。」
あまり普段から表情がわからない麗華であったが、
この時ばかりは、やはりどこか悲しい顔をしているように見えた。
ボルド 「僕はね麗華、・・・必要と思えばいつでも自分の力で “ 救世主の封印 ” を手に入れてみせるよ。」
麗華 「どうしても、奥様のところへはお戻りになっていただけませんか・・・」
ボルド 「麗華がよければ、このまま僕と共にいてほしいとさえ思っているくらいだよ。」
美々 「・・・!」
麗華 「それは麗華もできることでしたら、坊ちゃまとずっと一緒に、この命ある限り、
お傍に仕えさせていただきとうございます・・・でも、大恩ある奥様を裏切るわけにはいかないのです。」
※ あくまでも物腰やさしく麗華に対応するマスターを見て、美々はとても複雑な気持ちになっていった・・・
ボルド 「そうか、とても残念だけど・・・それも仕方ないね。」
麗華 「申し訳ございません・・・でも坊ちゃまがお望みでしたら、
いつなりと・・・いますぐにでも麗華のこの命、捧げても悔いはありません。」
ボルド 「ふふふ、相当の覚悟でここへ来たのはわかっていたよ・・・麗華。」
麗華 「麗華のわがままで、奥様には進軍を待っていただいております。
もちろん、行く先は誰にも言わずに独断で参りましたが・・・想像はされておられるかと。」
ボルド 「そうだね、あの人のことだからきっとここも知っているさ、そういう人だよ・・・マダム・マルゴは。」
・・・そんな麗華の心からの願いも虚しく、交渉はあえなく決裂となった。
ボルド 「麗華が戻れば、ほどなく “ 救世主の封印 ” を巡っての争いの火蓋が切って落とされる訳だ。」
麗華 「・・・はい。」
あたりには、目に見えない重苦しい空気がただ漂っていた。
※ 美々の知らないマスターと同じ時を一緒に過ごしていたという麗華の存在は “ 嫉妬 ” の対象だった。
その重圧ともいえる沈黙を破るように、美々がそっと口を開いた。
美々 「マスターが、ご命じになってくだされば、あたしが代わりに・・・!」
ボルド 「ふふふ、早合点してはいけないよ、美々。
・・・麗華は、・・・彼女は僕の大事な人なのだ、ある意味、あの人よりね。」
麗華 「本当に似ているわ・・・そっくりなのね、ちょびママさんと。。。」
ボルド 「そうだった、いまちょびママさんは麗華のところにいるのだったね。」
麗華 「とても芯の強い女性ですわ・・・ただ、惜しくは普通の “ 人間 ” だということなのですけど。」
ちょびママさん・・・1号、・・・そして、美々と3人の生き方の違うそれぞれの女性。
そんな彼女達の運命も、この世界の巨大な濁流に飲み込まれ翻弄されていくだけなのか・・・。
美々 「・・・ちょびママ、あたしを見捨てた・・・このあたしを。。。」
※ 麗華と久しぶりの再会に始終穏やかな表情のボルド・・・だが、決戦はこれから始まろうとしているのだ。
引き止めるボルドに別れを告げ、悲しみを背負った麗華は己の帰るべき場所へと去っていった。
ちょびママさんの台詞ではないが、次に会うときは戦場なのかもしれない。
これではっきりしたのは、あのマダム・マルゴが・・・
このボルドにとっては、かって “ 母親 ” であったという揺るぎない事実である。
・・・つづく。
ナレーション 「そうだったのか~、麗華さまは昔、ボルドのお世話係をしていたのか。。。
マダムとボルドの関係は、なんとなくわかってはいたが・・・やっぱり “ 親子 ” だったんですなぁ ^^;
血の繋がりというものは、こじれてしまうと他人のそれよりもややこしいものです (謎)
母親がいるってことは、当然ながら父親も存在していると思うのですが・・・
その辺りの情報もこれからわかっていくのでしょうか? ←どうなんだろうね~ w
未確認情報ですが、あの伯爵とマダムが夫婦であった時期があるとかないとかっ !?」 ←ええぇっ!
※ 麗華が去った後、そっと美々を抱き寄せて甘い言葉でフォローを忘れない、したたかなボルドであった。
今回の話は、あのマダム親衛隊隊長の “ 麗華 ” さまが単身、乗り込んでくる !?という内容になってます。
さぁ~、いったいどういう展開になるのでしょうか?・・・はじまり、はじまり~っ ♪

※ ここは幾重にも結界が張り巡らされた森のずっと奥深く、かの城塞都市がひっそりとそびえ立つ場所。
・・・もちろん、普通の人間であれば、
たとえ奇跡が起ころうともここに辿り着く事などできない。
巧妙に仕掛けられた幾多もの結界にかかり、その命を落としてしまうからだ・・・
だが、しかし・・・そんな結界の数々をものともせずに、
たったひとりで鉄壁の城塞都市を訪れたものがいたのだった。
そう、その人物とは・・・マダム・マルゴの信頼も厚い “ 麗華 ” その人である。
彼女が所属し、率いているのはマダム親衛隊・・・、
あのマダム四天王と並び、単独で行動が許されている唯一の機関であるのだ。
通常であれば、全組織から選ばれた選りすぐりの親衛隊隊員が派遣され、
世界各地に赴き、諜報活動などを遂行しているのだけれども・・・
しかし、どうやら今回は・・・その頭である麗華自らが、誰にも言わず内密にやってきたようである。
麗華 「・・・ここに、ボルドさまがいらっしゃるのね。」

※ 嵐の前の静けさとでも言えるのだろうか、ゆったりした午後の時間を過ごす・・・ボルドと美々である。
つい先ほど、逃げ出すようにしてフランスから戻ってきていた、
偽くれない・・・いや、その正体は “ しゅろ ” だったのだが。。。
彼は、マスターにようやく会えて安心したのもあって、
ほとんど休息もとらずに、モザイク・グラスへ・・・本来の偵察任務へと向かい、ここを後にした。
・・・それから、まだ時間的にはそう経ってはいない。
ちょびママさん型アンドロイドである2号こと・・・美々は、
こうして愛しいマスターとふたりっきりで過ごすこの時間が、何よりも好きであった。
しかし、その愛すべきひとときは、ふいに終わりを告げた。
ボルド 「・・・ふふふ、やはりしゅろは尾行されていたようだね。
美々、悪いのだがお客さまを玄関まで、お迎えに行ってもらえるかな。」
美々 「・・・はい、マスター、仰せのままに。」
ボルド 「すまないね、僕の大事な人なのだ、丁重にご案内しておくれ。」
美々 「・・・承知しました。」

※ そして、美々の案内で閉ざされた複雑な空間を通り、ボルドの待つ・・・中庭へと連れてこられた麗華。
ボルド 「やぁ、遠いところはるばる、よく来てくれたね・・・麗華。」
麗華 「お招きも受けないでの突然の来訪、ご無礼申し訳ございません・・・ボルドさま。」
ボルド 「かまわないよ、麗華ならいつかきっと、来てくれるだろうと思っていたからね。」
美々 「・・・では、こちらへどうぞ。」
そう促すと、ボルドと美々はいつもの自分達の席へと腰を下ろした。
麗華はテーブルの横に直立したまま座ろうとはしなかった。
麗華 「・・・ボルドさま、麗華はお願いがあって参りました。
単刀直入に申し上げます、奥様と・・・マルゴさまと手を結んではもらえませんか。」
ボルド 「ふっ、いくら麗華の頼みであっても・・・それは聞けない相談だよ。」
麗華 「しかし、坊ちゃま・・・あっ、・・・いえ、ボルドさま。
おふたりが手を結び、この世界を導いていくことが一番よいのだと麗華は思っています。」

※ 麗華は、ボルドの幼少時代からの教育担当者であり、・・・唯一お気に入りのお世話係でもあったのだ。
ボルド 「でもね麗華、あの人は自分自身がこの世を統治したいのだよ・・・
この僕に “ 救世主 ” という神輿を担がせてね・・・あの人の意のままの傀儡などお断りだね。」
麗華 「・・・坊ちゃま。」
ボルド 「せっかく来てくれたのだ、ゆっくりしていくといい。」
あまり普段から表情がわからない麗華であったが、
この時ばかりは、やはりどこか悲しい顔をしているように見えた。
ボルド 「僕はね麗華、・・・必要と思えばいつでも自分の力で “ 救世主の封印 ” を手に入れてみせるよ。」
麗華 「どうしても、奥様のところへはお戻りになっていただけませんか・・・」
ボルド 「麗華がよければ、このまま僕と共にいてほしいとさえ思っているくらいだよ。」
美々 「・・・!」
麗華 「それは麗華もできることでしたら、坊ちゃまとずっと一緒に、この命ある限り、
お傍に仕えさせていただきとうございます・・・でも、大恩ある奥様を裏切るわけにはいかないのです。」

※ あくまでも物腰やさしく麗華に対応するマスターを見て、美々はとても複雑な気持ちになっていった・・・
ボルド 「そうか、とても残念だけど・・・それも仕方ないね。」
麗華 「申し訳ございません・・・でも坊ちゃまがお望みでしたら、
いつなりと・・・いますぐにでも麗華のこの命、捧げても悔いはありません。」
ボルド 「ふふふ、相当の覚悟でここへ来たのはわかっていたよ・・・麗華。」
麗華 「麗華のわがままで、奥様には進軍を待っていただいております。
もちろん、行く先は誰にも言わずに独断で参りましたが・・・想像はされておられるかと。」
ボルド 「そうだね、あの人のことだからきっとここも知っているさ、そういう人だよ・・・マダム・マルゴは。」
・・・そんな麗華の心からの願いも虚しく、交渉はあえなく決裂となった。
ボルド 「麗華が戻れば、ほどなく “ 救世主の封印 ” を巡っての争いの火蓋が切って落とされる訳だ。」
麗華 「・・・はい。」
あたりには、目に見えない重苦しい空気がただ漂っていた。

※ 美々の知らないマスターと同じ時を一緒に過ごしていたという麗華の存在は “ 嫉妬 ” の対象だった。
その重圧ともいえる沈黙を破るように、美々がそっと口を開いた。
美々 「マスターが、ご命じになってくだされば、あたしが代わりに・・・!」
ボルド 「ふふふ、早合点してはいけないよ、美々。
・・・麗華は、・・・彼女は僕の大事な人なのだ、ある意味、あの人よりね。」
麗華 「本当に似ているわ・・・そっくりなのね、ちょびママさんと。。。」
ボルド 「そうだった、いまちょびママさんは麗華のところにいるのだったね。」
麗華 「とても芯の強い女性ですわ・・・ただ、惜しくは普通の “ 人間 ” だということなのですけど。」
ちょびママさん・・・1号、・・・そして、美々と3人の生き方の違うそれぞれの女性。
そんな彼女達の運命も、この世界の巨大な濁流に飲み込まれ翻弄されていくだけなのか・・・。
美々 「・・・ちょびママ、あたしを見捨てた・・・このあたしを。。。」

※ 麗華と久しぶりの再会に始終穏やかな表情のボルド・・・だが、決戦はこれから始まろうとしているのだ。
引き止めるボルドに別れを告げ、悲しみを背負った麗華は己の帰るべき場所へと去っていった。
ちょびママさんの台詞ではないが、次に会うときは戦場なのかもしれない。
これではっきりしたのは、あのマダム・マルゴが・・・
このボルドにとっては、かって “ 母親 ” であったという揺るぎない事実である。
・・・つづく。
ナレーション 「そうだったのか~、麗華さまは昔、ボルドのお世話係をしていたのか。。。
マダムとボルドの関係は、なんとなくわかってはいたが・・・やっぱり “ 親子 ” だったんですなぁ ^^;
血の繋がりというものは、こじれてしまうと他人のそれよりもややこしいものです (謎)
母親がいるってことは、当然ながら父親も存在していると思うのですが・・・
その辺りの情報もこれからわかっていくのでしょうか? ←どうなんだろうね~ w
未確認情報ですが、あの伯爵とマダムが夫婦であった時期があるとかないとかっ !?」 ←ええぇっ!
※ 麗華が去った後、そっと美々を抱き寄せて甘い言葉でフォローを忘れない、したたかなボルドであった。
Posted by くれない at 16:28│Comments(0)
│闇の黙示録編 第二部
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