ソラマメブログ
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2008年08月10日

闇の黙示録 -魔王の影-

・・・あの時の私は、これから始まろうとしている恐ろしい出来事について、まだ何も知る由がなかった。

いまから2年以上の前の話になる・・・
はっきりと場所を明かすことはできないが、とある聖地において、幾重にも厳重な封印を施された、
ひとつの棺(ひつぎ)を発掘した我々の研究チームは、その歓喜に包まれていた。
・・・みな興奮を隠し切れないでいたのも無理はなかっただろう。

なぜなら、複雑に暗号化された伝承を根気よく紐解く作業は数年にも及び、行く度も失敗を繰り返し、
何度もくじけそうになりながら、やっとの思いで辿り着いた結果なのだったから・・・


闇の黙示録 -魔王の影-

すぐさま慎重に研究室へと運び込まれた棺だったが、その夜にすでに邪悪な変貌をとげようとしていた。
当直であった私はその変化に気づき、夜が明けないうちに誰にも何も言わないまま、件の棺と共に、
その身を隠すように消息を絶った・・・そう小紅にさえも行方を告げずにだ。。。

その封印をされた棺は聖地から動かしてはいけなかったのだ・・・

あの場所から動かすことにより自動的にスイッチが解除されるように予め仕組まれていたのだった!
棺に閉じ込められていた邪悪な魔族は、すでに私の身体を蝕み、私は私であって半分私ではない・・・
という状況に陥ってしまった。
かろうじてまだ少しだけ残っていた意識でなんとか堪え、最後の気力を振り絞り・・・
己自身に封印を施して、誰にも発見されないような深い海の底でひとり眠りについたのだった。。。


闇の黙示録 -魔王の影-

あとに残され、置き去りになった形の研究チームのメンバーの事も気にかかったが、何よりも、
小紅に真実を告げれないままになっていた事が一番の心残りではあった。


・・・それから長く苦しい2年の歳月が流れていくわけだが。。。

少しづつではあるが、私は強大な魔族の呪縛を退け、己の精神力でそれをコントロールできるよう
にまでなっていった・・・それでも、かもすると相手に我が意識を支配されて思わぬ行動に出てしまう
という事もなくなった訳ではなかったが・・・

そうして私は時機を見て、闇の貴公子を名乗り・・・魔王として世間にその姿を晒すようになったのだ。


この2年もの間、世界各地において・・・いくつもの封印が発掘され開封されると、思いもよらない
不可解な怪事件が勃発していたりした。
しかし、その程度の事ではまだ序の口に過ぎなかった・・・

我々、人類が絶対に開けてはならないパンドラの箱が、永き封印から放たれ、もうまもなく開封され
ようとしている・・・そう、あのアイリス自身の手によってだ・・・


闇の黙示録 -魔王の影-

私が姿を消して以来、再びこの地に足を踏み込み訪れることになるとは、なんとも皮肉なことだ・・・

この地に封印されていた棺は、我々が発掘したあのひとつだけではなかったのだ。
私の手に入れた封印は、さらに凶悪な封印を隠蔽するためのカムフラージュに過ぎず、
違う意味でも二重三重の罠が仕掛けられていたのだった・・・
その事を、もうひとつの封印が作り出すこの強大で凄まじい結界が図らずも物語っているのだ。


おそらく、いまの私の全ての能力を駆使しても・・・到底、太刀打ちできない事は明白である。
・・・しかし、みすみすアイリスの凶行を見過ごす訳にはいかない。
なにより、あの封印を解く為に小紅を生贄とし、それを憑代(よりしろ)に開封するはずなのだから・・・

アイリスのような一途な天才科学者の、ただ真実を知りたいという狂気じみた欲求の前には、
およそ人道的なものなど、あってないに等しい事象なのだ。


闇の黙示録 -魔王の影-

私には悠長に構えてる時間などない、こうしてる間にもアイリスの手によって闇の黙示録のページが、
いまや遅しと開け放たれようとしている・・・


心はもう決めた・・・自らが持てるだけの力を全て解き放ち・・・静かに、だが力強く舞い上がろう。
小紅が捕らえられている聖地へ・・・
いや、アイリスが待ち構えている聖地へと・・・漆黒の翼を広げ、その身を滑らせるように飛翔させた。。。

                                                    
    
                                                      ・・・つづく。  

     

 ナレーション 「今回は闇の貴公子魔王こと、むらさきによる一人称というパターンでお送りしました。 
 
 むらさきの口からついに語られた、いままで隠されていた新たなる証言をどう捉えるかで、
 これまでみてきた話の読み方もガラリと180度変わってくる事でしょうし、結果今回の事によって、
 ここから先のストーリーを大きく左右していく、幾つもの大事なポイントが見えてきました。
 てんでバラバラであったピースの欠片がパチっと埋まり、ひとつの大きな流れへと繋がりだしたようです。

 はたして、むらさきは見事小紅を救い出し、アイリスの凶行をブチ破ることができるのでしょうか・・・
 それともアイリス封印を解き、世界は破滅への輪舞曲(ロンド)を踊りだす事になるのだろうか。


 おっと・・・忘れていてはいけません、この物語の主人公くれないが、きっとなんとかしてくれるに違いない
 と思います。。。うん、たぶんなんとかしてくれるんじゃないかなぁ~って ^^;

 それでは、皆様あともう少しだけ辛抱して、おつきあいしてくださいね w」  ←とっくに限界は超えてるわ!




 ※え~と、今回はですね・・・いつもにも増して文章がまとまらず、さらに難解で残念な仕上がりになって
  おります♪・・・折を見まして、チョコチョコとぷち修正していきますんで、ご了承くださいませ。(謎) 

  (これまでにも、こっそりマイナーな修正を繰り返しておりますが・・・読み返してみると、「おい!そこ弄ると
 意味が全く変わってくるだろ!! 」 ・・・ってな発見もあるかもですよ ^^;)  ←それじゃダメじゃん !? 

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Posted by くれない at 10:46│Comments(0)魔王編
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