2008年11月17日
更なる来訪者・・・
その日、ゆーいちは朝早くからちょびママさんの言いつけで、チョビ太郎♂の散歩相手として同行し、
モザイク・グラス周辺をのんびりウロウロと物見遊山がてら散策していた・・・するとその時。
チョビ太郎♂ 「わん、わんわん。」
ちょっと前を先行していたチョビ太郎♂がなにかをみつけたらしく、ゆーいちを呼ぶかのように吠えた。
ゆーいち 「ん?・・・何かみつけたのかな。」
チョビ太郎♂ 「わん!」
さっそく近づいてみると、そこにひとりの若者がうつ伏せになって倒れているではないか・・・!!
もしや?と思い、あわてて抱えおこしてみるとかなり熱っぽいが、まだ息はあるようだ。
だが、どうしていいかわからず、急いで携帯からちょびママさんに電話してみることにした。
ちょび 「じゃ、さっさとここへ運んでおいで・・・わかった?」
ゆーいち 「・・・う、うむ。」
その倒れていた若者をおんぶするようにし、ゆーいちはモザイク・グラスへの最短の道を急いだ。
チョビ太郎♂に先導され、ほどなく到着すると、寝床の準備や簡単な看護の用意が整っていた・・・
そして、ゆーいちは、言われるがままにその若者を布団に寝かして、しばらく茫然としながら、
ちょびママさんがてきぱきと看病する様をただみていた。
すると、まだ早朝だったが間もなく医者も到着して、すぐに診察を開始してくれた。
医者 「風邪のようですね、もう少しで肺炎を起こすところでしたよ・・・あと少しでも発見が遅かったら、
かなり危険な状態になるとこでしたから、本当によかったです・・・では、お大事に。」
ちょび 「はい、ありがとうございました。」
ゆーいち 「・・・ども、でした。」
そうして、数日分の薬を置いてそのお医者さんは笑顔で帰っていった・・・
先ほどまでに比べると、注射も効いてきたのか若者の顔色にも血の気が戻ってきたようにみえる。
しかし、それでいてもまだ彼の肌は透き通るように白く、まるで女性のように艶かしかった。
そう・・・その倒れていて担ぎ込まれた若者とは、しゅろの事なのである。
季節的に、朝晩ともなれば冷え込みもすごく、いつから倒れていたのかわからないが、
あのままでは、もしかすると凍死していたかもしれない。
何はともあれ、いまはこうして暖かい布団の中で看病されているので、あまり心配はないが、
ときおり、うなされるように声をあげ、空を掴むかのようにふいに手をあげる仕草をしている。
心配そうに覗き込むちょびママさんと、それをじっと見守っているチョビ太郎♂をよそに、
ゆーいちは黙ってひとり部屋を後にした。
ゆーいち 「・・・なんで、あんなとこで倒れてたんだろう。」
それは至極当然の疑問であった・・・
このしゅろの目的が、モザイク・グラスへの接触であれば、見事にそれを果たしたといえるだろう。
しかも、まんまと部屋の中にまで入り込んでいるのだ・・・
まぁ方法としては、危険なリスクもかなり高く、うまいやり方とは言えないが、
あのちょびママさんの性格を巧妙につくという点では、既にリサーチ済みであるとも言えよう。
それに、公にはされていないが、あぁいう繊細な感じのどこか影のあるタイプが好みであるらしいぞ (謎)
りんどう 「本当に人がいいよね、ちょびママさんという人は、相手が困っていると思うと、
すぐに面倒みちゃうってところがあるし・・・あっ、そういえば、ゆーいちくんもそうだっけ、ごめんごめん w 」
ゆーいち 「・・・うす。」
そう言いながら屈託なく笑うのは、ここに探偵見習いとして住み込みで雇われている、りんどうである。
年の頃は、まだまだ若いが・・・ゆーいちよりは若干年上であろうかと思われるくらいの若者だった・・・
りんどう 「あの性格が災いしてか、これまでに何度か誘拐されたって聞くしね、
もうこれ以上は、面倒な事に巻き込まれたりしなければいいんだけどさぁ。」
ゆーいち 「・・・ふ~ん、そうなのか。」
りんどう 「おっと、こうしちゃいられなかった・・・俺もこうみえてやる事けっこうあるんだ。
あの麗しきふたりのおねぇさま方を怒らせないようにしないとさ (謎)」
後半、何やらモゴモゴと声にならないように言葉を濁し、りんどうは足早に事務所の方へと戻っていった。
チョビ太郎♂のお散歩相手がおわると、特にゆーいちの仕事といえるようなものはなく、気が向いたら、
その辺を掃いてまわるだとか、ブラブラとまた散歩に出かけるとかがお決まりの日課であった。
ここに世話になってからもう数日が経つが、これといって記憶に関して思い出したこともなく、
ただ変哲もない日々が何事もなく経過しただけだった。
ゆーいち 「・・・いったい俺は、誰なんだろうか。」
このどうしようもできない想いを自分だけの胸に秘め、彼は彼なりに悩んでいたのである。
一方、その頃、必死の看病の甲斐があったのか・・・まだ熱はあるが、しゅろが意識を取り戻したようである。
しゅろ 「・・・う、うん、ここは、ここはどこですか?」
ちょび 「ん、ここはね、モザイク・グラスっていうあたしの店の一室だよ、心配いらない。」
しゅろ 「モザイク・グラス?・・・なんだか素敵な名前ですね、たしかボクは急に意識を失って・・・」
ちょび 「そうね、道端に倒れていたとこを、このチョビ太郎とゆーいちに発見されて、
ここへ運び込まれたのよ、でももう大丈夫、なにも心配ないわ。」
しゅろ 「・・・そうでしたか、ご迷惑おかけして、すいま、ゴホッ、ゴホンッ!」
ちょび 「肺炎になりかけてたってお医者さんも言ってたわ、無理してないでまだ寝てな。」
そういって、ちょびママさんはトントンとあやすかのようにして、またしゅろを寝かしつけたのだった。
ちょび 「・・・ちょっと感じが似てるのよね、彼と・・・雰囲気はまったく違うんだけど、
どことなく同じ匂いがするというか・・・まぁ、あいつはこんな折れそうに細い感じじゃないけどさ w 」
そんなちょびママさんの囁くような独り言は、もうすでに小さく寝息をたてていたしゅろに届くはずもなく、
もし届いてたとしても、すぐ隣で眠っているチョビ太郎♂の大きなふさふさした耳にだけだったかもしれない。
いつもと同じようにみえるモザイク・グラスの朝であったが、新たな来訪者であるしゅろを迎えて・・・
微妙に違った空気が流れ込み、もうすぐそこまで変革の波が静かに押し寄せようとしていた。
なにか目に見えないものが水面下で着々と、そのきたるべき時に備えて、準備を進めているようである。
・・・つづく。
ナレーション 「前回に引き続きましての、しゅろ登場編:その2・・・といったところでしょうか ^^;
またもや、新しいモザイク・グラスを中心に続々と新旧のキャラたちが結集し始めております・・・
これでこの先、なんにも起きないはずがございませんですとも~っ !?
ヨーロッパへと交換留学に行ったアイリスはさておき、あとは忘れちゃいけない・・・この物語の主人公、
そうです、くれないくんが現在どうしているのかって話なんですよね~ ^^;
3年ほど前、修行だと言って半ば強引に周りの忠告も聞く耳もたず、ちょび1号だけを連れ立って、
どこかへ行方をくらましている無責任なこのストーリーの主人公、くれないくんですが・・・
この話の流れだと、そう遠くないうちに・・・いやすぐ近いうちに、その姿を現してくれることでしょう。
そうじゃないと、新キャラの誰かにあっさりと主役の座なんてもってかれてしまいそうですしね~ (謎)
まぁまぁそんな感じで、新キャラ登場&紹介編もほぼ完了しましたので、
こっから先は、それぞれが存分にその力を発揮し、暴れまわってもらおうと企んでおりまする www
ではでは、次回またこの場所でお会い致しましょう ♪」 ←・・・って、どこなんじゃ~ !?
モザイク・グラス周辺をのんびりウロウロと物見遊山がてら散策していた・・・するとその時。

チョビ太郎♂ 「わん、わんわん。」
ちょっと前を先行していたチョビ太郎♂がなにかをみつけたらしく、ゆーいちを呼ぶかのように吠えた。
ゆーいち 「ん?・・・何かみつけたのかな。」
チョビ太郎♂ 「わん!」
さっそく近づいてみると、そこにひとりの若者がうつ伏せになって倒れているではないか・・・!!
もしや?と思い、あわてて抱えおこしてみるとかなり熱っぽいが、まだ息はあるようだ。
だが、どうしていいかわからず、急いで携帯からちょびママさんに電話してみることにした。
ちょび 「じゃ、さっさとここへ運んでおいで・・・わかった?」
ゆーいち 「・・・う、うむ。」
その倒れていた若者をおんぶするようにし、ゆーいちはモザイク・グラスへの最短の道を急いだ。
チョビ太郎♂に先導され、ほどなく到着すると、寝床の準備や簡単な看護の用意が整っていた・・・

そして、ゆーいちは、言われるがままにその若者を布団に寝かして、しばらく茫然としながら、
ちょびママさんがてきぱきと看病する様をただみていた。
すると、まだ早朝だったが間もなく医者も到着して、すぐに診察を開始してくれた。
医者 「風邪のようですね、もう少しで肺炎を起こすところでしたよ・・・あと少しでも発見が遅かったら、
かなり危険な状態になるとこでしたから、本当によかったです・・・では、お大事に。」
ちょび 「はい、ありがとうございました。」
ゆーいち 「・・・ども、でした。」
そうして、数日分の薬を置いてそのお医者さんは笑顔で帰っていった・・・
先ほどまでに比べると、注射も効いてきたのか若者の顔色にも血の気が戻ってきたようにみえる。
しかし、それでいてもまだ彼の肌は透き通るように白く、まるで女性のように艶かしかった。
そう・・・その倒れていて担ぎ込まれた若者とは、しゅろの事なのである。
季節的に、朝晩ともなれば冷え込みもすごく、いつから倒れていたのかわからないが、
あのままでは、もしかすると凍死していたかもしれない。
何はともあれ、いまはこうして暖かい布団の中で看病されているので、あまり心配はないが、
ときおり、うなされるように声をあげ、空を掴むかのようにふいに手をあげる仕草をしている。
心配そうに覗き込むちょびママさんと、それをじっと見守っているチョビ太郎♂をよそに、
ゆーいちは黙ってひとり部屋を後にした。
ゆーいち 「・・・なんで、あんなとこで倒れてたんだろう。」
それは至極当然の疑問であった・・・
このしゅろの目的が、モザイク・グラスへの接触であれば、見事にそれを果たしたといえるだろう。
しかも、まんまと部屋の中にまで入り込んでいるのだ・・・
まぁ方法としては、危険なリスクもかなり高く、うまいやり方とは言えないが、
あのちょびママさんの性格を巧妙につくという点では、既にリサーチ済みであるとも言えよう。
それに、公にはされていないが、あぁいう繊細な感じのどこか影のあるタイプが好みであるらしいぞ (謎)
りんどう 「本当に人がいいよね、ちょびママさんという人は、相手が困っていると思うと、
すぐに面倒みちゃうってところがあるし・・・あっ、そういえば、ゆーいちくんもそうだっけ、ごめんごめん w 」
ゆーいち 「・・・うす。」
そう言いながら屈託なく笑うのは、ここに探偵見習いとして住み込みで雇われている、りんどうである。

年の頃は、まだまだ若いが・・・ゆーいちよりは若干年上であろうかと思われるくらいの若者だった・・・
りんどう 「あの性格が災いしてか、これまでに何度か誘拐されたって聞くしね、
もうこれ以上は、面倒な事に巻き込まれたりしなければいいんだけどさぁ。」
ゆーいち 「・・・ふ~ん、そうなのか。」
りんどう 「おっと、こうしちゃいられなかった・・・俺もこうみえてやる事けっこうあるんだ。
あの麗しきふたりのおねぇさま方を怒らせないようにしないとさ (謎)」
後半、何やらモゴモゴと声にならないように言葉を濁し、りんどうは足早に事務所の方へと戻っていった。
チョビ太郎♂のお散歩相手がおわると、特にゆーいちの仕事といえるようなものはなく、気が向いたら、
その辺を掃いてまわるだとか、ブラブラとまた散歩に出かけるとかがお決まりの日課であった。
ここに世話になってからもう数日が経つが、これといって記憶に関して思い出したこともなく、
ただ変哲もない日々が何事もなく経過しただけだった。

ゆーいち 「・・・いったい俺は、誰なんだろうか。」
このどうしようもできない想いを自分だけの胸に秘め、彼は彼なりに悩んでいたのである。
一方、その頃、必死の看病の甲斐があったのか・・・まだ熱はあるが、しゅろが意識を取り戻したようである。
しゅろ 「・・・う、うん、ここは、ここはどこですか?」
ちょび 「ん、ここはね、モザイク・グラスっていうあたしの店の一室だよ、心配いらない。」
しゅろ 「モザイク・グラス?・・・なんだか素敵な名前ですね、たしかボクは急に意識を失って・・・」
ちょび 「そうね、道端に倒れていたとこを、このチョビ太郎とゆーいちに発見されて、
ここへ運び込まれたのよ、でももう大丈夫、なにも心配ないわ。」
しゅろ 「・・・そうでしたか、ご迷惑おかけして、すいま、ゴホッ、ゴホンッ!」
ちょび 「肺炎になりかけてたってお医者さんも言ってたわ、無理してないでまだ寝てな。」
そういって、ちょびママさんはトントンとあやすかのようにして、またしゅろを寝かしつけたのだった。
ちょび 「・・・ちょっと感じが似てるのよね、彼と・・・雰囲気はまったく違うんだけど、
どことなく同じ匂いがするというか・・・まぁ、あいつはこんな折れそうに細い感じじゃないけどさ w 」
そんなちょびママさんの囁くような独り言は、もうすでに小さく寝息をたてていたしゅろに届くはずもなく、
もし届いてたとしても、すぐ隣で眠っているチョビ太郎♂の大きなふさふさした耳にだけだったかもしれない。
いつもと同じようにみえるモザイク・グラスの朝であったが、新たな来訪者であるしゅろを迎えて・・・
微妙に違った空気が流れ込み、もうすぐそこまで変革の波が静かに押し寄せようとしていた。
なにか目に見えないものが水面下で着々と、そのきたるべき時に備えて、準備を進めているようである。
・・・つづく。
ナレーション 「前回に引き続きましての、しゅろ登場編:その2・・・といったところでしょうか ^^;
またもや、新しいモザイク・グラスを中心に続々と新旧のキャラたちが結集し始めております・・・
これでこの先、なんにも起きないはずがございませんですとも~っ !?
ヨーロッパへと交換留学に行ったアイリスはさておき、あとは忘れちゃいけない・・・この物語の主人公、
そうです、くれないくんが現在どうしているのかって話なんですよね~ ^^;
3年ほど前、修行だと言って半ば強引に周りの忠告も聞く耳もたず、ちょび1号だけを連れ立って、
どこかへ行方をくらましている無責任なこのストーリーの主人公、くれないくんですが・・・
この話の流れだと、そう遠くないうちに・・・いやすぐ近いうちに、その姿を現してくれることでしょう。
そうじゃないと、新キャラの誰かにあっさりと主役の座なんてもってかれてしまいそうですしね~ (謎)
まぁまぁそんな感じで、新キャラ登場&紹介編もほぼ完了しましたので、
こっから先は、それぞれが存分にその力を発揮し、暴れまわってもらおうと企んでおりまする www
ではでは、次回またこの場所でお会い致しましょう ♪」 ←・・・って、どこなんじゃ~ !?